これから主将になる僕へ。主将を経て人一倍大きくなった僕より。
主将になるということは、部活動以外を捨てるということだ。
言い換えれば、全てのエネルギーを部活動に連結させるということだ。
誰よりも練習動画を眺め、誰よりもボートについて研究し、
誰よりもトレーニングに打ち込めということだ。
かといって、全てのエネルギーを自己鍛錬に使ってはいけない。
部員同士やOB、または部外者との関係構築、新歓、財務管理、艇具管理、安全・衛生、栄養、知識の共有などにまで、全てに気を配る必要がある。
勉強も部への迷惑をかけるのなら、限られた時間内で死ぬ気でやるべきだし、助けることができるのなら、手を差し伸べるべきだ。
練習も自分ひとり高める意識でやるのではなく、部員全員で高める意識でやるべきだ。それによって教えるという発想が生まれるし、より正しい知識への探求や理解にも繋がる。
マネの仕事にも敬意を払うべきだし、少しでも部全体として前進するよう、漕艇知識の共有と無駄な負担の軽減を図るべきだ。
部の雰囲気を乱す人がいるのなら、密にコミュニケーションを図り、その原因を取り除く最大限の努力をすべきだし、その後もフォローを怠るべきでない。さらに、同じような人はいないか、なぜ最初から気づくことができなかったのか、徹底的に問うべきだと思う。
これまでこの部が存続してきたのも、OBの不断の努力の賜物であり、敬意をもった上で、win-winの仕組みを構築すべきだ。部の財政はどうしてもOBによる力添えが必要なのだから、部としてもOBへできる限り返すべきだ。
主将って気の遠くなるような仕事量だろ?
それでも主将をやる覚悟はあるか?
でも、朗報だ。
ただ苦しい訳ではない。
実際、僕が君なら、再び迷わず主将になる。
毎日が非常にChallengingで、ゾクゾクする。
後輩の笑顔が日に日に増えていく、
同期の顔がどんどん誇らしくなっていく
先輩からの応援の数が着々と増えていく。
それだけじゃない。
さらには、20年以上生きて味わったことのないやりがいと自信が手に入る。
家族のように大切な仲間が手に入る。
最高じゃないか?
さあ、あとは、きみの捨てる覚悟だけだ。
これから始まる大冒険に打ちひしがれそうになったら、いつでも連絡してくれ。歓迎することを約束しよう。