#2 本物をつくる。完全無投薬で育てる「えばらハーブ豚未来」
群馬県高崎市の江原養豚は、生まれてから抗生物質、合成抗菌剤など一切使用しない日本型有機畜産を目指す完全無投薬の養豚場です。
からだに良い、本物の豚をつくる。
完全無投薬養豚。
安定出荷までの道のりは悪戦苦闘の日々だったそう。
正直、江原さんのお話を伺うまで、無投薬で肥育することがこんなに大変なことだとは思っていませんでした。
まさに、言うは易く行うが難し。本当に安心安全で貴重な「えばらハーブ豚」との出会いに感謝しかありません。
養豚にかけた江原さんの想いとストーリーをお届けいたします。
豚がうまく育たない。赤字続きの経営。
本物をつくる。志高くはじめた無投薬養豚も豚がうまく育たたず、
出荷しても売り物にならない日々。
試行錯誤と悪戦苦闘の日々で経営は赤字続き。
「本当にやめてしまっていいの?」
豚もうまく育たない。経営も限界、もうダメだ。
本気でそう思い諦めかけたその時、美津子さんの一言で我に帰った江原さん。
何度となく挫けそうになった時に支えてくれたのは今は亡き妻の美津子さんでした。
夫婦二人三脚で無投薬飼養をあきらめず続けた結果、スタートから4年して、ようやく安定して飼育、出荷ができるようになりました。
徹底した管理
抗菌性物質を全く使用しないという考え方はヨーロッパの主流となりつつありますが、飼養密度の高い日本では成功例は少なく、専用飼料と共に高い飼養技術が必要となってきます。衛生検査を定期的に実施し、農場の健康状態を把握しつつ、日々丁寧な飼養が必要です。
ハーブ配合の独自飼料
ハーブ効果により、肉質は柔らかく旨味があり、獣臭もなく脂肪があっさりしています。ハーブ飼料には通常の飼料に比べビタミンEが10倍も含まれていることから豚肉にも通常の約2倍のビタミンEが含まれております。従って、抗酸化作用がありドリップが出にくく風味が長持ちするのも特徴です。
価値を伝える
苦労して成功した無投薬飼育の貴重な豚。
飼料をはじめ、手間も時間も要するえばらハーブ豚は他の豚に比べて割高になります。
肥育の次は「販売」という壁が江原夫妻に立ちはだかりました。
当時の市場では、無投薬飼育の認知も低く中々価値を理解してもらえなかったそうです。
しかし、美津子さんは決して諦めませんでした。
「えばらハーブ豚未来」は人間の“健康に生きたい”という願いを叶えるために心をこめて育てた豚です。
このコピーを掲げ、自ら営業活動を開始!
この豚を必要としてくれてる人が必ずいるはず。
パソコン教室に通いHPも自ら作成、パンフレットにも自分たち言葉で思いを詰め作成。本当に母は強しです!
事務所にはたくさんの表彰状をはじめ、美津子さんが作られたパンフレット、思い出が詰まった写真が飾られておりました。
それらは、江原夫妻の熱い想いとずっとそばで支えてくれた今は亡き美津子さんへの愛と感謝の気持ちでいっぱいでした。
最後に
経済を優先するのであれば、効率的かつ楽な方法はたくさんあります。
「動機善なりや、私心なかりしか」稲盛さんのお言葉にもありますが、自分たちの私利私欲ではなく、本当に安心安全な豚をお届けしたいという江原夫妻の熱い想いがこれまで類を見ない完全無投薬飼育を成功させたのだと思います。
たくさんの困難を乗り越え、完全無投薬飼育を実現された江原さんに敬意を表するとともに、今回のお話から本当に大切なことを改めて教えていただきました。心からお礼申し上げます。
食は相手とつながり、命をつなぐ大切な営み。
作り手とすべての命に感謝しいただく。
私たち人間は、他の生き物の命を頂かなければ生きていけません。
何をどう選んでどのように食べるか、感謝を込めて「食事」を頂く。
この日々の積み重ねが自身の人生、地球の未来を作っていくのではないでしょうか。