見出し画像

脱メタボ!調味料の味付けは控えめに

敬語って、気をつけているつもりでも、気づいたら余分な言葉がついて、ふくらみすぎていることがある。
いや、ふくらむというより、脂肪をつけすぎた「メタボ敬語」になっていることが多い。

たとえば、
・おっしゃられる
・拝見させていただく
・伺わせていただく

一見、礼儀正しく聞こえるけど、敬語が重なりすぎて、逆に不自然になっている。
「敬意、盛りすぎじゃない?」と思われたり、伝わりづらくなったりする。

まあ、私も新人の頃はひどかった。
(今もひどいのはそっとしておいてほしい)

患者さんに「お包帯取り替えますね」と言って、「お包帯?」と笑われたことがある。
気づいてなかったけど、確かに変だ。「お醤油」「お味噌」みたいな感覚でつけてしまったのかもしれない。
「お薬」って言うこともあるし、語感としては間違ってない気もする。
でも、少なくとも「お包帯」は一般的ではないらしい。

言ったことあります? お包帯。

あと、「お名前様をいただいてもよろしいでしょうか?」みたいな、無駄にふくらんだ敬語も使ってた。
「お名前様」って、もはや名前の最上級? 神々しさすら漂う。

こういう「メタボ敬語」、自分では丁寧にしているつもりでも、実はおかしくなっていることがある。
読んでいるあなた!そう、そこのあなた!
「わかる…!」と頷いていると信じたい。

メタボ敬語をスリムにする健康診断

たとえば、つい使ってしまうこんな言葉。

✖ おっしゃられる → 〇 おっしゃる
✖ 拝見させていただく → 〇 拝見する
✖ 伺わせていただく → 〇 伺う

「させていただく」をつけると、なんかちゃんとしてる気がするんだけど、本来の敬語だけで十分敬意は伝わる(らしい)
むしろ「拝見させていただく」と言われると、「拝見するのに誰の許可がいるんだろう?」と思われるかもしれない(まあ、言われたらたしかに)

「お手洗い」「ご案内」みたいに、つけるべきものもあるけど、「お返事」「ご連絡」あたりは人によって意見が分かれる。
「お話」「ご質問」も微妙なライン。

さらに、「お写真」「お飲み物」「お荷物」と、なんでもかんでも「お」をつけるクセがある人もいる。
そう、私だ。

もちろん、お客様相手ならいいかもしれないけど、普通の会話でも乱発していると、ちょっと過剰に聞こえてしまうことも。

個人的に、「お召し上がりになられる」とか「ご覧になられますか?」みたいな、
敬語と尊敬語が盛りすぎてカロリーオーバーしている表現が気になる。
「召し上がる」や「ご覧になる」だけで十分なのに、そこに「なられる」を足すことで、一気にメタボ感が増す。

ら行の調味料は、濃すぎると胃もたれするらしい。

そもそも敬語って何?
敬語の健康診断をしよう!と言われても、「そもそも敬語の正解がわからん!」という声が聞こえてきそう。
うん、わかる。私もわからない。

敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の三種類がある。
でも、実際に使い分けようとすると「あれ、これは謙譲語? 丁寧語?」と迷子になる。
お客様センターに行けばいいのだろうか。

尊敬語 → 相手を立てる:「おっしゃる」「いらっしゃる」「召し上がる」
謙譲語 → 自分や身内を下げる:「申し上げる」「伺う」「頂戴する」
丁寧語 → 語尾を丁寧に:「です」「ます」

理屈はわかってても、会話の中でスムーズに出てこない。

たとえば、こんな会話

医療の現場で、「患者さんに○○のことをお伝えしました」と言うとする。
でも、「伝える」は普通の動詞だから、敬語にしようとして 「お伝えさせていただきました」 と言ってしまう人もいる。

これ、謙譲語+謙譲語でメタボ状態。
「お伝えしました」だけで十分敬意は伝わる。らしい。

「伺わせていただきます」も同じ。
「伺う」だけで謙譲語なのに、「〜させていただく」をつけることで余分な脂肪がついている。

こういうの、たぶん敬語に自信がない人ほどやりがち。
え? 私のことです、こんにちは。
メタボ真っ只中である。

敬語って、相手を敬うためのもの。
でも、盛りすぎるとかえって不格好になったり、相手に「この人、大丈夫かな?」と気を遣わせたりすることもある。

だから、
「その敬語、ちょっとメタボかも?」 を合言葉に、言葉の健康診断をしてみるのもいいかもしれない。

一緒にスリム化、始めませんか?
トレーナー求む!

いいなと思ったら応援しよう!