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『採用基準』2回目の読書感想文:わたしは今の職場で、どんなリーダーシップを発揮できるだろうか?



法人営業3年目になったわたしが『採用基準-地頭より論理的思考力より大切なもの-』を再読して、「わたしは今の職場で、どんなリーダーシップを発揮できるだろうか?」という問いと向き合い、「営業として数字を追うのが苦手だというモヤモヤ感が少し晴れたかも!」となった話です。



はじめに


素敵な本を読むといつも、「お前はどうなんだ?」と本から問いかけられている気持ちになります。

今回は伊賀康代さんの『採用基準-地頭より論理的思考力より大切なもの-』、2回目の読書感想文として、この本から受け取った「問い」を深めていきたいと思います。


気づかされるところや考えさせられるところがたくさんあって、現実的で厳しいけれど建設的で明るい『採用基準』、とても好きな本です。
誰かに詳細におすすめできるようになりたい1冊、ということで再読第1号に選びました!

前半は本や著者の紹介というか振り返り。
後半は本から得た「問い」への答えとして、主に本の内容から考えた自分の話です。





この本の概要:『採用基準』は、「リーダーシップ」という資質



まずは再読した今、改めて本の概要をさらってみた。



これからの時代にグローバルビジネスの前線で求められるのはどのような資質を持った人なのか?
日本ではなぜそれらの資質が正しく理解されていないのか?
この問いの答えの究明を目指して書かれた本書。

メインテーマとして述べられるこの資質とは、「リーダーシップ」



日本人のリーダーシップに対する誤解と意識の低さを指摘し、何が本当のリーダーシップなのか、リーダーのすべきことは何なのかが明確にされる。

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そしてそのリーダーシップはどのように学んでいったらよいのか、マッキンゼーの人材育成を紹介しながら掘り下げていく。

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リーダーシップは組織のだれか一人だけがもつものではなく、全員が持つべきものであり、すべての人が身に着けることができるスキルであることが述べられる。

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そして人々がリーダーシップを正しく理解し身に着けることで、社会や個人はより良く変化するという道筋が示される。


社会面に関しては、「日本経済の停滞と衰退」「国の非常時対応」の例が少し触れられていたくらいでしたが、
個人面に関しては「リーダーシップを発揮することは、自動車のハンドルを握ることと同じである。リーダーシップを身につければ、自身が人生のコントロールを握ることができる」と力強く名言されていました。


※「リーダー」と「リーダーシップ」の言葉の使い方というか定義づけや関連に少し混乱してしまうけど、ここにごちゃごちゃ悩むのはもったいないので、「リーダー」=人、「リーダーシップ」=リーダーとなるための資質を指しているというくらいの理解にとどめます



実際の目次に関しては、久しぶりにノートに手書きで頭の中を整理したくなったので、その画像をはっつけておきます!


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この本の著者:伊賀康代さん




読みやすい易しい文体だけど内容は正論すぎて手厳しい。
でも伊賀さん自身の率直な考えとか言葉とか体験談で語られ問われるから、自分も真剣に向き合おう、考えてみようという気持ちにさせてもらえます。



わたしはこの本を読んでいると、作者の伊賀さんに憧れが止まらない。


本の序章でも、伊賀さんのこれまでの経歴からなぜこの本を書いたのかという背景の部分がまとめられています。


女性にしてバブル期の金融業界に就職後、MBA留学中に感じた日本の大学教育やキャリア観に関する疑問を持ち、
マッキンゼー入社後、コンサルタントから採用担当・新人トレーナーへと異例のキャリアチェンジをしながら本当に求められる人材の要件を考え続けた。


常に自分自身を客観的に見つめながら目の前の仕事や自分を取り巻く環境に対して問いを持ち、探求し続けた人なんだろうと思った。


それにしても、張り詰めているように感じるほどの彼女のモチベーションやパワーは、どこから湧いてくるんだろう。。



▼Amazonより著者プロフィール

兵庫県姫路市出身。
一橋大学法学部卒業後、日興證券引受本部(当時)にて法人の資金調達業務に携わる。
その後、University of California at Berkeley, Haas School of Business にてMBA取得。

1993年より McKinsey and Company, Japan にて、コンサルタント、人材育成マネージャー、採用マネージャーを歴任。2010年末に退職するまでの17年間中、12年間を新人コンサルタントの採用と育成に携わる。

2011年より組織・人事コンサルタントとして、組織変革、リーダーシップ教育、人材育成などに関するコンサルティングに従事。

自分のキャリアを自分で創る人達のキャリア形成の実例を紹介するキャリア・インタビューサイト MY CHOICEも運営中 → http://igayasuyo.com/



別の名前でも活動されているとの話もあり、そちらの著書も最近読んでさらにこの作者が好きになってしまったところですが、今回は「伊賀康代」さんにフォーカスします。


この本との出会いと以前の感想



最初に読んだのは、社会人1年目も終わり間近の2020年2月。
少しずつビジネス書や自己啓発本を読むようになったころで、今は他部署に異動されてしまった当時の上司におすすめを聞いたことがきっかけでした。



今読むと少し恥ずかしいけど、当時の感想はこんなかんじでした。


超勉強家の副本部長がおすすめだよって貸してくれた本
のめり込んで読んでしまった、内容も面白いし文章がめちゃ上手!好み!

マッキンゼーの採用基準に対する誤解から、今の日本に足りていない、ちゃんと認識されていない「リーダーシップ」について語られています。
たしかに私にとっても、リーダーって組織にひとりいればいいとか、たくさんいたら返ってうまくいかないみたいなイメージがあった。(でもそれはリーダーという言葉に対する誤解だったわけですが)

本当のリーダーシップというのは、人任せにしないこと。チームとして組織としての成果を求めること。自分だったらどうするか?を常に考え実践すること。
ついつい、誰か何とかしてよとか、上は何してるんだって思ってしまうけど、その他人事な姿勢が当たり前の状況をまずどうにかしないとですね。貸してくれた上司のマーカー引いてあって心が痛んだ笑

わたしは就活のとき、組織に貢献したい良くしたいという思いがモチベーションだってよく語ってたけど、それってこの本のリーダーシップと結構近い気がしてときめいた!
私の場合は、八方美人ばっかりしていて本当にすべきことを遠慮しないように気をつけたいです




我ながらとってもテンションが上がっている様子。笑
本の内容に共感もしつつ、自分の姿勢に対してもいろいろ反省したのを思い出します。



問い:わたしは今の職場で、どんなリーダーシップを発揮できるだろうか?



人はリーダー体験を積むことによって、『高い成果を出せるチームのメンバー』になれる」p.76


最初の感想文にも「ついつい、誰か何とかしてよとか、上は何してるんだって思ってしまうけど、その他人事な姿勢が当たり前の状況をまずどうにかしないとですね」と書いていたけど、わたしはその後実際にどうにかしようとしたんだろうか。



社会人として2年間働いて、これまでわたしはどんなリーダーシップを発揮することができていたのだろうか。



リーダーとは、「成果目標を達成するために組織を率いる人」だという。



1年目のころとかは、上司や先輩たちの上意下達or文句ばっかりな姿勢をどうにか変えられないのかと考えることが多々あったけど、今のわたしは過去の1年目の自分から見てかっこいいと思える自分なのかしら?
そう考えると、ちょっと自信がない。自信がないまま、異動や転職でこの仕事から離れたくないなと思った。



いろんなテーマを考えたけど、最近漠然と気になっているのは「数字を追えない」自分なので、そこに沿って考えてみたいと思います。


営業としての自分の目標、これでいいのか?




ちょうど期末を終えて評価の時期、わたしの会社の評価方法はMBOです。
営業なのでもちろん売上目標の達成率をメインに、そこに向けてどれだけ行動したのかで評価がされる。



わたしは営業の仕事自体はとても好きだし、困っているお客さんがいたらいただけなんとか役に立ちたいと思って頑張れる。
だけど、ニーズのないところに営業かけたり月ごと期ごとの数字を追っかけるのがどうしても苦手、というかあまりそこに関心が持てない。
甘いこと言ってる自覚はあって、これでいいのかな感はいつもある。



代わりに?社内他部署やグループ会社との横連携にかかわることは積極的に取り組んできて、結果としてそれが売上につながればいいと思ってたけど、そんなにしっかり検証もしてないしそもそも明確に定量的な目標を持っていたわけでもない。



1年目2年目くらいまでならそれでよかったとも思うけど、今後もこのままだといつか異動になったときに「営業だったけど数字追うのはどうも苦手でした」と言うのは悲しいので、この機会にちゃんと考える!





なんで数字を追いかけることにモチベーションを保てないのか?




お客さんのために頑張ることは楽しいしやりがいもある。
集計した自分の売上が積みあがっていればうれしいし達成感もある。



それでも売上を追いかけることにモチベーションが持てなかったのは、そもそも自分の目標とされている売上の数字がすっごく空虚なものに感じられてしまうからだと思う。



何のための、誰のための売上?という疑問がぬぐえなかった。
わたしがやっているのは法人向けの研修営業だけど、わたしの会社のこの事業が、本当にお客さんの、さらには社会のためになっているのかな?とちょくちょく引っかかることもある。

でもそこで止まらずに、じゃあどうしたら頑張れるのか、というかわたしはどこに向けて頑張りたいのかを考えてみたいと思いました。
わたしはもっと頑張りたいと思ってるんです。




わたしはどこに向かって頑張りたいのか?


(面接で)「一度でも自分で目標設定をしたことがあるかどうか、それは十分に高い目標であるか、換言すれば、高いゴールを設定することの意味を理解しているかどうかを聞き出そうとするのです。」p.120


わたしの目標数字は、会社の主幹者会議で決められているけれど、
そもそも会社全体の目標金額はどう決まっているのか。
何のために、何をもってその数字なのか。



それがまったくわからない!
なるべく全体像を全部知りたい性分のくせに、上の人が決めることだと思って知ろうとしてなかったんだから当たり前だ。
2021年度はまずはここをちゃんとできる限り聞いてみよう、知ろうとしようと思う。
(ちょうどもうすぐ2021年度キックオフ!)



とはいえ、それがわかれば納得してそこに向かって頑張れるのかというと、そんなことはないでしょう。笑
なので加えて、自分自身でもし目標を決められるとしたら?を考えてみたいと思います。


まず会社がどこに向かっているのかという経営理念を見返してみた。
ざっくりまとめると「人の可能性・才能を引き出すことで企業・社会の発展に貢献する」というのは、自分の中でも違和感なく重なる。


ここに向けて、企業研修という形でこの理念の実現に近づけるのも納得できる。



じゃあその貢献度の指標は何がいいのかな。
個人的には、売上というよりも、案件数とか、受講者数とかの合計を考えた方がイメージしやすくてモチベーションが上がる気がする。



これはいいものだと自分が納得できる研修の件数、つまりこの研修によって、受講した人の可能性・才能を引き出すことができた!そして企業・社会の発展に貢献した!そんなつながりを意識できる研修を増やしていくこと。
そこに向かってわたしは頑張ってみたい。



こう考えると売り上げの目標金額と繋げても違和感がなくなってきた。
これまで目標金額を「お金の話」としか見ていなかったのはわたしのほうかもしれないなあ。
そんなにぎちぎちにしなくてもいいとは思うけど、捉え方を変えると同じ目標に向かってても、もっと楽しくできそう。



目標金額をもとに、だいたい何件くらいを目指していくのかはまた計算してみようと思います。
多分けっこう重たい数字になっているんだけど、その達成のために何ができるのか、営業として、いち社員として、精一杯動いてみたい。




会社の未来が自分ごとになっているか?



仕事で関わったある企業の経営者のことばに、「まずは利益を上げてちゃんと経営が成り立って社員の生活が守られなければ、お客様のためにいい仕事をすることはできない」というものがあった。



大きな企業のグループ会社にいるとあまり意識できていなかったけれど、利益が上がらなければ会社は社員にお給料も払えないし、事業は存続できない。
お金の話が苦手と避けていた自分は、結局はじぶんの会社の未来が他人事だったんだなあと思う。



わたしもやってよかったと思えるような良い研修を増やしていくために、社内でもお客様に対しても自分のできることを探し実践すること。
これが、今のわたしが発揮したいリーダーシップだ。





おわりに



この記事を書き始めてから投稿まで、ちょこちょこ書き進めて10日ほどかかりました。
まだ深堀した方がいいところも多々あるけど疲れたのでいったん一区切り。笑


自然とアンテナ張ってるからか、いろんなことをこの内容に紐づけて考える機会があって書きながらどんどん自分の考え方とか感じ方が変わっていくのがおもしろかった。
この仕事の意義、みたいなことをいつも考えて気を張ってたら疲れちゃうけど、また評価のタイミングとかに振り返ってアップデートしていきたい!







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