ブックレビュー:人間は料理をする ㊤ 火と水/㊦ 空気と土
「絵を描きたい」とか「何か作りたい」とか思っていたのに、料理をしたら満たされてしまった。そんな経験はないでしょうか?私はあります。料理への欲求と創作への欲求は、同じところから湧いてくるのではないか。そんな気さえします。
というのは個人の印象に過ぎないとはいえ、料理が、極めて「生産的」な営みであることは間違いありません。本書は、あるジャーナリストが、そんな料理の根源に迫ろうとする試みの記録。筆者が、各分野の料理人に教えを請いながら、肉を焼き、出汁を取り、パンを焼き、発酵食品を作