とにかく読んでほしい”PARTNERS”。人と人の関係が、ここまで感動するものだとは。
目と、それと心臓から、こびりついて離れなかった。その衝撃は沖縄のとあるカップルの取材記事。複雑な人生を支え合うように生きるふたりは、どこまでも飄々としているように見える。その様子が汗や生活の匂いが漂ってくるほど濃密な写真と裏腹なのも、忘れられないひとつだ。
このカップルが「一体化」と呼べるようなパートナーシップを築いているとすると、「曖昧さ」が良好にする関係性もある。ひとりとひとりだけではない。チームの中にもパートナーシップは存在する。
そのさまざまを見せてくれるのが”PARTNERS”というインタビュー雑誌(上記は#2)。写真・デザイン含め、とにかくとにかく素晴らしくてかっこよくて、居ても立ってもいられなくてこれを書いている。
”PARTNERS”は名の通り、関係や絆がテーマだ。エモくてなんか良さげなやつでしょ、と思うかもしれない。でもそんな予定調和は全くない。
「単に親子やカップルを紹介するのではなく、もう少し広義でパートナーについて考えるようなテーマにしたかったんです」。編集長の川島拓人さんが語っているように、人と人の関係性ってこんなに自由で感動的なのかと気付かされる。
スーパーすぎる、内田裕也と樹木希林も。
#2のトリ(?)は、あの内田裕也さんと樹木希林さん。若かりし頃のふたりの写真があまりにかっこよくて、この雑誌を手に取った。このおふたりについて私が語れることなど何もないのだけど、とても近しい方からの手紙という形でいくつかの事実が明らかにされている。これを読んで、私はずっと不思議だった「二人はなぜ結婚を続けたのか」について、ほんの少し理解できたような気がした。(理解したような、というのは、ものすごく未熟で危険な感想だけど。)
よく同じレベルの人間が惹かれ合うとかいうが、内田裕也さんと樹木希林さんは、私が想像していたよりもずっと遥か遠くにいる達人同士だったのだなぁ。
こわして、なおして。
JUDY AND MARYの「そばかす」に、こんな歌詞がある。”こわして なおしてわかってるのに それがあたしの性格だから”。誰かとの関係に悩んだとき、いつも思い出すフレーズだ。経験を積んで、だんだんとこわさない術は身につけてきたつもりだけど、すれ違いやひずみは、思いがけず生まれるということもまた、経験を積むほどに感じている。(めっちゃ経験豊富みたいなことを言っているけど、ごくふつうの日常において)
人と人との関係は変化し続けるもので、だからこそ”PARTNERS”が切り取る人々の、美しい関係に感動するのだと思う。いやいやとはいえ、ここに登場している人たちも、3年後はどうなってるかわからないやんと、理性の自分が囁いたりもするけれど、大事なのは、「その瞬間があったかどうか」なのではないかな。誰かと人生のどこかで、確かに信じられるものを築いたという瞬間が、次の何かを見せてくれる気がする。そう信じたくもある。
ちょっと小難しく語ってしまったけど(どうもそういう傾向にあるのは課題かも)眺めているだけでも感性の鋭い人間になれた気分に浸れます。
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