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大人になった帰国子女。タイ駐在中にnoteを始め、今は日本で働きながら育児をしています…

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大人になった帰国子女。タイ駐在中にnoteを始め、今は日本で働きながら育児をしています。興味関心:多様性、DEI、ワークライフバランス、読書

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  • #多様性を考える

    ・多様性の宝庫である世界との接点の中で気づいたこと ・職場におけるダイバーシティ&インクルージョンの実践 ・自分のマイノリティ性に向き合う

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アイデンティティを自分で定義する

以前書いたnoteからの抜粋で、これは私の個人的な体験です。 所属欲求は人間の基本的な欲求の一つなので、私にとって、海外に行ったら日本人に見られるのに(つまり外国人の仲間入りができるわけでもなく)、日本に帰ったら「日本人らしくない」とレッテルを貼られ続ける体験は痛みそのものでした。 これまで実に20年弱(!)かけて色んな出来事を咀嚼し、悩み、海外の知見にも頼りつつ、やっとやっと「アイデンティティ?」という不安感に対する落としどころが見えてきたので、情報をまとめておきます。

    • ワークライフバランス?|どうなりたいか、模索中

      子宝に恵まれて、今とても幸せです。 一方、人生に子どもという新しい変数を一つ迎え入れたことで、今まで築いてきたバランスが大きく崩れました。自分にとってのベストバランスを考えるための要素も複雑化しているように感じ、今後一連のポストで考えを整理したいです。 自分はどんな母親でありたいのか どんな育児がしたいのか どんな親子関係を築きたいのか どんな夫婦関係を築きたいのか 仕事を通して何を実現したいのか 仕事と家族以外に人生を豊かに過ごすために欠かせないものは他にある

      • 願いが叶わない時、どんな心の持ちようで生きたらいいか I

        昔、ひょんなことで1歳くらいのお子さんを連れたご家族と、旅行の道中の一部をご一緒したことがある。そのとき、そのお子さんが積極的にベビーカーを降りたがり、自分の足で歩むことに熱中している様子がとても印象的だった。「私は歩けるようになった!」という、自分の進歩への喜びと、新しい体験の楽しみに満ちていて、人が成長することの醍醐味を身体いっぱいに表現していた。 この成長することの喜びに満ちた期間というのは、人生の中でせいぜい二十代までなのではないか、という気が最近している。成長の内

        • 育児したら出世できなくなるのは正当か

          twitterでこちらの質問箱の回答が流れてきて、至極理路整然とした回答であるものの、何となくモヤモヤしたので真面目に考えてみました。 こちらの回答は理解できるのですが、追加的に考えられることとして、その悪影響がどの程度持続するかという論点が挙げられます。ケア労働によって収入が短期的に下がるだけなのか、長期的に出世コースから外されるかの違いは大きいです。後者は「会社への貢献度が高い人を評価する」という考えに立っても機会損失に当たるので、会社としてキャリアパスの多様化を図るこ

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        アイデンティティを自分で定義する

        • ワークライフバランス?|どうなりたいか、模索中

        • 願いが叶わない時、どんな心の持ちようで生きたらいいか I

        • 育児したら出世できなくなるのは正当か

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          19本

        記事

          概念整理:メンターとスポンサー

          特に「女性が活躍するには…」という文脈でよく「メンター・スポンサー(が大事)」という言葉を見聞きします。でもこれらが何を指し、どのように活用すればいいのかピンと来ていなかったので、色んな文献を振り返って頭の中を整理整頓してみました。(参考文献は文末に記載) 特にキャリアの初期においては、メンターの支援も受けて自信をつけることが、後に仕事で花開くために重要のようです。 一方、メンターは「アドバイスをする人」ですが、スポンサーは「自らの影響力を行使し、対象者がキャリアを切り開く

          概念整理:メンターとスポンサー

          批判に晒されても自己保身に走らないためにどうしたらいいか

          仕事にて、批判的な口調で意見をもらい、ビビってしまったことがここ数ヵ月で何度かありました。反省を込めてタイトルの問いに取り組み『Dare to Lead』と『The Fearless Organization』を読みました。本記事はその学びのまとめです。 そもそも批判されてビビるのは問題なのか?結論から言うと、 ・ ビビること自体は自然で生理的な反応なのでどうしようもない。 ・ しかし、ビビったままそれを外に出す(自己保身に走る:言い訳がましく返事する、無視する、キレるなど

          批判に晒されても自己保身に走らないためにどうしたらいいか

          マイクロアグレッション─日常の中の小さな無意識の差別─に抗うべきなのか

          マイクロアグレッション=「小さな(マイクロ)攻撃(アグレッション)」。日常生活の中で、色んなマイノリティに対して発される、偏見や差別にもとづく小さな否定的な態度や発言のことです。 例えば、 ・町中で外国人とすれ違うときにカバンを押さえる、電車の中で外国人の横には座らない、という行為は「外国人は信用ならないもので、もしかしたら犯罪者かもしれない」と思っていることを示唆します。 ・仕事で女性に対して「すごい頼りになるよ、男らしいね」と褒めることは、女性は普通は頼りにならず、「頼

          マイクロアグレッション─日常の中の小さな無意識の差別─に抗うべきなのか

          仏塔めぐり2|ミャンマー、バガン

          前編で「アウンサンスーチーさんの内政は国内で好意的に受け入れられていて、「やっと政府が民の声を聞いてくれる時代になった」という人々の喜びの声が聞こえました」と書いた後、後編を出す前にクーデターが起こってしまって悲しいです。 この旅行中に知り合ったミャンマーの友人からも連絡が来ました。 「もう未来の希望を持てなくなった。今は、今のことしか考えられない。どうやったらこの状況から脱却できるかだけを考えている。」と。 連日、ミャンマーの友人のfacebookは抗議デモの投稿でいっ

          仏塔めぐり2|ミャンマー、バガン

          仕事していて、子供はいつ産めばいいの?|一連の思索のまとめ

          仕事でやりたいこと、上司に「やってほしい」と言われていることは沢山あって、キャリアを中断する隙はないように感じられる。同僚の男性たちは、キャリアの中断を想定することなく、野心的なキャリア論を語っている。 仕事していて、子供はいつ産めばいいの?良いタイミングはいつか来るの?どうやって覚悟するの? そんな悩みが私の頭の中を占めている2020年で、色んな人の言葉や本の言葉に耳を傾ける年でした。自分の中で覚悟と踏ん切りをつけるために、いろんな言葉に後押しをしてもらいました。そのま

          仕事していて、子供はいつ産めばいいの?|一連の思索のまとめ

          共働き世代に残された課題

          ***** 「私のお母さんは専業主婦です。仕事と家庭を両立するってどうやるのか、正直イメージが湧かず不安です。」 以前高校生のキャリア相談を受けたときに言われた言葉です。自分の一回り下の世代も「お母さんが専業主婦」がまだまだ多くて、自分と同じような悩みを抱えているということに新鮮な驚きを感じました。 でもそれは確かに考えてみれば分かることで、専業主婦世帯数と共働き世帯数がやっと並び始めたのが1990年代なので、「親が共働きの方が当たり前の世代」が社会に出てくるのは、20

          共働き世代に残された課題

          仏塔めぐり1|ミャンマー、ヤンゴン

          今年1月に行ったミャンマー出張兼旅行を、写真とともにゆるりと振り返ります。 ***** ヤンゴンはミャンマー最大の都市です。空港を降り立って目にしたヤンゴンは、緑が多くてなかなか綺麗、という第一印象でした。 また、着物好きの私がときめいたのは、ロンジーという民族衣装。男女ともに腰に巻くのですが、女性は裾すぼまりに着こなすところが着物の美意識と通ずるところがありました。 ヤンゴンは仕事終わりにシュエダゴンパゴダに同僚に連れて行ってもらっただけなのですが、素晴らしかったので

          仏塔めぐり1|ミャンマー、ヤンゴン

          川と共にある生活|ラオス、ルアンプラバン

          今年1月に行ったラオス旅行を、写真とともにゆるりと振り返ります。ルアンプラバンはラオス北部にある古都で、市街地全体が世界文化遺産登録されています。 ***** ルアンプラバンの魅力は何より、どこをとっても街並みが本当にかわいいこと。 南国の光の強さにあう、カラフルな彩、ブーゲンビリアの花、星のモチーフ。ラオスの国旗と赤旗。 ああ癒し。装飾がすごい凝っている、ということはないけど、その素朴さが好き。 ***** ルアンプラバンの朝は、日の出前から始まります。 町に点

          川と共にある生活|ラオス、ルアンプラバン

          職場の女性比率と生きやすさ|35%を目指そう

          「女性が職場で苦労していることってまだ何かあるの?」 度々聞かれる質問です。 もちろん、女性が働くという選択肢がほとんどなかった時代と比べると、男女雇用機会均等法ができ、先人となる多くの女性が道を切り開いてくださったからこそ、「女性活躍」が注目される今があります。 しかし、課題はまだ残っています。管理職に占める女性の割合、賃金格差など、統計データを使って論じられることも色々ありますが、今回は「無意識のバイアス」と「比率の違いがマイノリティの生きやすさにどう影響するか」につ

          職場の女性比率と生きやすさ|35%を目指そう

          他人が期待する人生ではなく、自分が生きたい人生を生きる

          「自分の人生を生きて」 そんな言葉をかけてもらったことが人生で何度かあります。その先数年間の人生の方向性を決定づけるような決断をする前に、相談した相手にかけられた言葉です。 その瞬間は背中を押してもらった気がしてなんとなく前向きな気持ちになるんだけど、逆に「自分の人生を生きていない」ってどういうことなのか腹落ちしていない面もありました。 そんな時に出会った言葉。 緩和ケアを職業とする著者が『The Top Five Regrets of the Dying(邦題:

          他人が期待する人生ではなく、自分が生きたい人生を生きる

          人生全体で設計するワークライフバランス

          仕事は楽しい。子どもも欲しい。でも、仕事と子育ては両立するのか。そんなモヤモヤで一歩踏み出せずにいたときに、薄井シンシアさんの話をオンラインで聞く機会に恵まれました。 シンシアさんは、専業主婦を経て子育てが落ち着いた40代後半で仕事の世界に戻り、高級ホテルのディレクターなどを経て現在は日本コカ・コーラで東京オリンピックホスピタリティの責任者を務めている方です。 そんなシンシアさんに私のモヤモヤを伝えてみたら、こんな趣旨の答えが返ってきました。 20代、30代の子育てが大

          人生全体で設計するワークライフバランス

          緊急時のリーダーシップ|欧米型vs日本型

          コロナは全世界が一斉に直面した共通の危機です。各国の対応を見比べるとその国の特徴がよく顕れていると思い、各国の対応をなるべく追ってきた数ヵ月でした。 特にそのとき「リーダーシップとは何か」というテーマに関心を寄せて勉強していたので、そんな切り口から、私が学んだことをまとめます。 欧米流・危機対応下で発揮すべきリーダーシップアメリカMBAに行った方が「リーダーシップに関する研究の蓄積量が日本の比にならなくて、MBAでは特にリーダーシップについて本腰を入れて勉強した」と言って

          緊急時のリーダーシップ|欧米型vs日本型