【食券のサッカー観戦記特別編】プロサッカーガチ勢の友人と海外クラブの来日試合を観に行った話
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2024.7.22 / 7.23 / 7.25
今日からしばらく同時進行で2本の記事を執筆することになった。今や「サッカーを観る食券くん」と「推し活の食券くん」はもはや別次元の存在になりつつあるので、こうして同時進行でレポート記事を書くこと自体が私としてはとても不思議に感じる。
お昼の2時間でPCから推し活について執筆し、インターバルを挟んで今度はスマホからサッカーについて執筆を始めた。そもそもPCとスマホを両方とも使って執筆する日がそう多くないゆえ、珍しく感じたり不思議に感じたりするのはもはや必然であり当然だろう(そもそも今日は出先で書いているからこそ「進捗がないと嫌だ!」という気持ちになる部分も多少あるのは事実だが)。
さて、本題。今回の記事では久々に「プロサッカーガチ勢の友人(以下「ガチ友」)」が本格登場する。
彼とはもはや推しと同じくらいの頻度で何かしらのやり取りをしていると言えるほど、私と多種多様な関わり方をしている人物。彼もまた物知りで行動力が高い人間だと思っている。
今回はそんなガチ友から誘ってもらい、7月27日(土)に東京・国立競技場にて行われる「Jクラブ vs 海外クラブ」のプレシーズンマッチを観に行くこととなった。対戦カードは「ヴィッセル神戸 vs トッテナム・ホットスパー」。ベルリンの地で失意の準優勝を経験したEURO2024が記憶に新しい中、タイプは違えど東京の地で奇しくも再びイングランドを応援できる機会に恵まれた。
そしてガチ友からは8月3日(土)に同じく国立競技場にて行われる「横浜F・マリノス vs ニューカッスル・ユナイテッド」戦もいかが?というお誘いがありこちらも快諾。なんと言うか、色々な意味でこっちの方がイングランド風味な気もする。
急にやる気が出たので、トッテナムの来日メンバーを調べてからExcelに入力するという妙に時間のかかる作業を行った。これを来週ニューカッスルの分も調べると思うと恐ろしいが、要はハーフタイムの大量交代対策である。当初は印刷したものを持参するつもりで作り始めたが、26日にガチ友が公開練習を観に行くことが判明したためDMにてギガファイル便のリンクを送り、PDFをスマホでダウンロードできるように変更した。
2024.7.27 [TOT]
いよいよトッテナム戦当日。
千駄ヶ谷駅でガチ友と合流し、いざ国立競技場へ。
世界トップレベルでプレーするスター選手のすごさを肌で感じた90分を終え、私から出た感想は『面白かった』と『これからどうしよう』だった。
昨年からプロサッカーの現地観戦を始めたが、間違いなく今まで現地観戦した中で一番すごい試合を観たと感じた。超攻撃的な戦術と技術にただただ驚くことしかできない試合は経験上初めてだったし、もはや「勉強になった」とか「楽しめた」という言葉だけで感想を片付けていいような試合でもなかった。サッカーは異文化交流のスポーツだと常日頃感じているからこそ、勝敗を超越して心に響くものがあったんだと思う。
この試合を現地で観られて本当に良かったし、もうこの試合は現地で観た全員が勝者だと思う。
16歳の活躍で勝てると思わなかったし、事前にデータを調べておいて本当に良かった。
ニューカッスル戦も頑張ってデータ作るぞ!
2024.7.29
前日夜にニューカッスルの来日メンバーが発表されたことを受け、カフェにパソコンを持ち込んで来日メンバーの資料作成(データ入力作業)を済ませた。
前回の反省点を活かし背番号順でExcel入力したため1時間半ほどで作成できたが、前回ほど上手く進んだ訳でもなかった。
というのもニューカッスルの公式SNSに載っていた来日メンバーがアルファベット順だったり、来日メンバーに日本メディアが報じていない選手が入っていたり、Transfermarktでトップチームでの背番号が調べきれなかったり、クラブ公式HPの情報が薄くてテストマッチでの起用ポジションがわからなかったり、そもそも公式HPにメンバー発表の記事が存在しなかったりと大苦戦だったのだ。ちょっと調べたらすぐに出てきたスパーズとは大違いで「ビッグクラブはすごいな」と改めて思いつつ、何とか資料作りを完結。
前回同様ギガファイル便でガチ友にPDFを送り、予習関連の作業は完了…したはずだった。
2024.7.30
完結したと思ったデータにここで衝撃の事実が発覚。どうやら日本のメディアが載せていた選手の中で、同じ苗字の全く違う選手が来日していた模様。
日本のメディアが報じた記事に直近のテストマッチ(ハル・シティ戦)でトップチームデビューした選手が載ってないと思ったら、次はU21チームからDFキアラン・トンプソンではなくGKマックス・トンプソンが来ていてGKが6人……???
すぐさまデータを直し、ガチ友にもギガファイル便で送り直した。
2024.8.1
前夜に行われた浦和レッズ vs ニューカッスル戦はハイライトで視聴。4-1でニューカッスルが勝利。
そしてこの日の夜遅く、マリノス vs ニューカッスル戦の現地観戦が正式決定。
2024.8.3 [NEW]
いざ、ニューカッスル戦当日。
試合前に浦和戦でのベンチメンバーをネットで見ていると一部選手の背番号が異なっていることが判明したので、Excelアプリをスマホにダウンロードしてその場でデータを編集。再びギガファイル便へのアップロードを経てガチ友のLINEに資料を送ることで事なきを得たのだが、トップチーム登録でない若手組全員の背番号がリサーチと違っていた。やっと全員わかって良かったけど、まさか試合会場でもデータを編集することになるとは。
試合はマリノスが2-0で勝利。マリノスがシーズン中ということもありコンディション面や暑さへの慣れで差があったのは否めないが、両チームのGKやセンターバックの活躍が目立つ試合だったと感じた。
2024.8.4 [編集後記]
この2試合を観て感じたことを素直に書きたい。
まずはトッテナムとニューカッスルの攻撃で感じた面白さについて。
トッテナムはウイングがPA角で相手サイドバック(SB)と1vs1を仕掛ける際、味方SBがサポートでハーフスペースに侵入していわゆる「ポケット」を取りクロスを狙う、また速攻でクロスを入れようとするシーンでボールと逆サイドのウイングがペナルティエリア(PA)内に侵入する、など攻撃時のプレー原則や決め事が徹底的に意識付けされており、チームとしてしっかりと連動しているような印象を受けた。
ニューカッスルはアンカーのギマランイスや左センターバック(LCB)のケリーから前線へのフィードで相手DFライン裏のスペースを使う意識の高さを見せていたし、またそのスペースにはCFイサクが飛び出す時もあれば、左インサイドハーフ(LIH)のジョエリントンや左ウイングのバーンズが飛び出していくシーンもあった。コンディションとしてはまだまだでチャンスメイクでは相手のようにドリブルのキレで混乱を与えることこそできなかったものの、裏抜けをイサクだけではなく場面によって他の選手もやっていたという部分においては相手ディフェンスに多少なりとも混乱を与えたのかな、と。
またそこからPA内のゴール前まで侵入した際のクロスは、どちらかというとトッテナムのようなウイングの選手ではなく、ロングスタッフなどのIHが飛び出してきてクロスボールを受けシュートまで持ち込む、というシーンが多く感じた。ただウイングもPA内までは来ていたので、クロスに対しPA内へ侵入してくる人数という部分ではそれなりに必要な人数が揃っていたと認識している。
サッカーは「ゴールを決めるまでのプロセスや道筋が1つではない」ゆえ、個人的には「ゴールに向かうまでの唯一の正解」が存在しないからこそ面白い競技になっていると思う。
その意味ではトッテナムもニューカッスルもゴールまでは違うプロセスや道筋があるし、対戦相手のヴィッセルやマリノスにもそれぞれ違うやり方が存在する。普段私やガチ友が応援している川崎フロンターレも明確にチームとして目指しているやり方が存在するので、そのチームごとにある違いがこの競技をより面白いものにしていると思う。それこそマリノスのエウベルやトッテナムのペドロ・ポロによる得点は(途中の流れこそ異なるものの)厳密にはCBの縦パスから始まった縦方向への速攻によるもので、正直その技術も含めかなり驚かされた。またトッテナムのソン・フンミンや16歳(当時)の俊英マイキー・ムーアによる得点は、チームとしてのクロスボールにおける狙いとその面白味を感じるもの。ただゴールに向かう意識の高さという部分は、今回の試合で観た4クラブ全てにあったと感じた。
次にファン文化についての話をさせてほしい。
トッテナム戦・ニューカッスル戦はどちらも現地から多数のサポーターが来場していた。チャントをその場で歌い出すというイングランドの応援スタイルを観ることもできたし、国籍関係なくクラブを応援することで互いに楽しんでいる姿がとても印象的だった。スタジアムの中でも外でもユニフォーム姿のファンをたくさん見かけたし、グッズショップのエリアにも長蛇の列ができていた。また試合後のコンコースではチャントを歌いながら歩くサポーターの姿が数多く見受けられたのだが、この日本でこれだけ同じ海外クラブのファンが集まる試合なんてそうそう観られるものでもないので、そういった光景に対してとても感動した。私もガチ友も普段プレミアクラブではマンチェスター・ユナイテッドを最も応援しているが、もし仮にユナイテッドが今後来日し国立競技場で試合をするとなれば一体どうなってしまうのだろう。あわよくば対戦相手がフロンターレであることを切に願いたい訳だが……。
とにかく今は、早くプレミアリーグの開幕戦が観たくて仕方がない。早くあの速くて上手いサッカーが観たいし、他の国にはない何かがきっとあるからこそ独特な中毒性があると信じてやまない。
素晴らしき戦いはもうすぐ幕を開ける。新たなシーズンの激闘に期待するとともに、貴重な学びの機会を提供してくれたガチ友に感謝を。応援すべきクラブが2つ増えた、忘れられない体験だった。