【前編】プロサッカーガチ勢の友人と初めてプロサッカーを観戦した話
わたしは、
自称・サッカーファンだ。
わたしは10年くらい前から、日本のアマチュアサッカーで最上級リーグとなっているJFL(=国内4部相当)を現地観戦してきた。
………しかし、
わたしは最近まで、”プロ”サッカーを現地観戦したことがなかった。
時は2023年9月末。
以前フットサルに誘ってもらった”プロサッカーガチ勢”の友人(詳細は以下の過去記事参照)から、
「10月4日に行く予定の試合に他の方が行けなくなってしまったので、良かったら一緒に行かないか」という旨の”大変貴重な”お誘いがあった。
何故このお誘いが大変貴重なのかというと、J2(Jリーグ2部)所属のヴァンフォーレ甲府が、ACL(アジアチャンピオンズリーグ)のホームゲームを初開催することになっていたからだ。
同クラブは昨季J2クラブながら天皇杯を制し、ACL出場を決めた。
しかし、同大会では普段のホームスタジアムであるJITリサイクルインクスタジアムがAFC(アジアサッカー連盟)の開催要件を満たしていないため、熟慮の末に東京・国立競技場の使用を申請しAFCに承認されたという経緯がある。
この歴史的な一戦を、現地で観ないわけにはいかない。
しかもプロサッカーは初観戦で、Jリーグを飛び越え、いきなりACL。
これは行くしかねぇ。
というわけで、家族にも話した上で行ってみることにした。
迎えた10月4日・夕方。
友人と駅で合流し、いざ国立競技場へ。
この日の対戦カードは、ヴァンフォーレ甲府vsブリーラム・ユナイテッド(タイ)。
ブリーラムは、タイ国内リーグで2連覇中の強豪だ。
手荷物検査を経て入場し、
コンコースを通って席へ向かうと…
『スゲーーー!!!』
当たり席(チケットを取ってくれた友人に感謝)。
小雨が降るスタジアム。
ウォーミングアップを終え、いよいよ歴史的な試合が始まる。
試合の印象を簡単におさらいするが、どうしても前評判の高かった守備ばかり見ていたので、守備のことを中心に書いていくこととする。
試合はヴァンフォーレが大方の予想通り4-2-3-1、一方のブリーラムは3-4-3でスタート。
前半はブリーラムの3バックへヴァンフォーレのトップ下と両SH(サイドハーフ)がプレスをかけていくも、そのプレスの背後でブリーラムのボランチに入っている元Jリーガー、ティーラトンが自由に使えるスペースがどうしても空いてしまう。ブリーラムはそれを利用してティーラトンにボールを預ける場面が多く見られた。
そのティーラトンの繰り出す前線へのフィードに始まり、スパチャイとシェイダエフの両ウイングによるドリブルでの仕掛けや、CF(センターフォワード)ドゥンブヤの高さを使った決定機に手を焼く時間もあったが、ヴァンフォーレ守備陣が踏ん張って前半はスコアレスで折り返す。
前半、ブリーラムのチャンスシーンの多くはボランチのティーラトンを経由した組み立てから作られていた。
個人能力ではブリーラムが上回るも、ヴァンフォーレは素早いプレスや右CB井上詩音を中心とする守備陣のカバーリングの速さ、そしてGKマイケル・ウッドによる好セーブで守り切るなど、試合内容としてはヴァンフォーレが上回っていたという印象を受けた。
後半スタートからヴァンフォーレはプレスの高さを修正してきたのか、前半ほどティーラトンを自由にさせなかった。
ただティーラトンも度々味方WB(ウイングバック)の横までボールを受けに来て、空いたスペースへパスを送る場面もあり完全に消すことはできず。
ブリーラムの選手たちの足が少しずつ止まり始め、運動量が落ちてきたところでヴァンフォーレは前線の選手を立て続けに代え、プレスの強度を落とさずにクリスティアーノや長谷川元希といった攻撃力のある選手を続々と投入した(補足:56分にイエローカードをもらった左CB・神谷凱士に代わり64分に投入されたDFエドゥアルド・マンシャを除く4人が攻撃的なポジションの選手だった)。
そして試合終了間際、この交代策が功を奏す。
敵陣右サイドでスローインを獲得、右SB(サイドバック)の主将・関口正大がボールをクリスティアーノへ投げ、クリスティアーノはペナルティエリア内へカーブの効いた最高のクロスボールを送る。これを長谷川が頭で合わせ、ヴァンフォーレが遂に先制。
追加タイムも評判通りの粘り強い守備で逃げ切り、タイムアップの笛。
こうしてわたし達は、”歴史的瞬間”をその目に焼き付けたのだった。
そんな国立でのプロサッカー初観戦から2日後の、10月6日・夜。
実はどうしても現地で観たいプロサッカーの試合がこの2日後に予定されており、またその試合と全く同じ対戦カードになるリーグ戦も同月に予定されていたため、わたしはどちらの試合チケットを取るかどうかで数時間悩んでいた。
………後編に続く。