「護身術」としての柔道
先日入塾したお子さんは、テレビのバラエティー番組でウルフ・アロン選手を見たことがきっかけで柔道に興味を持ったそうです。東京五輪後、多くの柔道選手がメディアに出てくださったお陰で、柔道をやってみたいと思ったお子さんが増えたかもしれませんね。とてもありがたいことです。
稽古の初日、そのお子さんに改めて柔道をやる目的について聞いてみました。すると、彼は少し考えた後にこう言ったのです。「護身術として柔道を習いたいです。」まず、小学生にして「護身術」という言葉を知っていることに驚きました。ただ、それ以上に彼が考える「護身術」の意味の深さには、とても感心させられました。
「両親を守れるようになりたいです。今はまだできないけど、それくらい強くなりたいと思います。そして、友達も守りたいです。もし、困っている人やいじめられている人がいたら助けてあげたいです。」彼は、今読んでいる嘉納師範の生涯を描いた漫画に影響を受けたのかもしれません。自分だけではなく、周りの人も守れる護身術を身につけたい。こんなすばらしい志を持った少年が柔道を始めてくれて、本当に嬉しいです。
お子さんが柔道を習い始める目的は色々ありますが、咲柔館で最も多いのは「心」に関することです。「礼儀正しくなってほしい」「ちょっとのことでへこたれない強い心をもってほしい」といった思いを多くの保護者様が持たれています。もちろん、すぐに心が変わるわけではありません。しかし、日々の稽古を通じて、少しずつ相手の心を想像したり、目の前の課題に粘り強く取り組めるようになっていきます。柔道はお子さんの心を育ててくれる素晴らしい武道です。お子さんたちが柔道で学んだことを学校やお家で生かしてくれることを期待しています。
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