
東京マラソン2023への道 [パワトレ マラソン上級編] 112/112
東京マラソン2023の出場が急遽決まって、ランニング用パワーメーターSTRYDを使いながら、ポーラ・ラドクリフのマラソントレーニングの上級メニューで練習してきた市民ランナーのトレーニング記録、完結編。
スタート前
昨年に引き続き、前日からスタート地点付近にあるホテルに宿泊して迎えた「東京マラソン2023」当日。
スタート地点付近のホテルに到着。
— Shoji Watabe 渡部昇治 🔥 (@DGSLCEO) March 4, 2023
こちらはコロナ禍前のようにチェックイン渋滞が発生中。
立地的に日本人のランナーだけじゃなく外国人もかなり多め。
マラソンレース前にナマモノを食べるのはリスキーだと思うんだけど、ホテル1Fの鮮魚を出してる居酒屋に外国人が列を作っちゃっててちょっと心配w pic.twitter.com/bezfoa9M2s
昨日の午後はホテルにチェックインしたのち、すぐ前のスタート地点付近の設営状況を確認してみたり、
東京マラソン2023のスタートゲート設営風景。
— Shoji Watabe 渡部昇治 🔥 (@DGSLCEO) March 4, 2023
外国人ランナーがたくさんいて記念撮影してたりしてみんな楽しそう。
彼らはこの3年間 東京を走れる日をずっと待ってたと思うとちょっと泣けるな… pic.twitter.com/K14zwOQKfm
ゴール地点付近にあるランニングステーションのロッカーに荷物(着替えなど)を置きに行くついでに、ゴール付近の設営状況を確認したりしながらイメージトレーニングなど。
フィニッシュ地点の最後の直線。
— Shoji Watabe 渡部昇治 🔥 (@DGSLCEO) March 4, 2023
明日はここにあるラストのSEIKOを確認した時に自然とガッツポーズが出るようなタイムで走りたい。 pic.twitter.com/LrfNM4mAh4
東京マラソンの前の日は、テニスのあとの妻も夕方に合流して一緒にご飯を食べ、YouTubeにあるコースの動画を再度確認したりつつ、早く寝ました。
レースプラン
今年は自分が抱えていた以下の2つのトラブルから目を背けずに、それぞれ専門家を見つけてひとつひとつ時間をかけて克服。
・着地すると痛いくらいだった右足の外反母趾の痛み
・走れなくなってしまうくらいのレース中の右脇腹痛(差し込み痛)
レース前には自分の中で意味を持つ以下の3つの目標を設定しました。
・第1目標 2:56:04 +/- 0:04:00(STRYDのタイム予想)
・第2目標 3:15:00(ニューヨークシティマラソンの年代別基準タイム)
・第3目標 6:30:00(東京マラソンの制限時間 ≒ 完走)
レース展開のイメージとしては、
・最初1~2kmは流れに逆らわずにウォームアップ代わりにする
・6kmまではダウンヒルなので足を使わないように自然落下していく
・6km以降はなるべく一定のペースで35kmまで巡航
・35kmを過ぎた辺りで可能であればペースアップして行けるところまで
・ラスト2~3kmはジョグで3時間に滑り込む
といった作戦を立てました(大体ですが細かくペース計算もしてます)。
レース結果
結果としては「第2目標」を達成。35~36kmまでは安定したサブ3(3時間を切る)ペースで楽に巡航していましたが、37kmで突如大崩れの展開となりサブ3(3時間切り)は残念ながら逃してしまいました 。
東京マラソン2023
— Shoji Watabe 渡部昇治 🔥 (@DGSLCEO) March 5, 2023
*スタートからGarminのトラブルで時計が使えずサブ3ペーサーにベタ付き
*28kmで外人と接触して転倒
*37kmまでは完璧なペーシング
*37kmから差し込み痛が発生して戦線離脱
*ゴール手前で両足が攣って全く動けずw
*昨年から3秒落ちのタイムでゴール?
楽しかった。また来年。 pic.twitter.com/AemleBQfX8
ゴール直後の感想としては、
「めっちゃ楽しかった。あと3~4kmがんばれてたら流れが違ったかな…」
という感じでした。
レース分析
レース全体の流れとしては、以下のような感じでした。
・スタート
GarminがSTRYD(ランニングパワーメーター)を読み込まないまま号砲が鳴ってしまい、急遽、スタート地点を通過する辺りで、通常のGarminの画面に切り替えてスタートさせてみるも、画面はフリーズしたまま動かず。仕方がないのでちょっと前に見えていたサブ3ペーサーのバルーンを追いかける。
・新宿大ガード辺りまで
人が多いので流れに逆らわず、淡々と。
・6km地点くらいまでの下り
ダウンヒル(下り坂)は苦手ではないので、前傾姿勢で重力に逆らわず、かつ、足を使わない(ダメージをもらわない)ように自然落下。
・6km地点から36km地点まで
公式のサブ3ペーサーのひとりがたまたま自分と同じようなケイデンス(ピッチ)でとても走りやすく、大きな外国人ランナーも周りにいっぱいいて(風除けになって)、またサブ3ペーサーの周りに大集団ができていたこともあって沿道から「サブ3、がんばって!」「サブ3、イケるよ!」といった応援をずっともらえたりして、淡々と巡航。
途中、前からペースダウンしてきた外国人ランナーに気が付かず(やや小さなブラジル人?)彼の足が接触。バランスを崩して手をつくくらいの転倒(顔が地面すれすれになってたw)。上り坂だったので、なんとかうまくリカバリー。後続のランナーを巻き込まなかったのが不幸中の幸い。
補給については、ハーフ地点手前から黒いモルテンをチビチビと食べ、30km地点辺りから白いモルテンをチビチビと食べたりしてしましたが、とくに差し込み痛が出そうな兆候もなく、35km地点を通過する時には
「あ、今日はこのままサブ3 行けそうだな」
などと思いながらかなり楽な気持ちで走っていました。
・36~37km地点
突如、右脇腹に久しぶりの激痛(差し込み痛)がやって来て
「あ、この痛さはダメなパターンかも…」
という予感が走り、少しペースダウンで様子見したものの収まらず。
「これは無理すると DNF もあり得るな…」
というレベルの痛みだったので、やむを得ずラン&ウォークを開始。
ここで戦線を離脱するのはかなり残念なことだけど、完走はしたいし。
・37km~ゴールまで
経験的に、レースの途中で戦線離脱してしまうとそこに待ってるのは地獄w 歩いたり走ったりしてなんとか前に進んでいましたが、いつもならなんてことない 4~5km が、もうめちゃくちゃ長い距離に感じました。
途中で、左足のハムストリングスが攣りそうになってきたこともあって、歩いたり走ったりしてとにかく止まらないように前進あるのみ(止まったらヤバい状態)。
昨日のフィニッシュ地点付近の下見では、
フィニッシュ地点の最後の直線。
— Shoji Watabe 渡部昇治 🔥 (@DGSLCEO) March 4, 2023
明日はここにあるラストのSEIKOを確認した時に自然とガッツポーズが出るようなタイムで走りたい。 pic.twitter.com/LrfNM4mAh4
といった夢を Twitter 上で語ったりしていましたが、自然とガッツポーズどころか、両足が攣って完全に止まっちゃってましたw こういうの久しぶりw
それでも、SEIKO が去年のタイムを刻もうとしてたので、ゴール後にビッキビキに足が攣る覚悟でフィニッシュラインにダイビング(もう走れてないw)。でもゴールしてみるととくに足が攣るわけでもないのは本当に不思議な現象。
まぁ、フィーリングだけの感想文では次のレースにつながらないと思うので、応援ナビの計測データ(速報値)をまとめておくと、

Garminの画面はフリーズしてたものの、後で見てみたらデータは取れていたので、Strava ラップを見てみると、

Garmin の画面がフリースしてたこともあって時計をまったく見ないでペーサーについていったせいか、昨年より全体的にかなり速いイーブンペースで走ってました(36kmまではw)
振り返ってみて「これは改善できそうだよな」と思ったことは、
・スタート前にGarminを再起動してちゃんと動作確認までしておく
・通常規模での開催だったのでランナーが非常に多く、給水がやや困難だったので、最短コースのライン取りをあきらめて左側を走行すべきだったか
(途中、何箇所か給水をあきらめた)
逆に「これはうまくいったな」と思ったことは、
・アプリを使った体重を増やしすぎない(控えめな)カーボローディング
・少なめの朝食
・水分補給(走りながらの給水)
・栄養補給(モルテンの時間をかけたチビチビ食べ)
・前のゼッケンの位置をかなり上にしてみたこと
(キプチョゲ選手や大迫選手の真似)
とくに、ゼッケンの位置を上に変えたことでお腹に熱がこもらなくなるようで、序盤のハイペースでやや差し込み痛が来そうな兆しがあったものの、シングレット(タンクトップ)の下を少し持ち上げて「風を当てると収まる」ということを発見。どうやら自分の場合、差し込み痛発生のメカニズムはこの辺(腹部の熱籠り)にありそうだな…と仮説を立てることができました。ただし、終盤37km地点付近で出た久しぶりの本格的な痛みはまたちょっと原因が違うようにも思っています。
最後に Strava のスプリットテーブルを見ておくと、

GarminのGPSに合わせたランニングパワーデータだからか、距離が微妙にずれていますが、右下にある「Time in Zones(各ゾーンの時間)」は、
昨年
Z5 0%
Z4 0%
Z3 9%
Z2 65%
Z1 26%
今年
Z5 0%
Z4 3%
Z3 31%
Z2 46%
Z1 21%
と改善されていて、
・レースパワーと閾値パワーの分布が増えた
・有酸素パワーやリカバリーパワーの分布が減った
ことがわかります。
STRYDのワークアウト履歴に基づく推奨レースパワーは 197 W でしたが、実態としてはレース全体の平均で 178 W(昨年は182W) でした。また、目標心拍数は172bpm前後の予定でしたが、実態としてはレース全体の平均で 169bpm(昨年は166bpm) でした。
数値で見ると、昨年からパフォーマンスがかなり改善されて「より少ないパワーで、より速く走れる」ようになってきているようですが、もっと真面目に走る必要はありそうですw
参加者の人数や、海外からのランナーの多さ、沿道の途切れのない応援やドンチャン騒ぎに、久しぶりに
「東京マラソン 完全復活、キターーー!w」
とテンションが爆上がり状態で、道中はめちゃくちゃ楽しかったのでw、とくに気にしていませんでしたが、一応、データ上では(厳密な 42.195km の距離を移動した時間としては)4年ぶりに自己ベストを更新してた模様。
あれ、よく見たら4年ぶりに自己ベストを更新してた…最後めっちゃ歩いちゃったのに。 pic.twitter.com/eECYlJjlFO
— Shoji Watabe 渡部昇治 🔥 (@DGSLCEO) March 5, 2023
今後の課題
36kmまでは「このままサブ3は行けそう」という感覚があって、走ってる時もとくにキツいということはありませんでしたが、振り返ると、2019年 のつくばマラソン(元 自己ベスト)時も 37~38km 地点で急にパタンと動けなくなってしまったことを思い出したので、来年の東京マラソン2024(コロナ禍以前に当選して持ち越している出走権がもう1年分ある)に向けては、この辺が自分のクリアすべき課題だな、と思っています。
また、東京マラソンは都市部を走るマラソンなので、GPSがアテにならず、感覚で走っていって要所要所(5km毎とかチェックポイント毎)のタイムを目で確認しながらレースを進めていく必要があり、大きな道路を走るためにライン取りが膨らんでしまうからか、正直、距離もちょっと(1~2km?)長くなるように思います。すなわち、43~44km走るつもりでレースプランを考えておく方がベター。今日の東京マラソンのサブ3ペーサーもそういう想定のペースで走っていたんじゃないかなぁ…と思います。
ちなみにGarminも公式サイトで「都市部はズレますよ」とわざわざ東京マラソンの名称まで持ち出して説明してますね。
最後に、本大会を開催していただいた関係者各位、スタッフの皆様、いろんな役割を担われていたボランティアスタッフの皆様、去年と違って今年は沿道で大きな声で「サブ3、がんばれ!」「サブ3、イケるよ!」と声をかけてくれた本当にたくさんの人たち、noteをいつも読んでくださっていた方々、TwitterやFacebookで「いいね!」やコメントで応援してくれたみなさん、応援ナビでコメントしてくれた方々(ちゃんと見てます)、調整レース等で一緒に走ってたり沿道で応援してくれた TEAM LOVE RUNのみなさん、外反母趾の痛みを取って練習できるようにしてくれた 所沢接骨院の伝法先生 、東京マラソン前の土壇場に急にお願いして走れるレベルまで差し込み痛を緩和させただけでなく身体のコンディションをレース用に調整してくれた リブートライフの中本先生、毎年ゴール後にお世話になっているランニングステーションの美人店長さん(思いがけず「レースどうでした?」って聞かれて嬉しかったですw)、そしてサポートしてくれた家族、とくに妻に、この場を借りて感謝を申し上げます。
"どうもありがとうございました。"