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うしろ頭にひかれる謎4
この記事は、なぞらじ第2回「うしろ頭にひかれる謎4」のnote版(文字起こし)です。ボーロとゲストのわたあめさんが「ひとのうしろ頭から醸し出される独特の魅力」について迫ります。音声で聞きたいという方は、ぜひ動画をご覧ください!(文字起こしをしてくださったぶたろうさんに多謝!)
顔とうしろ頭は別の生き物
わたあめ:あーそれを質問してもらって、その質問にしてもらってすいません、答えてないんですけど、さっきの顔と後ろ頭はまったく別物で、わたしの頭にはふたつの別の物がくっついてるっていう感じになってきた。
ボーロ:なってきた? それ、ちょっと教えてくださいよ。
わたあめ:なんかさっきは、目が主張していることとうしろ頭が醸し出す何かはつながっているという感じがすごくしてたんですけど、目が何かを訴える/主張してる関連する何かを後ろ頭は醸し出してると思ったけど、今なんか目の主張のしかた、何かを発していることと、うしろ頭が何かを出しちゃってる感じをいま考えてみると、まったく全然別のふたつの性格? 性格の違うふたりが存在する感じが。
ボーロ:首から上にバカッっとくっついちゃってるってこと?
わたあめ:そうそうそうそう。
ボーロ:昔のプラモデル思い出しちゃった。首まで作っておいて、前と後ろでパカッとぜんぜん違うものがくっついてる感じ? なんでそんな感じがしたんですか、急に?
わたあめ:やっぱり目の主張の仕方とうしろ頭の何かが出しちゃってる感じは全然違うものの気がするから。
ボーロ:それは、何を出してるかっていうと、ぜんぜん違うものが出ちゃってるってこと?
わたあめ:出し方がぜんぜん違う。
ボーロ:出し方がぜんぜん違うね、うんうんうんうん。その出し方について、もっと言葉にできる?
わたあめ:そうですよね。うーん.......目のほうは、さっき言ってた言葉にして何かを言ってる感じが。「眠いよう」とか。「疲れたよ」とか。それは自分の意識とは関係なく、目が勝手に言ってる感じがする。
ボーロ:自分がこうだ、みたいな。「わたしはこうですよ」。
わたあめ:そう。でも、うしろ頭は、ぜんぜん言葉にできない感じがして。なんだろうこれは。
ボーロ:うしろ頭の出方、どうなんだろう。言葉にできないから悩んでるんだよね今、きっと。
わたあめ:うしろ頭は、いわさきちひろさんの絵画みたい。
ボーロ:いわさきちひろさんの絵画って絵本みたいな?
わたあめ:そう、そうですね。パステルカラーでやわらかい感じの雰囲気の。
ボーロ:あんな感じのイメージ。
わたあめ:言葉にならない...でも、なんか、あーなんだろうな、これはな。わかんないな。
ボーロ:なんだろう、これは。いわさきちひろの絵はごめんね、あんまり知らないから、ちょっとわかんなくなっちゃった。
わたあめ:いわさきちひろさんの絵......(ネットで検索をする)
ボーロ:調べたらでてきますかね。
わたあめ:出てくると思います。そう、こんな感じ。柔らかい。
ボーロ:柔らかくほんわかとした感じ? あーきれいですね。雨、子供たちがいて、傘を差している絵。だけど柔らかい。犬もいるね。犬が後ろ頭になってますね。
わたあめ:あ、本当だ。これ最高ですね。
ボーロ:最高ですね。
わたあめ:はい。
ボーロ:なんだろうね、これ。じゃあ、いわさきちひろの絵のそれ、なんだろう。それと似てるとしたら。
わたあめ:あ! 言葉で言うとこれだ、にじむ感じ。
ボーロ:にじんでるね! 水彩がにじんでる感じね。
わたあめ:そうそうそうそう。
ボーロ:ぼくがわかるかもと思ったのは、うしろ頭でにじみ出てる。うしろ頭の、なんだろうね、なんて言ったらよいんだろうね。うしろ頭から何か出てる感じ、にじみながらでてる感じはするかも。なんだろうね、これは。
わたあめ:むずかしいなあ。
ボーロ:どうだろうなあ。頭の前面と後面がカポッとね、まったく違うものがくっついてるっていうのは面白いと思うんだけど、上からみた場合は何か感じるかな?
わたあめ:ああ! 新しい視点だ。
ボーロ:まあ、でもそうか、横とかもあるのか、横顔とかね。
わたあめ:あとね、横顔はね、あんまりかわいさ感じないんですよ、わたし。
ボーロ:横顔って感じないよね。
わたあめ:それは、目が見えちゃうからじゃないかなって思うんですけど。
ボーロ:目のせいで、やっぱり。
わたあめ:目力とかあるじゃないですか。あれはあれで、目が美しいひとたちは美しいと思うんですけど、その魅力とはもう真逆な感じですね。
ボーロ:たしかに目力があって魅力的っていうのとは違う魅力だよね。
わたあめ:モデルさんとかのきれいな写真とかで目がパッチリしてる、そういうものの魅力とは真逆な魅力ですね。
ボーロ:それ、そうだよね。真逆のほうが何かを探ってみる?
わたあめ:そうですね、真逆は何なんだろう。
ボーロ:モデルさんたちの魅力、これもまた....なんかこう、「主張」って感じはしますよね。「 わたしはこうなんですよ」みたいなさ。「わたしをみて」とか。それとは真逆。
わたあめ:後ろ頭は自然すぎる感じかな、自然すぎる何か。
ボーロ:そうか、前のほうはモデルさんの目力とか、なんか作ってる。人工的。
わたあめ:でも、作ってない目もそんな感じがする。
ボーロ:目だっていう時点で?
わたあめ:何かを主張してるっていうか。何かを誰かに訴えかけようとしてる感じがしてしまう、どうしても。その極端な例がモデルさんたちの写真の目かもしれない。で、後ろ頭のほうは自然すぎる、まったく作れない。
ボーロ:うしろ頭ってね、自然すぎる。
わたあめ:まったくコントロールできない。
ボーロ:コントロールできない。いま自分がどういう後ろ頭になってるかってコントロールできない。ちょっと整えたりくらいはできるけど。自然すぎるって面白いと思うんだけど、後ろ頭の自然ってなんだろうね。
わたあめ:うーん......後ろ頭の形ってどうしたって変えることできないですよね。
ボーロ:ぼく、結構いびつなんだよね。だからいやなんだけど。
わたあめ:人々はよく、顔の整形はよく聞くけど、後ろ頭の変形なんて話、聞いたことないですよね。
ボーロ:(笑) なんかね、いわゆる絶壁のボリュームを出すためにするなんかね。でも、変形させないよね? 後ろ頭の変形って面白いね。
わたあめ:でもそういうことはみんなやらないから、だから......人類に残された無法地帯なんじゃないですか?
ボーロ:人類に残された無法地帯!
わたあめ:顔はいろいろ整備されてたりするから。人に見られて。
ボーロ:無法地帯! 人類に残された無法地帯、それはうしろ頭! それを無法のまま放っておくと、果てには何が残っているんだろうね?
わたあめ:その果てには...そのままでいてあげてほしいものだから、わたしたちは魅力を感じるんじゃないですか。無法地帯で、放っておいてあげてほしいもの。
ボーロ:え、何? 放っておいてあげてほしい、そっとしていてあげてほしいもの?
わたあめ:そっとしておいてほしいものだから、うしろ頭をみると、動物とか人かのうしろ頭をみると神様になった気持ちになれる。守ってあげようっていう。
ボーロ:面白いね。 うしろ頭が無法地帯で、そのままであってほしいな、守ってあげたいな。で、神様の気持ちになれる。すごいね。そう考えたら、後ろ頭ってすごくない?
わたあめ:うん、すごいと思います。
ボーロ:人類にとって。
わたあめ:天然記念物じゃないですか。
ボーロ:天然記念物、いまの話だとそうなるね。すげーな、面白いね。これちょっとしばらく味わってて良いですかって感じ。味わいがすごい深いね、これね。
つづく