第79期順位戦B級2組の展望
B級2組は今期25人が10回ずつ戦い、1人増えて3人となった昇級を目指しています。前期は8勝2敗までの2人が昇級していますが、3位は7勝3敗が2人でした。8月までに3回戦を終えていますが、まだまだ全員にチャンスが残っていると言えます。この中から私が注目する棋士をリストアップしてみます。
藤井二冠
2016年に14歳の史上最年少でプロ入りした18歳です。順位戦は過去3年間で1敗しかしておらず、今期も当然のように1期抜けを目指します。全勝できるかどうかに注目しています。
谷川九段
1976年に14歳でプロ入りした58歳です。今期は既に2敗していますが、やはりタイトル獲得通算27期のレジェンドからは目が離せません。次の4回戦で藤井二冠との対局が組まれています。
藤井(猛)九段
1991年にプロ入りした49歳で、羽生世代の一員です。振り飛車党で、革命的な藤井システムを編み出し、升田幸三賞を受賞しています。竜王を3期獲得しており、A級に10期在籍しています。今期は既に2敗していますが、まだまだ活躍して欲しい棋士の一人です。
杉本八段
1990年にプロ入りした51歳です。藤井二冠の師匠であり、弟子の活躍に呼応して強くなったと評判です。藤井二冠にC級1組で並ばれた際には9勝1敗で一足先に昇級し、今期竜王戦3組では師弟同時昇級を果たしました。順位戦でも師弟同時昇級が実現できるか注目しています。
佐々木(勇)七段
2010年に16歳でプロ入りした26歳です。藤井二冠の30連勝を阻止した若手精鋭の一人です。前期は9勝1敗でC級1組から昇級を果たしています。今期は1回戦で藤井二冠に敗れていますが、2回戦からは連勝しています。
中村(太)七段
2006年にプロ入りした32歳です。2011年度に史上2位となる勝率0.8511を記録したことがあり、王座獲得経験もある実力者です。今期は2連敗のスタートとなりましたが、まだまだ巻き返しのチャンスはあると思います。
ベテランから若手まで実力者が揃っており、誰が昇級しても不思議ではありません。3連勝と好スタートを切った、横山七段、中田八段、阿部(隆)九段にとっても絶好のチャンスです。今後の展開に注目していきたいと思います。