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将棋界の2023年タイトル戦を総括

2023年における将棋界の8つのタイトル戦がすべて終わりましたので、この1年を総括しておきたいと思います。
※本稿ではタイトル称号では混乱するので、棋士の呼称は「さん」付けとさせていただきます。

2023年は藤井さんが、保持していた5つのタイトルをすべて防衛し、3月に棋王を奪取、6月に名人を奪取、10月には王座も奪取し、全八冠制覇を成し遂げました。一局毎に見ると接戦になった将棋が多く、中には絶体絶命の局面からの大逆転という対局もありましたが、いずれのシリーズもフルセットにもつれ込むこともなく、圧倒的な強さだったと思います。

対戦相手は、羽生さんや渡辺さんのように数多くのタイトルを取ってきた強豪や、永瀬さんや菅井さんというタイトル経験者もありましたが、今年の特長としては佐々木(大)さんや伊藤(匠)さんのように、タイトル初挑戦となる新しい力が伸びてきたことが挙げられると思います。

今後はいつ誰が藤井さんからタイトルを奪うのかが焦点となりますが、羽生さんが日本将棋連盟会長としての記者会見で、「現実問題としてタイトル戦で誰が最初に勝てるのかとなると、まだ全然想像がつかないのが実感」と答えているように、来年も藤井さんの一人勝ちが続くであろうというのが将棋界の共通認識だと思います。

個人的には、伊藤(匠)さんを筆頭とする20歳前後の世代が力を付け、藤井さんをライバルと呼べる存在が現れることを強く期待しています。

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