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「観る将」が観た第28期銀河戦決勝トーナメント準決勝

12月10日に放映された銀河戦の決勝トーナメント準決勝、藤井二冠と木村九段の対局を観た感想です。本局は10月1日に収録されたようで、王位戦七番勝負の後、王将リーグやNHK杯での対局よりは前ということになるかと思います。

藤井二冠は1回戦で増田六段、2回戦で永瀬二冠(当時)を破っての準決勝進出です。木村九段は1回戦で中村(太)七段、2回戦で菅井八段を破り勝ち上がってきました。

戦型は先手の木村九段が矢倉に誘導しました。王位戦の第二局と第四局、木村王位(当時)が先手番では相掛かりに誘導しましたが、連敗したこともあり作戦を変えてきました。藤井二冠はいつも通り堂々と受けて立ちます。

木村九段は5筋の位を取り▲3五歩と仕掛け、▲5六金と中央を制圧します。藤井二冠もすかさず△8五桂と反撃しますが、木村九段は攻め上がった銀で相手の守りの銀を1枚剥がすことに成功します。藤井二冠は、今度は中央から反発し金を交換して薄くなった相手陣に△5七歩と垂らします。木村九段は持ち駒の銀を投入して受けますが、藤井二冠は序盤に跳ねた桂を犠牲に歩を補充し、△6五歩~△5八銀~△6九金と相手陣を崩壊させます。更に△6五銀のタダ捨てから△3九角の王手飛車が決め手となりました。木村九段としては、敢えて飛車を取らせる間に入玉を目指す勝負手でしたが、藤井二冠はそれを許さず即詰みに討ち取りました。

本局は木村九段が序盤から積極的に仕掛け、ペースを掴んだように見えましたが、藤井二冠が反撃に転じてから鮮やかな寄せを魅せました。

藤井二冠はこれで初めての銀河戦決勝進出となりました。相手は早指しに定評のある糸谷八段です。両者とも初優勝を目指す顔合わせとなりましたが、早指し棋戦ならではのスリリングな熱戦を期待したいと思います。

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