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【恋愛日記②】2度目のデートは海辺のレストランで。

2020年8月26日

ボク・・・アオ(仮名)
ボクが恋している女性・・・涼子さん(仮名)
です。

18時半の浜松町駅。まだ外は明るい。

涼子さんは雨女だと言っていたが、空は見事に晴れ渡っている。羊雲が夕焼けに照らされて、空に大きな陰を作っている。

会社の最寄り駅が東京駅の涼子さん。今まさに、彼女が山手線でこっちに向かってきている。

待ち合わせは、北改札を出たところ、キオスクの前。いつ改札を出てくるんだろう。そわそわしてキオスクに並ぶスポーツ新聞を眺めるが、内容は一切頭に入ってこない。

ボクは何故かその場に立っていられなくなり、近くのコンビニに入る。

涼みながら深呼吸をしていると、

着いたよー

というLINEを着信。

急いでキオスクの前に向かうと、彼女の姿。

涼子さんが立っている。遠目から見ても分かる、小柄ながらもいいスタイル。小さすぎて、ボクの半分くらいの大きさしかないであろう小顔。

緑のワンピースが良く似合う。いや、涼子さんならどんな服でも似合いそうだけど。

一気に上がった体温を下げようと心を落ち着けてから、話しかける。ボクがなんと言ったのかは覚えていない。

こちらを向いて微笑む涼子さんの表情はやっぱり神々しくて、美しい。

竹芝方面に向かって、ゆっくりと歩きだす。もともと早く歩かないボクは、涼子さんのペースが苦に感じない。

横並びで歩くのは、やっぱりちょっとこっぱずかしい。座ってゆっくりならもっと楽しんで話せるのに、何でだろう、不思議だ。

最初はぎこちなかった会話だが、徐々にボクも慣れてきて、いろんなことを話した。

竹芝地区は高級住宅街。一気に人気が少なくなり、涼子さんの声が良く聞こえるようになる。ボクの耳が『今幸せです!』って叫んでる。

涼子さんは何を考えているんだろう、と気になる。本当はめんどくさいけど無理して来てくれてるのかな、とか、急に不安になったりする。

暫く進むと、東京湾に突き当たる。大きな船着き場があって、汽笛が聞こえる。

そよぐ風が気持ちよく、ボクと涼子さんはここで10分ほど時間を潰すことにした。レインボーブリッジの上空は、青黒く輝いている。

涼子さんが朝から仕事がバタバタだったという話を聞いたが、内容があまりにも平和で思わず笑みがこぼれた。暑がりだという涼子さんが潮風で涼んでくれてよかった。

そして19時ちょうどにレストランにイン。
冷房と夜の潮風が交互に吹き抜ける席に案内された。適温で肌が心地よい。

四角い机。海を臨む形で、斜め向かい同士で座る。
涼子さんの右の横顔は今日も小さくて、ナチュラルメイクが照明に映えている。

やっぱり美しい。ずっと見ていられそう笑

お店が開店1周年らしく、スパークリングワインをプレゼントされ、乾杯。もちろんボクのグラスが下だった。

続いて料理を選ぶ。
涼子さんは、見た目に反して結構食べる笑

大きなサラダと200グラムの豪州産ステーキと、カルボナーラを頼み、二人で分けることに。

食事のお供は、アメリカンレモネード。涼子さんが大好きなお酒らしく、ボクも同じものを頼んだ。

赤ワインとレモネードのコンビネーションは、まるでこの恋のような味がした。悩む時間が赤ワインのようにほろ苦いけど、彼女と会って有頂天になっている時間はレモネードのように甘い。

なんて冗談はさておき、普通においしくてハマった。笑

どっぷりと日が落ち、レインボーブリッジの輝きが目に入る。風の中に感じる潮の香りが心地よい。

涼子さんとの会話を楽しむ。ボクは子供の時から、笑顔がにやけ顔に見えるとよく言われるが、涼子さんにもそれを言われた。人間はそう簡単に変わらない。

運ばれてきたステーキとパスタとサラダを、涼子さんもボクも美味しく頂いた。やっぱり涼子さんはよく食べる。普通の成人男性くらい食べている。それでこんなに華奢なの、奇跡だな、、、。自分なんてすぐに太るのに。

時折、無言の時間が流れる。でも、別に気まずくなったりはしない。

私めちゃくちゃ話す方じゃないんやけど、アオくんとの無言の時間は、楽だね

と、涼子さん。

ん?これはどういうことだ?胸がざわめく。無言が苦じゃない=一緒にいて楽=好き?とか勘違いしちゃうでしょうよ。真意を問いたいところだが、平静を装うボク。

涼子さんがお手洗いに席を立つ。涼子さんを待つ間、ボクは東京湾を眺めながらこんなことを考える。

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Mr.Childrenの「シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~」に

何遍も恋の辛さを味わったって
不思議なくらい人はまた恋に落ちてゆく

とあるように、ボクはこれまでの人生で何度も恋に失敗してきたのに、また懲りずに恋をしている。恋人には捨てられ、恋人がいながら他の人に恋をして辛い思いをして、遠く離れた地にいる女性に叶わぬ恋をして悩んだ。恋をするということは、いつか、何かしらの形で別れも味わうことになるということなのに、夢中になったら突き進まずにはいられなくなる。人間は変な生き物だ。

でも、Mr.Childrenの「名もなき詩」で

愛はきっと奪うでも与えるでもなくて
気が付けばそこにある物

と言っているように、恋はしたいからといって出来るものでもないし、したくなくてもしてしまうことだってある。。。

同じくMr.childrenの「君が好き」の歌詞の通り、

行き場のない
想いがまた夜空に浮かんで

いる。東京湾の上空のはるか高いところに。

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そうこう考えているうちに、涼子さんがお手洗いから帰ってくる足音が聞こえる。

涼子さんは

わあっ

と、わざとらしく驚かそうとしてきた。笑
なんて愛らしい。。。

足音に気づいていたボクは、当然ながら全然驚かない。

何で驚かないの?気づかれてた?

と、ケラケラ笑う涼子さん。

いやそれはね、涼子さんが早く帰ってこないかなと思って楽しみにしていたから、すぐに足音に気づいただけだよ、

、、、と言いたかったが、言葉にはせず喉の奥に飲み込んだ。

気づけば、駅で会ってから3時間半、食事を始めてから3時間が経っていた。お会計を済ませて、浜松町駅に歩いて帰る。

できるだけたくさんの時間を過ごしたくて、涼子さんの歩幅に合わせるようにして、ボクはゆっくり歩く。あの道は狭くて危ないから、、、とか、尤もらしい言い訳をして、ちょっとだけ遠回りをする。

往路で立ち止まった海辺が目に入り、ボクは思い切って「また、ちょっとだけ一緒に海を見ませんか?」と誘ってみる。

いいよ、行こう行こう

と、涼子さんは快くついてきてくれた。

真っ黄色の大きな旅客船が港に着いている。何で黄色なんだろうね、と、至極平和な会話を楽しむ。

涼子さんからは、精神的な安定感を感じる。普段滅多に怒らないと言っていたが、すごく納得できる。彼女の身の回りはいつも穏やかで明るいんだろうなあ。そういえば、涼子さんのことを紹介してくれた玲奈さんと雰囲気が良く似ている。

ここでもあっという間に10分ほどが経ち、また涼子さんとボクは歩き始める。

ボクは今更ながら気づいた。あ、そういえば、次のデートの約束取り付けないと、、、!

あと5分もしたら駅に着いてしまうかな、というところで、ボクは思い切って切り出す。何故か敬語で笑。この日のボクは思い切ってばかりだ。度胸が増した気がする。

今日はすごく楽しかったです。
3週間前に初めてお会いしたときは、正直、こんなに綺麗な人がこの世の中にいるんだって驚きました。
それと同時に、自分とは住む世界が違うというか、もっと派手でたくさんの友達に囲まれて、ワイワイ生きている方なんだろうと思いました。
でも、お話しするうちに、割と印象が変わったなあ。
数人のご友人のことをすごく大切にされていたり、良い意味で等身大というか、自分なんかがこんなに話しやすいなと思う人は結構珍しいんですよね。
涼子さんが凄く魅力的な女性だと、改めて思いました。
なので、うーん、いや、なのでっていうのもおかしいかもしれないんですが、またお会いできませんか?

ボクはその場で浮かんできた言葉を並べた。もうちょっとシャレた表現が無かったものかと反省したが、後悔はなかった。なんか、殆ど告白みたいになってるな笑。

ちょっとの間が空いてから、涼子さんの返答。

うん。また会いましょう。
あと、ありがとう、、、嬉しいです。そんなこと言われたことないから、何て返していいか分からへんけど。

いやー、痺れる。また涼子さんとデートできる。日程調整はLINEですることに決めて、駅までの残りのストロークを歩む。

えっ

と、突然大きな声を上げる涼子さん。どうしたの?と聞くと、

あれって、東京タワー!?結構小さいね笑

東京タワー、見たことないのかな笑
少なくとも、登ったことは無いんだろうなー。

東京タワーって、スカイツリーよりは小さいけど、渋くてカッコよくて、いぶし銀のオジサマって感じがして、個人的にはすごく好き。笑

駅の改札を通って、別方面のホームに分かれる。今日はありがとう、楽しかった、と言いながら、2度こっちを振り向いて手を振ってくれた涼子さんの姿は、ボクの目に焼き付いて今も離れない。

帰りの電車の中で、ボクは涼子さんにソッコーでLINEして、次お会いする日の話を持ち掛ける。

日にちは平日の夜。行き先は、東京タワーだ。

2020年8月30日

今日までもほぼ毎日LINEでやり取りしていて、ここまでの涼子さんの反応は悪くない気がしているが、どうなんだろう。

楽観的な性格のボク。甘く見すぎか、否か。。。

告白のタイミングはいつがいいのか。

何もかもよく分からなくて、今日も思い悩んでいる。

2020年9月2日(3度目のデート)に続く、、、。

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あお
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