知能検査WAISを受けたら、自分の得意・不得意が分かりました
僕は、まあ自分がコミュ障だとは思っていないのですけど、「あれ、何となく周りの人と感覚が合わないな」とか「みんなが楽しめていることを楽しみ切れない」とか「何の気もなくやっていることをみんなが褒めてくれる」ということが日常の中で時々起きる。
でも、なんかそれが上手く言語化できなくて、モヤっとしていました。
そんな時に見つけたのがWAISという知能検査。この動画でその存在を知りました。
↑のHPより引用
・15の下位検査(基本検査:10、補助検査:5)で構成されており、10の基本検査を実施することで、全検査IQ(FSIQ)、言語理解指標(VCI)、知覚推理指標(PRI)、ワーキングメモリー指標(WMI)、処理速度指標(PSI)の5つの合成得点が算出できます。
・ディスクレパンシー比較、強みと弱みの判定、また、任意の手続きのプロセス分析により、検査結果について詳細な分析を行えます。
Quiz Knockの動画を観てみるとよくわかりますが、自分自身の強みや弱みが可視化されるとのこと。しかもIQが測定できる。
自己理解を深めるために試しにやってみよう!と思い、受けられる場所を探して問い合わせ。
いろいろと調べましたが、WAISを受ける相場としては1~2万円台が多いようで、僕も2万円台で受験しました。(WAISは何度か改訂されており、僕は最新版のWAIS-Ⅳを受験。)受験の時間は2時間以上かかる長丁場で、集中力を使うのでかなり疲れました。結果は1週間ほどで自宅に郵送して頂けました。
この結果がなかなか面白く、自己理解が深まったので、備忘がてらnoteに文章を残しています。雑文です。
結果
まず、全検査の結果を総合した「全検査IQ」は114でした(平均は100)。上位15%くらいなので、偏差値に換算すると60くらい。小学生の時のことを思い出してみると、ずっと上位15%以内くらいの成績水準。僕が通っていた大学の偏差値がちょうど60くらいなのもあり、何となく納得感がありました。
(もちろん、IQと勉強の偏差値が比例するというわけではないそうです。)
全検査IQは114でしたが、その構成要素も確認できます。結果はこちら。
言語理解(言葉による理解や把握能力に関する力):110
知覚推理(目で見たものを理解・把握する能力に関する力):107
ワーキングメモリー(聴覚的な記憶力や注意集中に関する力):122
処理速度(手先の器用さや作業スピードの速さに関する力):111
各項目の説明はこのブログが分かりやすいです。
更に、各構成要素のもう少し細かいブレイクダウンまで結果を確認できます。それがこちら。
試験の内容によってかなり結果が分かれています。
全検査IQ:114
言語理解(言葉による理解や把握能力に関する力):110
知覚推理(目で見たものを理解・把握する能力に関する力):107
ワーキングメモリー(聴覚的な記憶力や注意集中に関する力):122
処理速度(手先の器用さや作業スピードの速さに関する力):111
と、総合的に見れば平均からやや上の結果にまとまっているのに、その内訳を見るとかなりのばらつきがあるのが興味深い。確かに、試験を受けていて「この問題はストレスなく反射的に正解できる」「この問題、全く解けない!!」とか、いろんな感触があった。
心理士さんからのフィードバック
自宅に郵送されてきた結果には、心理士さんのフィードバックが丁寧に記載されていました。
これがかなり参考になるし、「あれ、何となく周りの人と感覚が合わないな」「みんなが楽しめていることを楽しみ切れない」「何の気もなくやっていることをみんなが褒めてくれる」というような日常のモヤモヤに対する答えになっていた。
いくつか抜粋し、それに対する感想をまとめてみました。
(心理士さんからのフィードバック①)
【言語理解について】
多少、分からない単語が含まれていても、前後の文脈やそれまで蓄えた知識をもとに大体の意味が推測できたり、話の流れをつかむことも得意であると言えるでしょう。
(中略)
一方で、推察力が高いことから一般共通としても辞書的定義から自然と意味を派生させやすく、○○様独自の解釈や意味付け、正しい意味と誤った意味が混在した解答が多く認められました。
ご自身のみで文章を一から作成する際や他者とのコミュニケーションにおける言語解釈において齟齬や労力が生じやすくなることも示唆されます。
(心理士さんからのフィードバック②)
【ワーキングメモリーについて】
基礎的な計算力がしっかりと定着なされており、心的敏捷性も高く、論理的に物事を考えながら課題解決に向けて合理的な判断のできる力が高く備わっていると考えられます。
一方、”複数人の会話や複数の作業を複合的に同時処理することにやや労力がかかる”、”複数の指示や用事を一度に言われると、瞬時に優先順位をつけにくいことがある”などといった自覚をお持ちかもしれません。
(心理士さんからのフィードバック③)
【処理速度について】
”視覚から取り入れた情報をノートに書き写すなどの筆記作業”、”手順を守り、一つ一つの作業を焦らずに進めていく資格処理作業”、”視覚的な短期記憶を使って手の運動に協応させるデータ入力などの事務処理作業”において、高い集中力と安定感を持って課題に臨めるものと考えられます。
(中略)
一方で、”広い空間のなかで、目を素早くあちこちに動かして物を探査したり弁別したりする作業”、”色、形、模様、デザインなどを瞬時に見分け手や身体を動かしながら仕分けをしていく作業”といったことにおいて時間的なプレッシャーや速いスピード、多くの量を捌くことが求められるとやや疲弊しやすくなることが示唆されます。
(中略)
多くの情報を広く一度に取り込んで同時に扱っていく作業よりも、限られた範囲の目の前の一つ一つの課題処理の方が負荷が掛かりにくく、効率よく作業することができるでしょう。
フィードバックに対する感想とこれからどうしていくか①【想像力からくるユニークさ?】
推察力が高いことから一般共通としても辞書的定義から自然と意味を派生させやすく、○○様独自の解釈や意味付け、正しい意味と誤った意味が混在した解答が多く認められました。
ご自身のみで文章を一から作成する際や他者とのコミュニケーションにおける言語解釈において齟齬や労力が生じやすくなることも示唆されます。
というフィードバックがあったのだが、これは結構思い当たる節がある。誰かの動作を見た時、映画を見た時、小説を読んだ後などなど、他の人と解釈を共有するという場合に、他の人となかなか感覚が合わないというか、「え、その感想全く共感できない」と思うことが多くある。その一方で、例えば僕が社内でプレゼンを行ったりすると、「その視点はなかった」というような感想を貰うことが多い。
この現象は、たまに負の方向に働くこともある。僕の解釈が相手にとって全く理解されずに気まずくなってしまったりとか、言い争いになりかけたりとか。
【そんな自分が上手く立ち回っていくためにどうするか】
相手の感情に関わることについては、自分の解釈をむやみに話さないように心がけたいと思う。悪気も無く関係性を壊してしまう可能性があるのなら、それは避けたい。
一方で、自己表現したい時、なにか発表したい時なんかは、むしろ自分の感性を信じて、オンリーワンなアウトプットを出せるように励みたいと思う。何か感性を生かせる業務があれば掴むようにしたいし、いずれは職業自体をシフトしていければと思う。
(東京藝術大学院を卒業するという夢もあるし。)
フィードバックに対する感想とこれからどうしていくか②【同時並行の作業や複数人での会話が苦手】
僕が仕事上で苦手意識がある業務は、例えば複雑な長文メールの作成とか議事録作成とか。複数人が登場したり纏めないといけない情報が多いと、すぐに手をつけられない。1日くらい置いて、移動中とかに頭の中で情報を整理してから作業を始める場合が多い。
それでも、結構メールが長ったらしくなってしまったり、要点を抑えられていない議事録やレポートを書いてしまうことが多くて、新人の頃は相当上司に注意された。その一方で、Excelのような単純作業はかなり得意で褒められることが多かった。
あと、複数人の会話に苦手意識がある。飲み会とか凄い苦手。なかなか話にうまく入っていけなくて、隅で黙ってしまうような場合が多い。それもあって、ひとり行動が好きというか、楽。なので、
”複数人の会話や複数の作業を複合的に同時処理することにやや労力がかかる”、”複数の指示や用事を一度に言われると、瞬時に優先順位をつけにくいことがある”などといった自覚をお持ちかもしれません。
一方で、”広い空間のなかで、目を素早くあちこちに動かして物を探査したり弁別したりする作業”、”色、形、模様、デザインなどを瞬時に見分け手や身体を動かしながら仕分けをしていく作業”といったことにおいて時間的なプレッシャーや速いスピード、多くの量を捌くことが求められるとやや疲弊しやすくなることが示唆されます。
というフィードバックがあって、びくっとした。まさにそうだなあと思った。抽象度の高めな物事の理解には時間がかかるし、同時並行での作業が難しい人なんだと。
一方で、何か一つのことに集中し始めた時に発揮できる力は結構強い自信を持っている。雑音が気にならなくなり、結果にコミットできるイメージ。
多くの情報を広く一度に取り込んで同時に扱っていく作業よりも、限られた範囲の目の前の一つ一つの課題処理の方が負荷が掛かりにくく、効率よく作業することができるでしょう。
というフィードバックがドンピシャな気がしている。
【そんな自分が上手く立ち回っていくためにどうするか】
作業の進め方は、「一度に一つのタスクに集中する」ことに徹するべきなんだと思う。複数の作業を同時並行で進めて1年後に達成する、というイメージではなく、最初の1ヶ月はこれだけやる→次の1ヶ月はこれだけ、、、という要領で進めるのがよさそう。
複雑なメール作成など、苦手意識のある業務に関しては、作成し始めて悩みすぎる前に、誰かにこまめに相談して正しい方向性に進むことが必要そう。
これは将来像を描くということについても同じことが言える。僕は、頑張ってもなかなか自力で将来像を描いたりすることができない。すごく苦手。ならば、尊敬できるメンターや頼れるコーチを持ち、定期的に自身の目標を明確化したり、将来を思い描く手伝いをして頂くことが大切な気がする。
複数人での会話が苦手、という点については、例えばプライベートで予定を入れるなら大人数は避けて2~3人にするようにして、できるだけ自分にストレスがかからないように意識したい。会社の飲み会は苦手なのであまり行きたくないんだけど、その代わりに2人きりでランチするとかして埋めておきたい。
あと、自分が好きになる異性って、あまり人に依存しすぎないというか、(職業としてという意味ではなく、精神的に)独立していて友達がさほど多くない人が多い気がする。飲み会が好きな人とか、無理ってなっちゃう。隅っこで静かに話しているような人に惹かれてしまうのだけど、今回の心理検査の結果から何となく納得できた。今後もこの方針でいこうと思う笑。
おしまい
さて、3万円弱の大金をはたいてWAISを受けた訳ですが、自己理解が進んでかなり役立った気がしています。(検査をして下さった心理士さんも信頼できる人でした。もし興味がある方がいらっしゃったら、ご紹介します。)
得意は得意なものだと自信を持つ。苦手なものは苦手なものと認める。
その上で、適切に人を助けたり、頼る。そんなことを意識して、限りある時間を最大限に活かして生きてゆきたいと思う3連休の2日目でした。
東京オリンピックを見ていて、多くの選手が「支えてくれた方々のお陰で、、、」というコメントを残しています。
ふと思ったのですが、オリンピックに出るような選手って、勿論ご本人の凄まじい努力もありますが、「自分がやれることだけに集中して、苦手なことは他の人に託す」ということが上手なのではないかなあと思います。自分の強みと弱みを理解し、弱みを埋めてくれる人に敬意を持って接するからこそ、「支えてくれた方々のお陰で、、、」というコメントが口から出てくるんじゃないかなあと感じました。