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自分が輝ける場所で働くことで価値を出す、イギリスに家族で移住した村井太郎さん
海外で働く人ラジオは海外で働く日本人たちが、海外移住を通して得た知見、Know-Howを本人の体験を通して学び取っていくPodcast番組です。
今回も最高に素晴らしいゲストはイギリスに移住された村井太郎さんをお迎えしました。
村井太郎さんのプロフィール
社会人になるまでずっと関西一筋で生きてきました。そこから、グローバルコンサルティング会社に就職し、社内でのプロジェクト単位での海外常駐、社内の海外オフィスへの転籍、完全外資企業の海外オフィス、日系企業の海外現地採用と、様々な形での海外での働き方を経験してきた2児の父。
特に長期の海外経験がない状態から、外資系コンサルでキャリアを始め、イギリスのテックスタートアップに在籍中にイギリスへ家族で移住。そのままイギリスでコンサル、日系製造業の英国支社へとキャリアを進め、現在イギリス4年目に突入。王道的なキャリアパスから離れエキサイティングな道なき道を行く日々を過ごされています。
仕事・家族との時間・自分の時間をどうするか日々悩みながら悔いのないように過ごすことを目標にしています。
村井さんが教えてくれた企業ビザは発行できる企業リスト
村井さんがイギリスで仕事を探している時に下の就労ビザを発行できる企業リストを見て、会社を探したと話してくれました。
イギリスで就労ビザを発行できる企業リスト
オーストラリアでも似たような企業リストがあるのかと調べてみたら、下のものを見つけました。
上の2つのリンクは政府のWebサイトにリンクしているので、ちゃんとしたものだと思います。
そんな素敵な村井さんのインタビューを楽しんでください
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3:41 学生時代から今までのキャリア
学生時代に海外経験はされましたか?
大学院の際に旅行に行った程度で学生時代は海外経験はほぼありませんでした。
4:26 今までのキャリア
1社目: 大手外資系コンサルティング会社
工学系の大学院にいて就職活動をしている際、「日系メーカー世界が驚くような活躍をする会社にしたい」という思いを持っていて、メーカー就職かコンサル就職を考えていました。に外資系コンサルティング会社に2012年に新卒入社しました。ここでプロジェクトマネージャーというプロジェクトの現場のリーダーに当たる役割まで7年いました。主にセールスやマーケティング、最後の方はビッグデータを使った需要予測などのプロジェクトを主に行っていました。この間に、フランクフルトに3か月、チューリッヒに3か月、アメリカのケンタッキーなどに3か月、バンコクに2か月程度滞在して海外のプロジェクトも行いました。
2社目: 日英拠点のコンピュータービジョンソフトウェアスタートアップ
その後、コンサルタントという第三者視点ではなく、自分で実際に色々なことを推し進めていきたいと思い、自分の責任範囲が大きい、グローバルに勝負できそう、海外移住の可能性が高い、という要素を考えて、Kudanという当時日本とイギリスに拠点があったソフトウェアのスタートアップに2019年7月転職しました。この仕事を行っている期間の2020年9月にイギリスに家族で移住をしました。アメリカ拠点の立ち上げ、海外の事業開発、マーケティング全般、プロダクトマネジメントと幅広い範囲をカバーしていました。海外エンジニアのイギリスビザ取得のサポートも行っていました。
3社目:イギリスローカルの小規模コンサルティング会社
ただ、イギリスに移り、猛烈なインフレ・円安(当初円で給料をもらっていました)で家族を支えていくのは難しくなり、半ば転職せざるを得なくなりました。その際は、家族の環境を変えたくない、海外でもっといろいろと挑戦したい、というのがあり、イギリスで職探しをして、ロンドンにあるロンドンとニューヨークに拠点がある英米“ローカル”な小さなコンサルティング会社に2023年2月にプロジェクトマネージャーとして転職しました。企業買収のための事業価値を図るためのアドバイザーのようなことを専門にしている会社で、ロンドンオフィスでイギリスの大学を卒業していないのは私含め2-3人程度でした。(そういう意味で非常にイギリスローカルでした)
2023年2月入社ですが、3週間のプロジェクトを2つくらいして、5月末くらいに試用期間中の雇用契約解除となりました。私のパフォーマンスがそこまでよくなかったというのもありつつ、市況の影響が大きかったように思います。ビザスポンサーをしてもらってイギリスに住んでいるので、このまま次の仕事が2-3か月で見つからなければ、イギリスから家族で強制帰国という状況でした。
4社目:日系メーカーのイギリス子会社
半ば意地になってイギリスベースでのポジションで転職活動をしました。家族4人のビザスポンサーをしてくれる仕事は相当そもそも募集がなく、最初は難航しました。ただ、折角の機会だし、元々やってきて、キャリアを始めた時の目標でもある「日系メーカーを世界が驚くような活躍をするようにする」にもう一度キャリアを戻したいと思っていました。そこでこれまでの仕事の中でご縁があった、日系メーカーからイギリスベースでの役職を頂くことができました。ビザなどの手続きを終えて2023年10月から正式に社員として働いています。特に欧州での衣類向けの印刷機の事業推進を行います。
24:38 英語はどのようにして身につけたの?
もともと英語というのは好きだし、話せたいな、とは海外経験のない学生のころから思っていました。「世界で活躍するグローバルエリートになりたい」というようなことは一切考えておらず、単純に、洋画を字幕なしでみれたらかっこいい、外国人のお姉さんと仲良くなりたい、というよこしまな理由です。
一番、実践的な英語を習得したのは、1社目のコンサルティング会社で、仕事の中で使う中で身につけたように思います。特に海外ベースでのプロジェクトが役に立ったと思います。日本語を話せない上司に説明したり、同僚やクライアントと議論したり。
28:32 いつ頃から海外で働きたいと思うようになったのか?
3つくらいモチベーションがシフトきています。
まず最初は1社目のコンサルティング会社の内定者から2年目くらいの時に、周りの色々な人が海外のプロジェクトをやっているのを見て、「なんだか難しそうだけどやりがいがありそう」と、ある種のミッションを達成する、というような感覚で海外で働きたいと思いました。
2つ目は、実際に海外の人と仕事をしたり、遊ぶうちに、様々なバックグラウンドの人と一つの目標に向かって言語の壁を乗り越えて一緒に頑張ることが楽しくなりました。また、やはり英語での仕事は日本語の仕事よりも難易度が高くそういうものに挑戦し続けたい、という思いもあり、海外で長期的に働きたいと思うようになりました。
3つ目は、子どもができてしばらくしてからです。子どもの将来を考えた際に、東京で子育てをするのがあまり想像できない、というか、結構息苦しそうだな、と思っていたこともあり、より具体的に海外で働きたい・住みたいと思うようになりました。
30:47 海外で働きたいと思ってから、きっかけ・チャンスが来るのにどれぐらいの時間があったの?
長期的に海外に籍をおいて働きたいと思うようになったのは、恐らく2016年くらいのことなので、結果的には2020年9月まで、4年くらいの時間がかかっています。
31:15 海外で働くようになったきっかけ
実際に海外で行くことができたきっかけ、チャンスはどうだったのか?
2社目のスタートアップへの転職がきっかけです。入社する際に、イギリスへの転籍が可能であることを条件に転職を決断しました
32:45 きっかけ、チャンスを獲得するためにどのようなことをした?
海外移住を実現させてくれたきっかけ、チャンスを引き寄せたものはなんだろう?スキル、仕事、日々の行動
スキルや経験はもちろん大事ですが、「引き寄せた」要因は、周りに日々「海外で働きたい」という話をする、あとチャンスがありそうならトライする、という粘り強さだと思います。
32:32 ビザはどうされたのですか?
これまで会社のスポンサーでビザは取得しています
36:58 海外に移住すると決まったからやったことありますか?
移住したのは自分本人だけ?それとも家族もいた?
家族で移住しました。(妻と子供二人)
家族がいた場合、家族はどう受け止めたの?
妻も海外で生活したいという風に言っていたので基本は前向きでした。子どもはまああんまりよくわかってなかったんじゃないでしょうか。。
移住の費用、手間とかはどうしたの?自分?会社がサポートした?
移住の費用は大きなコストは会社に負担してもらいました。フライト・荷物の搬送・一時滞在の一部。手間、という意味では、基本自分で色々な手配は行いました。
大変だったこと、今ならこんな近道があるなどありますか?
大変なことはたくさんありましたが、近道は意外とパっとは思いつかないですね。。
38:47 移住した直後を思い返してみてどうでしたか?
率直に感じたこと
直後、という意味では、仕事と生活の基盤を整える事のバランスをどうとるか、子どもが環境になれるか、ということを心配していました。逆に「ついに海外にきた、やった!」というような喜びは、そこまで覚えてないですね。
大変だったこと(仕事、プライベート時間、心と体の健康など)
大きく2つで、
・仕事とプライベートのバランスをどうとって生活のリズムを築くか、
・子どもがあまりすぐには環境になじまなかったので、そこをどう解決するか
41:25 今だったら、大変だったことに対してどう対処しますか?
1点目については、生活の基盤を整えるためにやるべきことをもっと見える化して、何がまだ残っているのかを見えるようにすれば、もう少し精神的には楽だったのかと思います。なんとなく、生活を落ち着かせるためのタスクが延々と色々と湧いて出てくるような感覚があったので。
2点目については、もう少し、徐々に英語環境・イギリスの環境になじませていき、ケアしてあげるのがよかったなと思います。結構すぐに朝から夕方まで保育園に預けたりしましたが、そこはもう少しゆっくりの方が結果的に速くなれたのかなと思います。
43:26 よかったこと
直後に関して言うと、
仕事:やはり多国籍のチームで何かを作っていく、海外のクライアントやパートナーといわば議論を「やりあう」ことなどやりがいはありました。
プライベート:やはり東京よりもゆるーい空気が流れていますし、皆子育てを助けようという風な風潮や、子どもに寛容なところは来てよかったなと思います。
45:01 今、日本ではない国で生活、仕事してどう思いますか?
経済面
物価の高さには未だに慣れないです。苦笑
イギリスは金融緩和が非常に進んでおり、きちんと貯蓄・運用するとメリットは大きそうなので今後頑張りたいな、と思っています。
精神的
現状特に辛い、帰りたい、という気持ちはありませんが、精神的に落ち込むと結構どうリカバーするか、というのは難しいだろうな、と思います。というのも、私が住んでいるところは日本人コミュニティも小さく、0からの他の家族や人と関係を作っていくことになるので、助けを求めにくい、気を遣わずに時間を過ごせる友人を見つけにくい、などあるからです。
48:48 得た学び、成長はありますか?
特に海外で働くという文脈でいうと下記です。
仕事:
You can never “over”communicate when you work outside of Japan.
Pick the place where you can shine. 自分が特に価値を出しやすい領域が何かをよく考え、そこにフォーカスして仕事を探す・するべし
プライベート:
子どもにできるだけ愛情表現をする
Enjoy the uncomfortable and the different. 色々と居心地の悪い状況になったり、今までとは異なる状況になることもあるけれど、それをむしろ楽しむマインドセットは大事にしています。シリアスな感じではなく、例えば、子どもの誕生日パーティーとか、イギリスの天気とか、何回も催促しないとなかなか動かないことなど。
56:41 海外で働くことに興味を持っている視聴者たちへのメッセージ
海外で働こうと行動を起こすことにダウンサイトはほとんど無いんじゃないかと思っています。なので、興味を持っているのであれば、とりあえず英語の勉強を始める、周りの人に海外で働きたいと日常的に発信する、面白そうな求人があれば募集してみる。どういうビザが取りやすそうか調べてみる、などとりあえず動き始めるのをお勧めします。確実に年を取ってからの方が色々な面で難しくなるのでなるべく早いにこしたことは無いかと思います。
番組で話している内容と時間
3:41 学生時代の海外経験
4:27 今までのキャリア
10:46 自分の軸はいつ見つけたのか
12:20 今までのキャリア
24:38 英語はどのようにして身につけたの?
26:55 日本人であることで価値を発揮できるポジションにいることで輝きやすい
28:32 いつ頃から海外で働きたいと思うようになったのか?
30:47 海外勤務を考えてからチャンスを得るまでの期間
31:15 海外で働くようになったきっかけ
32:45 チャンスを獲得するためにしたこと
32:32 VISAどうしたの?
36:58 海外に移住すると決まったからやったことありますか?
38:17 移住の費用、手間はどうしたのか
38:47 移住した直後どうだったのか
40:18 生活が落ち着くのにかかった期間は
41:25 今だったら、大変だったことにどう対処する
43:26 移住当初、よかったこと
45:01 今、海外で生活、仕事してどう思いますか?
48:48 得た学び・成長はありましたか
56:41 視聴者たちへのメッセージ
関連リンク
note: https://note.com/shoeg/
Apple Podcast: https://apple.co/3HHlqxK
Spotify Podcast: https://podcasters.spotify.com/pod/show/kaigaihatarakuhito
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