属人的なビジネスは継続が大変である。
はっきり言って、属人的なビジネスは非常に継続が難しい。属人的なビジネスは、ポリシーに反するかもしれないが、マニュアルとルールに乗っ取り簡素化しなければ衰退を辿る一方であると、私は思う。
○○職人といった職人技を持つような方々を主軸にしたり、美容師のようなとある人のセンスによって支えられている事業というのは非常に格好良いものであるが、何十年と継続することは非常に難しいのである。
私自身学生時代より靴磨き職人を目指し、実際靴磨き職人となった。神戸最高級ホテルで靴を磨き続けている。ありがたいことに月に1回、定期的に磨きに来てくださるお客様が多数いたりする。やっぱり村上さんに磨いてもらうと全然違うわ~、と。今まで努力してきたことが報われるようで非常に嬉しいものである。しかしこの言葉は同時に、私以外の誰かに磨かれたいと思わない、という意味でもある。実際、私が店頭に居ない時は売り上げが下がることが多かった。
私は属人性が高いビジネスにおいて、ある技術を高いレベルで保有している個人や、カリスマ性、センスを持つような方々のことを「スーパースター」だと考えている。スーパースターは味方にいるときは非常に心強いものであるが、時と場合によっては敵に回ったりすることもある。さらに言えば、スーパースターは未来永劫存在するものではない。いつかは引退等様々な理由により表舞台からいなくなる宿命にある。
ではスーパースターがいなくなるとどうなるのか。ドラマやアニメ作品ではおなじみのことだが、守られなくなり、世の中が混乱してしまう。会社においては簡潔に言えば、会社が回らなくなるのだ。
属人性の高いビジネスの良いところは、専門性の高いところにあると思う。例えば職人でいえば、数多くの会社から断られたような難しい仕事でも引き受けてもらえたり、熟練しているからこその美しい所作やこだわりを見られたりなどがあると思う。
しかしビジネスとは(諸説あるが)busyから派生している言葉であると言われている。busyは単語帳では忙しいという意味だが、本当のニュアンスは少し異なっており「忙しいが続く」「熱中し続ける」という意味であり、要するにビジネスで最も重要なことは「継続」であるという事が読み解ける。
属人的なビジネスは、素晴らしいサービスを提供することが出来る一方で、圧倒的に継続が難しい。継続が難しいと結果、サービスが無くなってしまい顧客はがっかりしてしまうものである。属人的なビジネスは継続が非常に難しい。だからこそ、マニュアルとルールによって誰でも出来るように簡素化することが先決で、その後に少しずつサービスを改善していくことが重要なのである。
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