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古文字あれこれ【宇宙】その1

こんにちは、書道玄海社・師範の加藤双涛です。
こちらでは、シリーズで「古代文字あれこれ」について綴っていきたいと思います。

はやぶさ2

小惑星探査機「はやぶさ2」が12月6日に地球に、小惑星「リュウグウ」の地下20mのところから採取した石や砂が入っているカプセルを持ち帰るとのニュースが流れています。以前に話題となったS型小惑星のイトカワよりも太陽系形成初期の有機物や含水鉱物をより多く含んでいるようで、太陽系の成り立ちや地球上の生命のみなもとを解き明かす手掛かりが得られるかもしれないと期待されています。「はやぶさ2」はこれまでに約50億㎞という信じられない長さの旅をして、この史上初の奇跡的成果につながったとのことですから、驚きです。

宇宙の古文字

宇宙は空間的にも時間的にも人智を超えた広がりをもっており、“宇宙”の2文字は共に宀(べん)をもっています。宀(べん)は建物の屋根を意味し、共に空間的な広がりを示していますが、のちに分かれて“宇”が空間的、“宙”が時間的広がりを示すようになったといいます。左図は“宙”の甲骨文字のいろいろで、ここで宀(べん)は天空の広大さを示すといわれています。“由”の字源ははっきりしませんが、瓢の中身がぬけてからになったものともいわれています。

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古く老子は、小手先の人智を嫌って自然のままに生きることをよしとし、「道」と称しました。ここに“自然”とは、太陽を中心とする地球上のありのままの自然で、人の生き方もこれにならうのを最上としました。これを発展させると、宇宙を動かしている原理・法則を統括する“法”があるとして、それに従って生きる道をよしとすることにもなろうかと思います。

古文字を画く

十数年前に米軍横田基地のRobさんに依頼されて基地内に書道クラスを開設しましたが、そのころRobさんが書いた文字が、写真の「宙」の甲骨文字です。Robさんは、宀(べん)に相当する屋根の部分をワイドに書き、宇宙の広がりを表現してみせました(下図)。Robさんは気象衛星からの画像を使って気象の予測をする気象学者(Space Scientist)で、米国に帰られてからのRobさんとは長い間音信普通になっていましたが、ひょんなことからLinked-Inを通して最近つながり、近影が送られてきました。「はやぶさ2」の奇跡のおかげかと思っています。

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