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きっと何度も思い出す、一瞬のこと。『FEEL FREE vol.4』編集後記
SHODENSHA COMICSの読切デジタル誌『FEEL FREE』の最新第4号が、LINEマンガにて配信スタートしました!
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前号に引き続きvol.4に収録の3作品について、制作うらばなしや編集秘話などを担当編集者が語り尽くしていきます。
きっと何度も思い出す、一瞬のこと。
今回集まった3つの短編は、どれも少しスローなテンポでありながら、生きていてふと感じる”痛み”や絡まり”を描いた物語です。
その絡まりを誰かとの出会いや、関わり合いの中で丁寧にほどきながら、それぞれの”あたたかさ”の中への帰っていく。そんなキャラクターたちの等身大の姿に背中を押されたり、自分を重ねたりしていただけたら、と思います。
ささやかで、大切な日々のことを、きっと何度も思い出す。
3名の作家さんたちが導き出す、3つの「こたえ」があなたの心に響くことを願っています。
■『ねこのいぬ間に』 うひじ先生
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学生時代の、とげとげひりひりした空気感をこんなにも繊細に描けるなんて…とネームを頂いたときからずっと感動していました。物語が進むたびにふたりが一緒にいる必然性を感じて、嬉しくも切ない気持ちになります。このお話は男女2人でも、女子2人でもなく、男子2人だからこそより強く、魅力的に見える関係性を描いたお話だと思っています。冒頭で岡部が「キャベツウニ」のボケをするシーンが大好きなのですが、クラスメイトから「おもんな」と即却下されていて「なんで!?」となりました。タイトルに「ねこ」と「いぬ」を入れたかったので、「居ぬ」と「犬」をかけ、だじゃれ仕様に。作品の雰囲気に合っていてとても好きです。(川端)
■『いつか、いつかな』 路田行先生
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プロポーズをする日って、平凡に見える日々を送る人たちにとっても、かなりドラマチックで”主人公感”のある一日なのでは?と思うことが多々あり「”プロポーズ”を題材にしたお話を描いてみませんか?」と先生にお願いしました。ネームを頂いたときは、あまりの愛おしさと尊さで胸がいっぱいになり、デスクで叫び出しそうになりました。路田行さんの作品は、王道ではない、時に回り道のようなルートを経由しながらも、最後には王道のハッピーエンドに辿り着くところが魅力のひとつだと思っています。小物など、細かい描き込みにも路田行さんの血が巡っているのが伝わる一作です。ぜひスマホやタブレットで拡大しながら読んでみてください。(川端)
■『あの子が私にくれたもの』 カニマスクキミヨ先生
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カニマスク先生の描く、もふもふのたぬきがとにかく可愛いです!ただ見た目が、というだけではなく、会話の中での反応や椅子を運ぶ仕草など、動作ひとつにも人間味というか、”生きている”感が溢れていてすごくキュンキュンします。描かれている内容の本質は少しヘビーなのですが、それがやわらかいもので包まれていて、読後感はとてもあたたかいです。失恋したとき「早く次の男見つけよ☆」という流れもありますが、恋愛で負った傷は必ずしも恋愛で癒えるとは限らないのではないかなあとも思います。この物語を必要としている読者の方に届いてほしいです。ちなみにタイトルは、JITTERIN'JINNの『プレゼント』の歌詞をもじりました。(川端)
過去3号分の読み切り作品は、各電子書店にて絶賛単話配信中です。
ぜひ併せてお読みいただけると嬉しいです!
FEELwebでは冒頭試し読みも公開しておりますので、よろしくお願いいたします。
(おまけ)
それでは最後に、最近すてきだったものを紹介します!
年明けからSHODENSHA COMICS通信を更新できていなかったので、自己満足ですが代わりに書き残せたらと思います。
✴︎音楽『いきものがかり meets』
いきものがかりの名曲を12組のアーティストがカバーしたアルバム。全曲最高なのですが、中でも伊藤沙莉さんとハンバートハンバートの『なくもんか』が良すぎてはじめて聴いたとき泣きました。別の人が歌うことで、いきものがかりのまっすぐに優しい歌詞を改めて噛みしめることができます。
✴︎ドラマ『不適切にもほどがある!』
第1話の居酒屋のシーンで役者さんたちが歌って踊り出したとき「変なドラマだ!」ととても嬉しい気持ちになりました。毎話白旗振りながら観ています。河合優実さん、最高だ…。私はこの物語を、”変わらない大切なもの”のお話だと思っていて、それをちゃんと見極められる人でありたいです。
✴︎映画『哀れなるものたち』
何かを作りたいと思う原動力のひとつに、”怒り”があると思うのですが、それを非常に感じる作品でした。その怒りの行き着く先が綺麗事ではないというか、痛快に、皮肉やユーモアを交えながら物語が収束していくので、主人公と同じ女性としてとても誇らしかったです。
✴︎アニメ『ハズビン・ホテルへようこそ』
アマプラ限定のカートゥーン作品。R指定がついているので内容はかなり大人向けです。地獄で生きる人たちを必ずしもポジティブな言葉で励ますのではなく、"地獄にいるもの同士"で支え合う姿に勇気をもらいました。英語版字幕で観ることをおすすめします!歌がよすぎ!
✴︎舞台『最高の家出』
ロロの三浦直之さんが作・演出を手掛けられた舞台。主演は高城れにさん、音楽をceroの荒内佑さん、衣裳を伊賀大介さんが担当され、とにかく贅沢な作品でした…。三浦さんの描く、へんてこでまばゆい、刹那的な友情を描いた物語が大好きなので、それをめいっぱい体感でき感無量です。
✴︎書籍『鼻を食べる時間』
かが屋の加賀翔さんと放送作家の白武ときおさんが詠まれた”エロ自由律俳句”をまとめた一冊です。ダウ90000の蓮見さんや春とヒコーキのぐんぴぃさん、東直子さん、穂村弘さんの作品も載っていてめちゃくちゃ豪華です。読み手の想像力が問われるので、テーマに反してなんて上品な本なんだ…と思いました。
✴︎オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム
奇跡的にチケットが当たって行ってまいりました。夢のような時間で、思い出すと泣きそうになります。ラジオを聴くときはいつも独りですが、会場へ行くと信じられない人数のリスナーがいて、それだけでもう胸がいっぱいでした。いつもは見えないけれど、ラジオの向こう側にたくさんの仲間がいることを実感しました。ラジオ最高!
FEEL FREE、noteの記事共々、引き続きお読みいただけると幸いです!
次回もお楽しみに!