1985 Vol.2〜スクリッティ・ポリッティ
さて1985年といえば、真っ先に思い浮かべてしまうのがこのアルバム。
スクリッティ・ポリッティの「キューピッド&サイケ 85」です。何と言ってもタイトルに「85」ってありますからね。
でもって、このアルバムの発売当時の広告がミュージック・マガジン85年7月号の裏表紙にありました。
「この美しい生き物は一体誰?」!?(グリーンです)
いやぁ〜、スクリッティ・ポリッティってヴィジュアル系だったんですね(笑)デュラン・デュランの次はこれ!って感じだったのでしょうか。
よく「時代を超えた名盤」という表現がありますが、このアルバムに関しては強烈に80年代という時代を感じさせて、なおかつその完成度の高さに圧倒されてしまうという稀有な例です。もっとも後追い世代の人がどう感じるかは正直わかりませんけど。
イギリスの若者が現地のニューヨークに渡り、ヒップホップの衝撃を受けて作った、という意味では佐野元春のヴィジターズの様な突然変異的なアルバムかもしれません。
ヘッドホンで聴くと緻密に組み立てられたシンセのプログラミングの技に圧倒されてしまうんですよね。大胆に左右に振り分けられたステレオのミキシングも物凄くスリリング。
84年ぐらいから発表していた輸入盤の12インチシングルの段階で、すでに日本の音楽業界への影響は絶大だったと解説で小倉エージさんも指摘しています。実際にはロックの人たちよりも、むしろ歌謡曲のアレンジャーへの影響だったらしいですが。
この時代ならではのシンセ音で埋めつくされているのに、ちょっとしたセンスの違いでこんなのにも聴きごたえのあるものになるのかと驚きです。アレンジやサウンドの方法論も含め、個人的にもかなり影響されたアルバムのひとつ。
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