ゴー・ビトウィーンズの歌心

THE GO-BETWEENS 「1978 - 1990」(1990) 

 そういえば昔、これと同じ写真のVHSテープも購入していたことを思い出しました。ちょうどフリッパーズ・ギターがデビューしてお洒落なビデオ・クリップ集なんかを出していた頃。で、そういうのを期待したら、メンバーのロバート・フォスターがオカマっぽいルックスでクネクネ踊る曲の気持ち悪いことなんのって。こりゃ全然ネオアコでもなんでもないぞ、とその時はめちゃくちゃ後悔したものの、買ったからには何度も我慢して観ていたら...ハマった(笑)

初期の無骨でパンクっぽい風情から、徐々にカドが取れてアコースティックな響きを中心にした牧歌的なポップ・サウンドへ。決して技巧的とはいえないバンドとはいえ、例えばコードが2つしかない「BYE BYE PRIDE」のような曲でも、その溢れ出てくるような「歌心」で最後まで聴き入ってしまいます。

ベル・アンド・セバスチャンが彼らをリスペクトしていたりとネオアコ周辺ではカルト的な人気のあるバンド。とはいえ、僕には彼らがその才能に見合うだけの音楽界での成功を収めていたとはとても思えませんでした。それだけにロバート・フォスターと並ぶ名ソングライター、グラント・マクレナンが48歳の若さで亡くなってしまったのはとても悲しくて。

しかしその後、彼らの地元のオーストラリアのブリスベンで、そのバンド名にちなんで「ゴー・ビトウィーンズ・ブリッジ」という橋の名前がつけられたという小さなニュースには、ちょっと心が救われました。ブリスベンの市長さんは、彼らの音楽のファンだったのです。

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