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この記事は、建設・内装・イベントの現場をDXしている株式会社SHO-CASEの公式noteです。


建設業界で「安全書類」の作成に携わったことのある方や
これから携わる可能性のある方に向けて執筆した記事です。

建設業界で働いていると、避けては通れないものが「安全書類」です。

ひとことで説明すると、
現場に関わる人や、持ち込む車両・機械などの細かな情報が盛り込まれた分厚い書類の塊」です。

建設業の方は何度も聞いたことのある名前ではないでしょうか。
営業さんだったり、現場監督さんだったり、事務員さんだったり、
担当される方は会社によってさまざまかと思いますが、

・そもそも、この「安全書類」とは何なのか?
・何のために多くの時間を使って準備をしているのか?

ということを「ちゃんとお伝えしたい」という想いから執筆しました。

字のごとく「安全」に関わる書類なので、法的な要素も絡んでいます。
とても細かく複雑な内容でもあるのですが、なるべく読みやすいように簡潔にまとめましたので、最後までご一読いただけたら幸いです。

安全書類って何?

そもそも日本の法律には「安全書類」という言葉は無く、「安全書類」を作りなさいという法律もありません。
いわゆる業界で呼ばれる「施工体制台帳」や「再下請通知書」,「新規入場者アンケート」など、工事現場の安全対策を講じるために用意するべき複数の書類ことを総じて「安全書類」と呼びます。
大きくは「建設業法」と「労働安全衛生法」に基づいて「安全書類」を作成する必要性を判断し、建設業界では一般的に「安全書類」の運用がされています。(していない会社もあります。)

基本的に元請け会社がスタートで作る必要があり、1次→2次・・・と下請けの企業へ作成を依頼していきます。
がだいたいが1次下請け業者が2次や3次の分もまとめて作成しているパターンが多いです。
下に行けば行くほど書類作成の使命感は薄れていくため、元請会社と直接取引のある1次下請け業者が責任をもって作成をしているケースが多く、1次下請け業者に最も負担の大きい業務です。
元請け会社からの依頼方法も会社や担当者でバラバラでメールで丁寧に依頼をしてくる人もいれば、現場直前に忘れていたからと云って雑に依頼してくるような場合もあります。

インターネットで「安全書類」と検索すると色んな会社が解説してくれている記事がたくさんありますが、肝心の国交省がなにかしらの定義をしてくれているわけではありません。
あくまでも業界の中でいつの間にか当たり前となった
「工事現場で事故が起きた際に自分たちを法的に守るために作る書類たちの呼び名」
にすぎないのです。
なのでその解釈は人によって、会社によって定義が異なる場合があります。
ここからはなぜ「安全書類」を作る必要があるのか、法的な観点で解説していきます。

なんで安全書類を作らないといけないのか

なぜ安全書類の作成をする必要があるのか
それは
法律でこれらの書類に書かれてある項目を管理しなさい」と書かれているからなんです。
ではその法律とは何か、それが「建設業法」と「労働安全衛生法」です。
日本に法人各を有する企業であれば、日本の法律に則って会社を経営しなければならないことは云わずもがなです。
その上で建設事業社が守るべき指標として法律があるため、「建設業法」と「労働安全衛生法」を良く理解しておく必要があります。
そのため法律を遵守する観点から云うと
「安全書類」の作成は基本的にすべての現場で必須業務となっています。
なので今現時点で「安全書類」を運用していない元請会社がいたら、OUTです
嘘です。OUTではないですが、限りなく危険な状態だという認識でいてください。
下記に現場で法的に確認したいといけない項目と、それらをまとめる書類の一般的な名称、そしてその条文の根拠を、わかりやすく表にしたので参考にしてください。

安全書類作成における法的根拠

ここからはe-Govを参考に、2024年6月末時点の法律の内容から解説していきます。
※e-Gov(イーガブ)・・・行政情報の総合的な検索・案内サービスを提供するデジタル庁運営のポータルサイト

①施工体制台帳

ではまず「安全書類」の中でも特に代表的なものとして良く名前に出てくる「施工体制台帳」から詳しく見ていきます。
まず建設業法:第24条-8に「施工体制台帳」について記載があります。

ここで云う「特定建設業者」とは「特定建設業許可」を有する企業のことを指します。
そして第一項にはっきりと
施工体制台帳を作成し、工事現場ごとに備え置かなければならない。」と書かれています。
じゃあその「施工体制台帳」って具体的にどんな項目を書けば良いのか、
というのが建設業法施行規則:第14条-2項「施工体制長の記載事項等」
に書かれています。(めっちゃわかりづらいですよね。)

※一部抜粋です。この条文はもっと長いです。

施工体制台帳作成の基準となるのが、第24条の8第1項には「政令で定める金額以上になるときは、建設工事の適正な施工を確保するため~」と書かれており、政令で定める金額が、施工体制台帳作成の基準になると書かれています。
ではその金額がいくらなのか、それは下請代金の額が4,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)を超える場合です。
※2024年6月時点
※上記金額の定めは、令和5年1月1日に制定されました。(詳しくはこちらをご覧ください)

なのでまずは自社の工事が4500万円以上の受注の現場であれば、無条件で「施工体制台帳」の作成・運用が必要になってきます。
余談ですが、これらの「施工体制台帳」の保存方法や運用方法についても建設業法施行規則:第14条-2項に記載があり、決して紙でないとだめという記載はなく、電磁機器での保管もOKと書かれているため、昨今の書類の電子化には法律が対応していると云えます。なので紙じゃないといけないと思っている方はこの認識を改める必要があります。電子でも法的にはOKなのです。(以下参照)

②労務安全書類

では次に、「労働安全衛生法」上必要な書類について解説します。
「労働安全衛生法」は建設事業社問わず、すべての日本企業が守るべき法律であり、違反をしていた場合のリスクはとても大きいです。
「施工体制台帳」とは違って「労働安全衛生法」上必要な書類については、条文に明確に書類の名前が書かれていません。あくまでも管理すべき項目の根拠が書かれてあるだけです。
なので法律面から入って解説した方が分かりやすいと思い、

  • 「書類名」

  • ⓪管理項目

上記2つの書き方でまとめていきます。

「新規入場者アンケート」

⑯健康診断受診日
▶労働安全衛生法第65条

▶労働安全衛生規則第44条

⑰送り出し教育実施日
▶労働安全衛生法第59条-3

⑱新規入場教育実施日
▶労働安全衛生法第30・60条

  • 30条

  • 60条


▶労働安全衛生規則第35・638条

  • 35条

  • 638条


「情報漏えい防止誓約書」

⑲情報漏えい
協力会社における情報セキュリティガイドライン
【出典:(一社)日本建設業連合会】


「KYシート」

⑳危険予知活動
▶労働安全衛生法第65条

「現場日誌/工事日報」

㉑作業連絡/作業間調整
▶労働安全衛生法第24・30・65条

  • 24条

  • 30条

  • 65条

▶労働安全衛生規則第636条

「有機溶剤持込届」

㉒有機溶剤持込
▶労働安全衛生法第57条-2

「火気使用願」

㉓火気使用
▶労働安全衛生規則第279条

「高齢者/年少者就労者適正配置」

㉔適正配置
▶労働安全衛生法第62条

▶労働基準法第56

  • 56条

以下参考法律↓
e-Gov:労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)
e-Gov:労働安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第三十二号)

まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございました。
とてもボリュームが多い内容だったと思います。
なんとなく現場で運用している「安全書類」も、法的な視点からその意味が分かると、取り組み方や姿勢も変わってくると思います。
弊社が開発している、施工現場の労務管理システムは比較的中小規模の現場向けに作られたプロダクトです。
労務安全書類の中の人に基づく情報をカバーできているプロダクトとなっています。

展示会や内装工事では安全書類を運用している会社が少ないと思います。
せめて現場で作業する人の情報の管理くらいは運用しておけば、何か現場で事故があった時に、事故に合われた方の情報をいち早くキャッチすることができます。
面倒だからやらない、事故なんて起きないだろうという安易な考えが、会社のリスクとなっていることを再認識していただけましたら幸いです。


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内装・イベント業界の現場監督出身の代表が
「工期が短い内装や展示会の現場が抱える業界特有の課題を解決したい」
と思い、開発したのが自社プロダクトの「SHO-CASE」です。

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