2024夏・ヨーロッパ旅行記 Day4
7/28(日)
ぐっすり寝て9時ごろに目を覚ました。カーテンを開けると光が差し込んできて、遠くには地中海のブルーが見える。プールでひと泳ぎした後に朝ごはん。コーヒー、スクランブルエッグ、サンドイッチ、ギリシャヨーグルトと最高の朝食だった。
その後、昨日パーティーをしていたビーチへ行くと、すでに多くの人で賑わっていた。水はとても透き通っていて、水温もひんやりしていてとても気持ちいい。泳いでパラソルの日陰で休んでを繰り返して、ゆっくりと時間が過ぎていった。
夕方に家に帰ってシャワーを浴びてしばし休憩。19時に家を出て、スーパーでビールとスナックを買って夕日が見えるビュースポットへと歩く。少し登るとビーチが一望できてとても綺麗だ。荒々しい崖と透き通るブルーの海を見ていると、自然の偉大さを感じた。
頂上に着くと乾杯をして色々な話をしていた。お互いの国の経済や税金の話などテーマは多岐に渡ったが、プラハで出会ったザックとゼフラ同様、アンナもフセインも時事問題を把握した上で自分の意見を持って議論ができて素晴らしいと思ったし、同年代の日本人を思うと大きな危機感を覚えた。
フセインがこれまであまり話さなかった自身の過去について話してくれたが、かなり壮絶で聞き入っていた。彼はシリア出身で、クウェートやトルコ等を転々とした後に18歳でフランスに来てそこから5年が経つ、という略歴だったが、父親の仕事関係で国を出なければならなかったという話だった。
彼の出身のシリア南部は有力な家系が政治・経済でも力を持っている世界で、彼の祖父がかなりのお偉いさんで彼の父や叔父も権力を持っていたという。政府に対抗するために武器の密輸等かなり際どいこともやっていたらしいが、その影響で国を出なければならなくなったそうだ。
彼は祖国に帰って国を良くしたいと考えていたが、金があれば(殺人や誘拐といった非人道的なことも含め)なんでもできる世界の現実を前に諦めざるを得ず、フランスで生きることになったと話してくれた。
他にも色々と深い議論をしていて、例えば「日本は原爆を落とされたのにどうしてアメリカと仲良くできるのか?」とか、かなり内容の濃い議題もあった。いずれにしても、自分の意見をしっかり伝えるには、まずは今起こっていることやそこに至るまでの歴史や背景を知っていることが前提であり、その上で自信を生まれ育ってきた環境といった文脈を照らし合わせることが必要であり、しっかり勉強しようと思った。
頂上で話し込んですっかり陽が沈んだ21時ごろ、夜ご飯を食べるためにレストランへと歩き出した。レストランではmoussakaというラザニアのようなギリシャ料理を食べたが、とてもおいしかった。
フランス時代の話になり、「学校にいた他の日本人がシャイで全然人と関わらないタイプだったのに対して、ショウは日本人なのにすごく外交的だしみんなと仲が良くて、本当に人間関係を構築するのが上手だったよね」と言ってくれて嬉しかった。
3人は同じクラスだったので、他のクラスメイトや寮の友達の話で盛り上がっていた。フセインがお金がなくて友達もいなかったモンペリエ時代、アンナが見返りを求めない形で寄り添ってくれて、本当の友情を感じたと言っていた。気づけば他のお客さんはみんな帰っていて、0時すぎにお会計をしてから暗い夜道を酔っ払った状態で歩いて帰り、すぐに床に就いた。