2024夏・ヨーロッパ旅行記 Day2
7/26(金)
3時に目が覚めた。仕事を少しした後、シャワーを浴びて4時半に出発。ヤルツィンのシフトがとても早い時間のため、一緒のタイミングで空港に送ってもらった。
ゲートに入場すると、彼の仕事場に案内してくれた。コネクションフライトを調整するのが彼の担当で、5つのモニターに目をやりながら管制塔や搭乗ゲートと連絡を取り合い、ものすごいスピードで仕事をしていた。これだけ多くの人が関わる中でしっかりとオペレーションが回っている空港ってすごいなと感じると同時に、それを支えるシステムを作る人に尊敬の念を抱いた。
彼の同僚たちもフランクに話しかけてくれたが、そもそもこのような部屋に友人を連れてくることが日本ではあまり考えられないと感じたし、このリラックスした感じがいいなと思った。6時すぎに彼に感謝の言葉を告げ、次の目的地であるプラハ行きのフライトの搭乗ゲートに向かった。
機内ではおもむろに日記を見返していて、旅を終えて帰国してから今の会社に入るまでの日々が鮮明に思い出された。当時はただの無職でだらだらしている日も多かったが、それも含めて人間らしいし、充実した日々だったなと振り返っていた。
隣に座っていたおじさんが「どこ出身?」と話しかけてきて、そこから到着するまでずっと話していた。彼はイスラエル人の土木工学エンジニアで、バケーションで1週間ほどヨーロッパを旅していると言っていた。去年のアメリカ旅行がとても楽しかったらしく、写真を見せながらとても楽しそうに話していてくれた。
空港に着いたら72時間乗り放題のチケットを買ってバスで市内へ。バス・トラム・メトロすべてで使えるという単純明快なシステムでいいなと思った。バスやトラムから外の景色を見ていると、建物はおしゃれだし、ガーデニングだったりで細かい部分まで美しく整えられていて、とても綺麗な街並みだ。
トラムを降りるとそこには西欧でも東欧でもなく、両者の良い部分を合わせたような「中欧」の雰囲気が広がっていた。天気も良く本当に心地いい。至る所で写真を撮りながらホステルに向かった。
チェックイン前なので荷物を置いて10時半から始まるウォーキングツアーに小走りで向かう。街のアイコニックスポットであるカレル橋はとても素敵な雰囲気だ。10分遅れでツアーの集合場所に到着しガイドの説明を聞いていたが、なんというか人と一緒に動く気分ではなかったので結局1人で観光することにした。
観光客でぎっしりのトラムでプラハ城へ。綺麗ではあったが、やはり一緒にこの景色を共有する人がいないとあじけない。前は一人旅でももっと楽しめた気がしていて、それこそ大学2年の時に初めての海外一人旅で訪れたポルトガルでは、五感を通じて入ってくる全ての情報がスーッと体内に入っていく感じだったし、感性が鈍ってしまったことに対して悲しくなった。
特に何をしようか決めないままメトロに乗って2駅移動し、お腹が減ったのでお昼を食べることにした。以前ならその地ならでは料理を食べるために良いレストランに行っていたが、エネルギーが湧いてこない。無性にマックが食べたくなったのでマックに向かった。たくさん歩いて疲れたので、ハイカロリーのものを食べながら携帯と体力を充電していた。お昼を食べてもエネルギーは復活せず、一旦横になりたいと思いホステルに戻ることにした。
GoingSoloで何人かに飲みに行こうと連絡したら、スロバキア人の女の子から返信が来た。仕事が終わった後で遅くなると言うので、ひとまず一人でビアホールで飲もうとホステルを出た。カレル橋を渡ったところに良さげなビアホールがあり、Googleマップのレビューもいい感じだったのでそこに入ることにした。
店内で飲んでいたが、かなり暑いしやっぱり外で飲みたいと思ったので、2杯目を注文するタイミングで店員に席を移動できないか頼んだ。外の席は満席だったが、中国人カップルと相席させてもらうことになった。彼氏は自動車会社で働いていて、以前Huaweiにいた頃はノルウェーやフランスでも働いていたらしい。彼女は日本に10回以上行ったことがあり、年に2回は二人で海外旅行に行っているというので、かなり裕福なのだろう。二人の馴れ初めを尋ねるとワインのテイスティング教室で出会ったらしく、そこから色々な話題で盛り上がり終始楽しく話していた。これまで海外で中国人を見ると、失礼ながら直感的にネガティブなイメージがあったが、実際話してみるととても良い人だったのでこういう偏見は無くしていきたいなと思った。
1時間くらい話したタイミングで彼らは席を立ち、自分も今のグラスを空けたら別の店に行こうと考えていた。そのタイミングでアメリカ人女性2人組が再び相席する形で来たので、軽く挨拶を済ませつつ「これ飲み終わったら行くね」と言ってお会計をもらった。
お会計を済ませてそろそろ席を立とうと思ったタイミングで、「この方も相席いいですか?」と店員が一人の女性を連れてきた。彼女はまさかの日本人で、せっかくここで会ったわけだし、どんな人なのか気になったのでもう少しいることにした。彼女に円を渡す代わりに、彼女につけてもらう形でもう一杯頼んだ。
彼女はもともと中学校の教師をしていたが、辞めて英語を勉強するためにイギリスやマルタの語学学校に行っていたという。滞在中に色々な国に旅をする中で、特にフランスを気に入ったのでフランスに住む方法を模索したが、ビザ取得が難しかったため隣国でフランスにも行きやすいドイツで働くことにした。
日本食レストランでビザを出してもらえると聞いたので渡独したものの、そこの日本人オーナーがいろいろとヤバい人でめちゃくちゃブラックだったので2ヶ月で辞め、今は日本に帰る前にヨーロッパを旅しているという。旅先で出会う日本人は本当に様々な生き方をしていて、いつも自分の視野を広げてくれる。
彼女が先生を辞めたのは部活が忙しくて全然休みが取れないという理由だったが、アメリカ人女性2人組のうちの一人も同じく中学の先生をやっていたので、両国の学校事情についていろいろと話が盛り上がった。
アメリカの中学校では部活をやっている生徒は半数以下で、日本の先生が土日も部活で拘束されることはかなり奇妙だと言っていた。ただ、視点を変えると、例えば長期休みの期間に誰が面倒を見るのかという問題があり、親が働いていると誰も面倒を見れないので、お金を払ってサマースクールやキャンプに行かせる家庭が多いと言っていた。
このエピソード然り、一つの物事でもさまざまな視点から捉えることでいろいろな考え方があり、多くの話題について議論するのはとても楽しい時間だった。結局会計をもらってから3時間くらい経っていて、スロバキア人の女の子から返信がなかったのでホステルに帰ることにした。
日付が変わるくらいだったが、家族連れで小さい子も外を歩いていて、プラハの治安の良さを感じた。部屋に入ると他の人はすでにみんな寝ていて、続く形で眠りに落ちた。