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それでも私が現金で支払う理由
昔は借金をしないという意味で「いつもニコニコ現金払い」なんていう言葉がありました。
今はクレジットカードや電子決済の普及で、現金払いをする機会は減りましたね。
しかし私は"いつも"というわけではありませんが、今でもよく現金払いをします。
例えば今日出かけた先でも、数万円程度の支払いをする場面がありましたが、そこでもやはり現金で支払いをしました。
念のため店主と思われる男性に、
「現金払いの方がいいですよね?」
と声をかけてみました。
最近よく見る「キャッシュレス消費者還元5%」のシールがレジに貼られていましたので、そのあたりで自分の知らないルールがあるかもしれないと思ったためです。
しかしやはり
「嬉しいのはやっぱり現金払いですけどね」
と、おっしゃいました(少し遠慮がちに)。なぜでしょうか?
ご存知の方ももちろん多いとは思うのですが、クレジットカードで支払うとお店の方が決済手数料を負担されます。
私もそこまで詳しいわけではありませんが、業種によって手数料率が異なるそうです。
簡単にWeb検索などして調べたところ、小売店ではだいたい4%という記述を複数のページで見ましたので、仮にそれを正しい数字として話を進めます。
例えば10万円の買い物をして、5%の還元を受ければ私は5000円の得になります。
前述のようなキャンペーンがなければ、通常はクレジットカードのポイント還元で1~2%程度でしょうか。それでも1000~2000円程度の得となります。
しかし一方で、お店の方は4%をクレジットカード会社に支払うので、4000円の損をすることになります(その分クレジットカード会社が得をすると言えるかもしれません)。
それを考えた上で、自分の得を取るか、お店の方の得を取るかを考えて、現金・クレジットカードのいずれで支払うかを決めるようにしています。
今日利用したお店は、店主と思われる方が店頭に立たれている小さなお店でした。
初めてお店を訪れた私に丁寧に商品の説明をしてくださった上で、その場で25%程度の値引きを提案してくださいました。
そこで私はそれ以上自分が得をするよりも、ここは気持ちよく現金で支払いをしようと思ったのです。
なお値引きの有無に関わらず、私は経営者やその親族の方の顔が見えるお店では、なるべく現金でお支払いするようにしています。
自分がお店の経営者であれば、そのようにお店の目線で考えてくれるお客様は、より大切にしたいお客様と思うかもしれません
(現金払いか否かだけではなく、こちらの立場に立って考えてくれる人には、公私を問わず良い感情を抱くものではないでしょうか)。
余談になりますが、小さな書店などが「万引きのせいで潰れる」などといった話を聴くことがあります。その理由を数字で説明してみます。
雑誌などの粗利率(つまり売値から仕入れ額を引いた金額の、売値に占める割合)は22%程度。計算しやすくするためにここでは20%としましょう。
すると500円の本を売って、利益は100円ということになります。また500円の本を仕入れるのに400円かかっていることになります。
つまり本を1冊盗まれると、本を4冊売った分の利益が失われるということです(仕入れ原価の400円を盗られたことになるため)。1冊盗まれたら1冊分の損というような話ではないことがわかります。
もちろんこれは粗利だけの話であり、テナント料や人件費等のコストを全く考えない場合での数字ですから、それらを考慮するともっと大きなダメージになります。
話が少し脱線しましたが、私自身も自営業でして、こちらの立場に立って考えてくれる取引先の方は、やはり特別扱いをしてしまうことがあります。
現金で支払えば良いという話ではないのですが、できれば相手から特別扱いされるような人間になりたいですね。
皆様もひいきにされているお店などあれば、ぜひそのお店とより良い関係が築いていただけることを願っております。
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