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大阪教育大学の「OKUTEP」がなかなか良い学びになる件
大阪教育大学がオンラインの学習サイトの運営を始めました。
OKUTEPとは
ミッション
自ら学び続ける全ての人々のために
私たちが住む世界は日々急速に変化し、複雑さを増し、将来の予測が困難になっています。 このような時代に私たちが自己実現を果たし、自らの力で未来を切り拓いて行くためには、学び続け、成長し続けることが求められています。 OKUTEPは、学び続ける全ての人々のために良質なオンライン教育を自由に学習できるオープンエデュケーションとして提供します。
基本的には教員向けの学習プログラムがオンライン動画として準備されており、登録後に視聴することができるというものです。
デジタルバッジ制度
「OKUTEP」ではデジタルバッジシステムを採用しています。
これは動画視聴、小テストの受験などによって学習の履歴を証明するシステムです。
デジタルバッジには知識バッジと能力バッジの2種類が存在します。
知識バッジ
ビデオ教材や確認テストなどで構成されている20分〜35分程度の学習課題をクリアすると獲得できるバッジです。
能力バッジ
複数の知識バッジを獲得し、最終課題をクリアすると能力バッジを獲得することができます。 研修機関がオンラインコースの履修証明書を求めている場合は、この能力バッジを履修証明書として提出することができます。
こうしたシステムによって、教育委員会や各種団体が実施する研修と同等の効果があるということを証明するようです。
動画の種類と内容
動画の内容の多くは今日の学校が抱える総合的な問題や解決などが多いようです。
貧困と教育格差、地域連携や安全管理など近年特に注目されるものも多くそろっています。
これらの動画はパワーポイントなどを利用して作られたスライドを機械音声?が無機質に読むという形になっています。
動画の説明自体は決して悪くは無いのですが、人間的な応答に欠けるため長時間視聴すると退屈に感じたり、眠くなるように思いました。
とはいえ、従来の教員免許更新時に受けることができた講座を自宅などで手軽に受講できるというのは非常にありがたいでしょう。
専門教科の内容が手薄
一方で専門的な各教科ごとの内容はまだ動画が少なく、研修としては不十分のようです。
私の専門である数学は一つ、算数でも一つとコンテンツ量が圧倒的に不足しています。
この辺りが充実してくるとさらに良い学びが得られるように感じます。
一般向けの動画も存在
教員向けの動画とは別に一般向けの動画も存在します。
生徒向けには化学基礎と化学、それ以外にもGIGAスクールや日本語教育に関わる動画もあるようです。
とはいえこうした無機質な動画は生徒の需要に応えられているとは言い難く、あくまでもおまけという程度のものです。
コンテンツの充実に期待
このシステム自体は理想的な学びの場ではないかと感じました。
とはいえ、プラットフォームとして確立するためにはやはり専門教科のコンテンツの充実が不可避でしょう。
ただ、機械音声による読み上げでの動画コンテンツの作成の省力化はAIの普及によってさらに進む可能性を感じます。
まだすべての動画に目を通したわけではないので、まずは順次見ていきたいと思います。