原付きバイクというガラパゴス規格の終焉とその先
原付きバイク、販売終了
先日、原動機付自転車(原付きバイク)が販売を終了するというニュースが流れていました。
現在、国内で原付きバイクを生産しているのはホンダとスズキのみ。ヤマハもかつては生産していたが50㏄クラスの原付きバイクに関してはホンダのOEMを販売していました。
今回、生産を行っていたホンダ、スズキも生産終了を迎えることで、国内の50㏄バイクは新たに製造されることはなくなることになります。
なぜ原付きは生産終了するのか
なぜ原付きが生産終了になるのかというと、令和2年排ガス規制をクリアしていない車両は販売できなくなったためです。ただし、原付一種については、2025年10月末までは排ガス規制の対象となるのを猶予されていたため、現在まで継続生産されていました。
また車載式故障診断装置(OBDⅡ)の装備が義務化されたことから、小排気量の原付きを従来の価格で製造することが不可能になりました。
加えて原付きの需要の低迷があります。1980年代には年間150万台以上の出荷されてきた原付きも2023年には10万台を切っており市場は極端に縮小しています。
また50㏄という規格がアジア各国で販売されるバイクと比べて小さすぎることもあって完全にガラパゴス化していました。
市場縮小、設計から製造までのコストからメーカーは撤退を余儀なくされたということでしょう。
新基準原付き
ところが2023年末、警察庁が排気量125cc以下のバイクを「新基準原付」として、一般的な原付一種と同じ車両区分および免許区分とする方針を示しました。
これにより、2025年度11月以降、新基準に基づいた125㏄までのバイクは原付きバイクとして従来の原付き免許で運転が可能となるようです。
ただし、注意点があります。それは原付き免許で運転できる125㏄未満のバイクに関しては、最高出力を4kW以下に制御したもの、という条件が付加されるということなのです。
つまり125㏄のバイクの場合、店頭には出力制限有の原付き免許用のものと、出力制限無の小型二輪免許用の2種類が並ぶということになるわけです。(ちなみに原付き免許用のものの場合、従来の原付きと同様に速度制限30㎞であり、二段階右折が必要となります)
この出力制限に関しては従来のリミッターだけでなくソフト、ハード面で規制をかけて不正改造に対応するという話もあるようです。
原付きバイクに乗っていた過去
もう20年以上前に遡りますが、私もかつて原付きバイクを利用していました。最初に買ったのは高校2年の時、Live Dioというスクーターです。
最高出力は7馬力(5.1kW)、2ストローク(吸排気を2工程で行う)で、現行の出力規制された4ストロークモデルよりもかなり速かった記憶があります。これに乗って阿蘇や県境あたりまでぶらぶらしたのは良い思い出です。
その後、大学に入ってお金をためてApe50を購入しました。
こちらはマニュアルミッションで楽しかったのですが、Live Dioと比べてかなり非力であったため、運転するのに苦労した記憶があります。燃料タンクにもメーターが無く航続距離も目算で。セルモーターもついていないため足で蹴ってエンジンをかけていました。冬場はなかなかエンジンがかからず大変でした。
もう一度バイクに乗ってみたい気持ち
その当時憧れていたモデルや現代的なデザインのバイクを見ると、もう一度バイクに乗りたいという気持ちになることがあります。
今回の新基準原付きでホンダのPCXが出るとするとなかなか悩む可能性はあります。
とはいえこのサイズに4kWのエンジンではかなり非力であり実現性は低いように感じます。かといって教習所に通い直し、自動二輪の免許を取ってバイクに乗るかというと、それもまた現実的ではなさそうです。
まずは2025年以降の新モデルの発表を期待しつつ、静かに待ちたいと思います。
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