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【題未定】寒暖差アレルギーを越えて思う、若さの意味【エッセイ】

 30代後半ぐらいから季節の変わり目、特に秋から冬にかけて体調を崩すことが多くなった。年を取ったせいで体力が落ちたことはその大きな原因の一つだろう。それと並行してこの時期にくしゃみや鼻水が止まらない日が発生するようになった。風邪の症状に似ているが、咳も熱ものどの痛みもない。純粋にくしゃみと鼻水、それから目のかゆみが起こるという具合だ。

 調べてみると寒暖差アレルギーという名前に行きついた。正確な診断を受けたわけではないが、症状と発生するタイミングを考えるとほぼ間違いないようだ。寒さを感じる時期に、温度差のある空間を出入りすると特に悪化する。ちょっとした「冷え」を感じるときに特に多く発生することも経験上分かっている。

 この症状の謎な点は、極端に寒い場所に行くと逆に治まるということだ。そういった場所では暖かい格好をしているというのもあるのだろう。また寒くない場所でゆっくりと座ったり、横になり、暖かいものを飲んでいるとすぐに症状は改善する。ところがその状態からトイレに行ったり、玄関へものを受け取りにいくと途端に再発するということになる。

 この症状を治すのに何が良いかも調べたところ、ストレスの軽減、運動、健康的な食事、生活リズムを整えるとある。もちろんそれらは参考になるが、結局のところほとんどの病気に効果のある基本的な生活行動の改善というのが結論となるようだ。これらの症状の原因が自律神経の乱れによるもの、とされるからだろう。

 そうなれば自律神経を整えることが目標となる。トラフィソパムなる薬は中枢神経を刺激して症状を抑える効果があるようだが、病院での診察と処方が必要で、しかも効果は短時間ということだ。日中起こり続けるような症状を抑える目的で使用するものではないだろう。したがって必然的に生活改善以外の選択肢はなくなるということになる。

 幸いなことにストレスはそれほどでもない。気づいていない可能性は否定できないが、毎年恒例のものとなると主因はそこではないだろう。運動は毎朝散歩をして、かなりの距離歩いているだろう。ということは食事と生活リズムを改善することになりそうだ。

 年を取ると若い時分とは異なる体の異常を感じることが増えると聞いていた。しかし実際に自身の体で体感すると、なかなかその改善の難しさには頭を悩ませる。健康のことに気を払う、思考の一部を占有されるというのは若い時にはなかった悩みだろう。

 だからこそ、若さは貴重なのだろう。やりたいこと、できることに全力で取り組むことが可能であるというそのことに若さの価値があるのかもしれない。もし、この文章を若い方、10代、20代の方が読んでいるのならばその価値を少しだけ噛みしめてほしいと願わずにはいられない。

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