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「国立大受験宿泊難民」問題にどう対処すべきか


令和6年2月24日(土)

国立大学の前期試験の日程は曜日や祝祭日に関係なく、2月25日(一部面接などは2月26日)と決まっています。

これは国立大学協会が統一日程として毎年定めるものですが、令和6年度入試も例年通りとなっています。

しかし、来年は大きな問題が存在します。それは2月25日が日曜日であるということです。

3連休の中日

この問題は令和に入ってから指摘されてはいました。

今上陛下の誕生日が2月23日であるため、25日が土曜日でも、日曜日でも連休中日になってしまうためです。

そもそもが平成の時代から25日が土曜日または日曜日の場合でも、休みの前日ということで宿泊施設の予約は取りにくくなっていました。

かつて、2018年は福岡において、安室奈美恵、EXILE THE SECONDのコンサートツアー、さらに薬剤師国家試験が重なるという状況で宿泊難民が発生しました。

昨年度も宮崎県において侍ジャパンの合宿と国立大学の入試が重なり、宿泊先が不足する状況が発生していました。

今回はこうした局地的な問題ではなく、全国規模での宿泊先不足が懸念されています。

土日や連休という要因に加えて、近年のインバウンド需要の高まりによってホテルの予約が取りにくい状態が重なったからです。

勧められないが自己防衛するしかない

こうした問題に関して、残念ながら現時点では国大協は対策を打つ予定はないようです。

実際プレスリリースも無ければ、次年度以降の変更に関する情報も何も出ていません。

そのため、まずは自己防衛として早めの予約を行うしかほかにないでしょう。

一般的にホテルの予約は一週間前までのキャンセルの場合はキャンセル費用は掛からないため、現時点で出願する予定のある大学に関してはすべて予約をする、という以外にこの問題を避ける方法が見当たりません。

もちろん、こうした行動が宿泊先の予約を圧迫し、宿不足を助長させる行動になっているのは事実です。

しかし、個人レベルでできる対処がこれ以外にない以上、ほかに選択の余地が無いのです。

日程変更と柔軟化

今回のようなことは各地方ごとに頻繁に発生しています。にもかかわらず国大協、ひいては文科省が何も方針を打ち出していない姿勢に関しては疑問を感じます。

かといって自由主義の国である日本において、この時期のイベントなどを取りやめるように政府が通達を出すべきだ、とも思いません。(こうした意見をネットでは頻繁に目にします)

ただ共通テストに関しても同様の問題を抱えており、冬の雪の心配がある時期の実施、かつ県によっては県庁所在地にしか実施会場がないところもあるため、宿泊前提の受験生は少なくありません。

文科省主導による日程変更と柔軟な対応を行わなければ、同様の問題は毎年のように噴出するでしょう。

こうした状況を打開するために時期変更だけでなく、受験生を対象にした時期限定の民泊解禁などの選択肢まで視野に入れた議論が必要でしょう。

2024年度の後は直近で2028年が26日が土曜、2029年は24日が土曜となっています。せめてこの時までには解決を願いたいところです。



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