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映画館=コンテンツプラットフォーム

映画館とはどんな場所なのかを考えてみた結果、ひとつの答えが出た。それは『映画館=コンテンツプラットフォーム』というものだ。

ここでいう【プラットフォーム】は正確な意味合いとは少し違うかもしれないけれど、個人的には駅のホームのように、様々な電車にアクセスできる待合所のような感覚に近い。これは「メディア」にも似ているかもしれない。

そして同時に『映画館≠コンテンツクリエイター』だよねってこと。

それって当たり前なんだけど、「ぼんやり頭の中にはあっても認識できていなかったこと」で、「これってすごいことじゃね。だとするともっとこういうことに応用できるよね」っていうちょっとテンション上がるくらいの発見でもあった。

これについて少し詳しく書き留めておく。

映画館≠コンテンツクリエイター

つまり映画館はコンテンツを創り出すことが本業ではなくて、誰かのクリエイトしたコンテンツを誰かに届ける場所だなーって。

このスタンスの発見が自分の中ではすごく大きくて、今までは「映画っていうコンテンツを使って、どうやって【豊岡劇場】っていうオリジナルコンテンツを確立するか」を考えてた。

もちろん『映画館=コンテンツクリエイター』である場合もあるかもしれない。むしろ、そうだったらすごく素敵なことだけど、現時点で自分たちの最適解ではないという自負もあった。


そう感じたきっかけはひとつの上映会だった。

豊岡で撮影したショートフィルムの上映会を、ホールレンタルとして劇場で開催していただいたとき。商業映画としてではなく、一般公開されないひとつの作品として制作されたそれを観て、お客様が心動かされた瞬間、同じ空間にいれたこと。

主催したのは劇場ではなかったけれど、紛れもなく劇場のスクリーン、劇場空間を媒体としてその体験はそこにあった。

それは

豊岡劇場というフィルターを通したメディア機能

1年間に市場に送り出される映画は数千本。

もはや一人の人間が生きている間に体験できるコンテンツは全体の1%もない時代。そんな今、映画館でも全ての作品を上映することは絶対に不可能だ。いくらシネコンでも。

その結果、いい意味で上映作品のセレクションが映画館の特色に反映されている。

ただ他と上映作品が被らないオンリーワンセレクションの映画館なんて存在しないし、ひとつでも違っていればオリジナルと言えるのならミリオンセラーの歌の音程をひとつだけ変えればまかり通る。

だからこそサービスや空間のオリジナリティで勝負する他ない。豊岡劇場も例外ではない。

映 画 だ け な ら ね 。

そう、映画だけではオリジナルフィルターとしての映画館なんて確立しない。だからこそ映画以外のコンテンツを掛け合わせた完全オリジナルなフィルター【豊岡劇場】が誕生する可能性があるし、それこそがコンテンツプラットフォームとしての映画館を実現する鍵だ。

という答えにチャレンジしようとしている。

そして、そのタイミングで新しい企画『とよがき』をローンチ。4名のコンテンツクリエイターと一緒に、小さな挑戦をスタートさせます。

お楽しみに。


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伊木 翔
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