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なぜ人はダメだと分かっていてもやってしまうのか?


「明日こそ早く寝よう」と思いながら夜更かししてしまう。「ダイエット中なのにお菓子を食べてしまった」「締め切りが近いのにスマホをいじってしまう」——こんな経験、誰にでもあるはず。なぜ人は「ダメだと分かっていること」をやめられないのでしょうか? そこには、心理学的な理由がたくさん隠れています。

1. 「分かっちゃいるけどやめられない」脳の仕組み

人間の脳には、快楽を求める「報酬系」という仕組みがあります。報酬系が活性化すると、脳内でドーパミンが分泌され、「気持ちいい!」「楽しい!」と感じるのです。

例えば、スマホでSNSをチェックすると、「いいね!」がついたり、新しい情報が手に入ったりします。これが報酬系を刺激し、脳は「もっとやりたい!」と感じるようになります。短期的な快楽を求める性質があるため、「やめたほうがいい」と頭では分かっていても、ついつい誘惑に負けてしまうのです。

2. 「自制心VS誘惑」勝負の行方を決めるもの


自制心とは、目の前の誘惑に負けずに長期的な目標を優先する力のこと。でも、この自制心は無限ではありません。

心理学者バウマイスターの「自制心の筋肉理論」によると、自制心は筋肉のようなもので、使いすぎると疲れてしまいます。例えば、一日中仕事や勉強で集中し、自制心を酷使した後は、夜になるとその力が弱まり、ついつい甘いものを食べたり、動画を見続けたりしてしまうのです。

3. 「ついやってしまう」ことに隠された心理学的理由


① 習慣の力

悪い習慣は「条件反射」のように自動的に動いてしまうことが多いです。例えば、食後に無意識にデザートを食べる習慣があると、それをやめるのは簡単ではありません。

② 「今が大事!」という時間割引の影響

人間は「目の前の報酬」を優先しがちです。ダイエット中でも、「今すぐの美味しさ」が「将来の健康」よりも魅力的に感じてしまいます。

③ ストレスの影響

ストレスがたまると、脳は「手っ取り早く気持ちよくなれるもの」を求めます。その結果、ついジャンクフードを食べたり、ダラダラしてしまったりするのです。

4. 「ダメだと分かっている行動」とうまく付き合うコツ

① 目標を「小さく」する

「絶対に間食しない!」よりも「夜9時以降はお菓子を食べない」のほうが成功しやすくなります。小さな成功を積み重ねることが、長期的な改善につながります。

② 環境を変える

目の前にお菓子があると食べてしまいます。スマホを手の届かない場所に置くなど、誘惑を減らす工夫をすると効果的です。

③ 自制心を回復させる

しっかりと休息を取り、適度に運動することで、自制心を回復させることができます。「疲れたら休む」も、やめられない行動を減らすコツです。

④ 「ご褒美」をうまく使う

やるべきことを達成したら、自分にちょっとしたご褒美を与えると、行動をコントロールしやすくなります。「仕事を終えたら好きなドラマを観る」など、ポジティブな習慣づけをしてみましょう。

まとめ

人が「ダメだと分かっていてもやってしまう」のは、脳の報酬系や自制心の限界、習慣やストレスなど、さまざまな要因が関係しています。でも、ちょっとした工夫で、こうした行動を減らすことは可能です。

「やめられない自分」に落ち込むのではなく、心理学を活用して少しずつ変えていく——そんな前向きな姿勢が、最終的には成功につながるのかもしれませんね!


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