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「その男、自由につき」Lineage リネージュ昔話006

 リネージュの世界で、私が初めて憧れを持った方について語ります。
 キャラクター名は「Polnareff」。漫画ジョジョの奇妙な冒険が元ネタであることはまず間違いないでしょう。
 ポルさんと呼ばれて親しまれていました。

 プレイヤーとしても非常に活躍された方ですが、それ以上にトークの面白さが印象に残っています。
 過激すぎて書けないものも多いのですが、公開して問題なさそうなものを幾つか紹介します。

1.勧誘
 「なあ、血盟(チーム)に入らへん?」
 彼が操作する、「世界の貴公子」という名前の君主から勧誘されました。初対面です。すごいキャラ名、そしてまるでナンパのような声かけです。いえ、実際ナンパでした。彼が私を勧誘した理由は
「女エルフやから、中身も女の子やと思った。」だそうです……

2.完全犯罪
 「なあ、絶対にバレへん万引きの方法、教えたろか?」
 「スーパーに入るやろ。そんで商品のペットボトルを勝手に開けて飲むねん。堂々としてたら、飲みながら店に入ってきたように見えるから!絶対バレへんって!」
ポルさんが実際にやったことがあるのかは、怖くて訊けませんでした。なおこれを読んだ方が実践して捕まったとしても、私は責任を取りません。

3.スマイル0円
「マクドにいったら、女の子の店員に"スマイルください"っていうやろ?え?皆、言わへんの?じゃあ、マクドに前転で入って行って、後転で出て行ったりは?え?せえへんの?
どなたかかやったことがあるという方がいたら、ぜひご一報ください。
※関西人はマクドナルドのことをマクドと言います。私も関西よりの地方の出身なので、この当時はマクドといってました。今ではすっかり関東に染まったのか、マックと言ってしまいますね。

4.タイトル
 リネージュでは、君主が血盟員(チームメンバー)の名前の上に表示される、タイトルというものをつけることができました。
 印象に残っているものだと、「その姿鬼神(毛沢東さんという強豪プレイヤーのタイトル)」「siore knight(修哉さんという有名プレイヤーが、敵対血盟であったシオナイト血盟をタイトルでイジったもの。)」などがあります。カッコいいものやユニークなもの、皆さんこだわりを持ったタイトルをつけていたと思います。
 そんなタイトルもポルさんにかかればこんな感じです。
「男ナイトの血盟員にさ、勝手に×××(直球の下ネタです)っていうタイトルつけたんよ。そーしたらさ、"私リアル女で、そういうの苦手なんですけど"って言われてん……男ナイトやったら、普通は中身も男やと思うやんなあ!」
 普通は相手が男だからといって、下ネタをタイトルにつけません……

5.リアル(現実世界)ではチンピラ?
 ポルさんとはよくゲーム内チャットで交流させていただきましたが、残念ながら現実世界でお会いする機会には恵まれませんでした。
 共通の知り合いで、ポルさんとあったことがあるという方から、会ったときの印象を教えてもらったことがあります。
「ポルとかリアルでもただのチンピラやで!一緒にアメ村歩いてたら、知らんホームレスのおっさんに”なあ、人生の厳しさ教えてや”とか話しかけだしたのは笑ったわ(笑)」
 いや、チンピラだって、ホームレスの方にそんな風に話しかけたりはしないと思います。
※アメ村は、大阪にあるアメリカ村という町です。

6.カイザードイベント
 最後はリネージュプレイヤーにしか伝わりづらい話になります。
 同時期にカイザードさんという有名なプレイヤーがいました。その方が個人イベントを開催したことがあります。
 「タイマン勝負して、勝てばアデナ(ゲーム内通貨)をプレゼント。ただし負けた場合は私が所属する血盟(Legend血盟)に加入していただきます!」
 数名のプレイヤーが遠巻きにカイザードさんを眺めていました。
「アデナは欲しいけど、加入する血盟がこんなイベントで決まってしまうのも困るなあ。カイザードさんって強そうだし……」
などと考えていたのではないでしょうか(私もその1人です)。
 そこに嬉々として参加する1人の男が。もうお分かりですね、ポルさんです。
 カイザードさんを刀の錆にした彼は、ゲーム内通貨を手に入れて意気揚々と帰っていきました(ちなみにお互い面識もあるはずですし、普通ならポルさんの挑戦はお断りすると思います。ここで受けるあたりがカイザードさんらしいですね。)。

 このような紹介の仕方だと、単にふざけた人のように思えますが、プレイヤーとしては目覚ましい活躍をした方でもあります。

 リネージュJP2カノープスサーバーにおいて、最初に全ての城を治めたRendir同盟。そこにおいても彼は中心的な人物の一人でした(最初の戦争において先陣を切る役目を果たしたのが、ポルさん達だったと思います)。
 そして後に、そのRendir同盟からすべての城を奪った黙殺同盟に移ったポルさん。そこでももちろん大きな存在感を発揮することになります。
 彼の名前を要する血盟「ポルナレフ軍団」。150人を超える大所帯となったその軍団は、当時最も大きな城であったギランの城主を任されていました(当時はシステム上、1つの血盟の最大人数は40~50人程度だったはずです。そのため、2軍・3軍と呼ばれる血盟を別に作り、そこにも血盟員を所属させていました。)。
 君主の操作を任されていた、†やまもと†さんというプレイヤーは、「君主は形式上自分だが、この血盟の看板はPolnareffだ。俺たちがだらしないとPolnareffの顔に泥を塗ることになる。」と熱く語ってくれたものです。

 私が一度リネージュを辞めて復帰したときも、ポルさんが素晴らしい血盟に誘ってくれました。
 その後、私より先にポルさんはリネージュから去ってしまいますが、そのときの言葉を紹介いたします。

「装備をRMTした金で車買って、ナンパしてくるわ!」
……最後までポルさんらしいですね。
ちなみにRMTというのは、ゲーム内の通貨やアイテムを現金で売買することです。RMTネタをバラしたところで気にするような人ではないと思いますが、ご本人または関係者の方で削除を希望される方がいらっしゃいましたらご連絡ください。

締めくくりに
 当時のリネージュにはチャットしていて楽しい人が多かった気がします。もちろん思い出補正もあるかもしれません。

 一応それらしい理由を考えてみると、当時はネットゲームがそこまで普及してなかったので、今で言うアーリーアダプター(流行に敏感で、自ら情報収集を行い判断する層。 )のような人が集まっていたのかもしれません。
 特にポルさんなどは日本にリネージュが存在しない頃からの古参プレイヤーだったので、年齢からすると中学生か高校生のときに、アメリカのサーバーに接続してリネージュをプレイしていたはずです。
 変な発言ばかり紹介して申し訳ないですが、彼は普通に話していても非常にユニークな方でした。

 私は今、そのような新しいモノに触れられているかと、自問します。
 自分が知っているものだけに囲まれ続けていたり、すでに何かが流行りだしてから、遅れて飛び乗ってはいないだろうか。
 もっと面白い人々に出会うためには、そして自分自身が面白い人物になるためには、積極的に新しい世界に飛び込む必要があるのかもしれませんね。


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