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オリジナル短編小説『見知らぬ声』-7日目-


『見知らぬ声』-7日目-

一週間短編小説 -7日目-


翌朝、咲子はすっきりと目覚めた。楓のことを胸に抱きながらも、彼女の存在を自分の日常の中に自然と取り込んでいくことができるという確信が芽生えていた。

母も少しずつ元気を取り戻し、朝食を共にしながら、二人はまた新しい話題で語り合った。母の表情も、どこか晴れやかで軽やかだった。

「お母さん、これからも楓のことを家族の一員として話し続けようね。彼女は今も、私たちと一緒にいるんだから。」

母は微笑んで頷いた。「そうね、咲子。楓はずっと私たちのそばにいるわ。これからも彼女と共に生きていこう。」

その日、咲子はまたあの公園に一人で足を運んだ。楓との最後の対話を心に刻みながら、彼女は静かにブランコに座り、しばらく空を見上げた。風が優しく吹き、葉が舞い上がっていく。

「楓、ありがとう。これからも、ずっと一緒だよ。」

咲子の心は穏やかだった。妹は過去の記憶に閉じ込められることなく、彼女の人生の一部としてこれからも共に生き続ける。咲子の中で、楓との絆は確かに強まり、家族の一員としてこれからも歩んでいく決意が固まった。

その時、携帯が再び震えた。咲子は驚きながらも画面を見たが、それはいつもの番号ではなく、ただの通知だった。楓の声はもう聞こえることはない。だが、咲子の中でその声は永遠に響き続ける。

咲子は携帯をポケットにしまい、公園を後にした。彼女はこれからの人生、楓と共に新たな道を歩んでいくことを心に誓った。


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