『猫を処方いたします』 -石田祥- を読んで
あらすじ
京都の路地裏にひっそりと存在する「中京こころのびょういん」が舞台の心温まる物語。
心の不調を抱える患者たちがこの病院を訪れると、医者から処方されるのは薬ではなく、なんと本物の猫!
最初は戸惑う患者たちも、気紛れでありながらも愛おしい猫たちとの生活を通じて少しずつ変わっていきます。
猫を処方する背景には、ある「理由」が隠されており、全五話を通してその秘密が解き明かされていくハートフルなストーリーです。
感想
この作品は、猫好きの人にとってはたまらない一冊! 読んでいる間、猫の仕草やふわふわ感が目に浮かび、心が癒されること間違いなしです。「だいたいの悩みは猫で治りますから」というお医者さんのセリフが象徴するように、猫たちが心の不調に効いていく様子は微笑ましく、また時に深いメッセージを感じさせます。
特に、最終話で描かれる物語の展開には、思わず涙を流しました。猫を通して「命の大切さ」を患者が再認識するシーンや、物語の核心が明かされる瞬間はとても切なく、読後も余韻が残りました。単に猫が可愛いというだけでなく、心の回復に寄り添う存在としての猫が深く描かれている点が印象的でした。
どんな人におすすめか
『猫を処方いたします』は、猫好きな方はもちろん、ペットとの関わりや癒しに興味のある方に特におすすめです。
また、心が疲れている時や少し元気が欲しい時、この本がそっと寄り添ってくれるような気持ちにさせてくれるでしょう。
猫を飼ったことがない人でも、猫がもたらす癒しの力に共感できるはずです。
軽く楽しめるだけでなく、人生について考えさせられるような深いテーマも含まれているので、幅広い読者にとって心に残る一冊になると思います。
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