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『猫を処方いたします2』 -石田 祥- を読んで

あらすじ

『猫を処方いたします 2』は、京都の薄暗い路地に佇む「中京こころのびょういん」を舞台に、心に傷を負った人々が本物の猫を処方されることで癒されていくという、不思議で温かい物語。

恋愛に悩む女子大生や、妻を亡くした老人、保護猫センターで働く男性など、様々な事情を抱えた患者が訪れ、猫との時間を通じて少しずつ心の重荷を下ろしていきます。

しかし、猫を処方する”ニケ先生”にも、何か隠された秘密があるようで――。

シリーズ第2弾も、猫がもたらす癒しの魔法が静かに広がっていく心温まるストーリーです。


感想

この作品は、猫好きにとってはたまらない、まさに「癒しの処方箋」とも言える一冊です。

物語に登場する「処方猫」たちは、それぞれが個性豊かで、甘えたり自由気ままに振る舞ったりと、猫らしさ全開。

それが患者たちの心のバランスを取り戻す役割を果たす様子が、とても魅力的に描かれています。

猫たちの存在が、単なる癒しではなく、読者にも深いメッセージを届けてくれます。

特に感動的なのは、登場人物たちが猫との時間を通して、自分自身と向き合い、心を少しずつ開いていくシーンです。

彼氏との関係に悩む女子大生や引きこもりの祖父と孫のエピソードなど、どの物語も心に響きます。

また、ニケ先生の謎めいたキャラクターや、彼の運命にも注目が集まり、読んでいるうちに涙腺が刺激される場面も多く、最後は心が温かくなる結末が待っています。

猫との別れをテーマにしたエピソードでは、過去にペットを失った経験のある読者なら特に胸を打たれることでしょう。

動物との関わりが、人生にどれだけの癒しや支えを与えてくれるのかを再認識させられる作品です。

どんな人におすすめか

『猫を処方いたします 2』は、猫好きの方はもちろん、心に疲れや悩みを抱えている全ての人におすすめです。

猫の自由で愛らしい存在に癒されたい人や、日常に少し疲れを感じている人には、まさにこの本が一服の癒しとなるでしょう。

また、動物を通じた人との触れ合いを描いた温かい物語が好きな方にもぴったりです。

心がほっとするようなストーリーを求めている人は、ぜひ手に取ってみてください。

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