血漿膠質浸透圧ってなんだ?|定義/アルブミンとの関係/仕組みなど
こんにちはSHOです。僕のnoteを読んで頂きありがとうございます。
タイトルに難しい感じ7文字を使ったのですが
「けっしょうこうしつしんとうあつ」
と読みます。なんやねんと思いますよね。
この話は今後「浮腫」の話をするのに使いたい話なので、浮腫でお悩みの方いらっしゃいましたらこちらの内容も読んで頂きたいです。
そして、この話を進めるにおいて【浸透圧】の話を前提にしていきます。こちらで浸透圧には触れていますので今回の話を読み進める前にご一読ください。
○血漿膠質浸透圧とは?
まずはこちらをご覧ください。
私たちの身体をざっくり区画に分けてみました。
私たちの身体は細胞の集合体です。その間には血管があって、血管の中を血液が流れています。そして、細胞と血管の間には隙間があります。この隙間のことを間質といいます。間質は空気が溜まっているわけではなくて、この部分は間質液で満たされています。
こんな区画になっています。
で、血漿膠質浸透圧とは血漿中のアルブミンによって間質液と血漿との間に生じる浸透圧のことです。
・・・え?
なんかよく分からん用語出てきたと思った方もいらっしゃるはずなので丁寧に解説してまいります。
血液の液体成分のことを「血漿(けっしょう)」といいますが、血漿の中にはアルブミンというタンパク質が溶けています。アルブミンは大きな分子なので、血管壁を通ることができません。
もう1回この図をだしますが、アルブミンは血管壁を通ることができません。水やナトリウムのような小さな分子は通ることができます。
ここで浸透圧の話になるのです。
血管壁は細胞でできているので半透膜ではないのですが、水は通すけどアルブミンは通さないというような半透膜的な役割をしています。なので、アルブミン濃度が濃い血管の方に水分が引っ張られるような浸透圧が血管壁を境にして働くのです。これが血漿膠質浸透圧です。
○血漿膠質浸透圧の仕組み
では、なんでこんな仕組みがあるのでしょうか?
結論から申し上げます。血漿膠質浸透圧がないと水が出ていっちゃうからです。
血管の中は血液が溜まっているわけで血圧がかかっているので水が外側にはみ出しがちです。血漿膠質浸透圧がないと水を血管内に保つことができないのです。
では、水が出ていっちゃったらどうなるのか?という話ですが、この場合は【浮腫(ふしゅ)】になります。いわゆる「むくみ」というものです。浮腫とは間質に水分が溜まることをいいます。サクッと言ってしまいましたが、浮腫になる原因は色々ありますので、また改めてお伝えしていきます。
ちなみに、アルブミンは肝臓で作られるので、肝臓の働きが悪くなるとアルブミンが作れなくなります。また、アルブミンはたんぱく質なので、原材料がない、要するに栄養不足になってもアルブミンが作られなくなります。また、腎臓に障害があって尿として出ていっちゃう場合も足りなくなります。
○まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回の説明は「浮腫」の話をするときに必要な知識になりますので先にこちらの話をさせて頂きました。
血漿とは血液中の液体成分のことですが、血液中には赤血球、白血球、血小板など液体じゃないものが混じっています。なので、血漿とはそれら以外のものをいいます。
また「膠質」とはコロイドのことです。コロイドとは、大きな分子が溶媒に分散している様子を指しています。この場合の大きな分子はアルブミンのことで、これが血漿という溶媒に溶けている様子のことです。
というわけで、今回は補足的な投稿になりましたがここまで読んで頂きありがとうございました。