「マツリカ」 シリーズ [相沢 沙呼]
昨年、一番衝撃を受けた小説 medium の著者「相沢沙呼」氏の別作品を最近読んでいました。
「マツリカ」シリーズ。現在全三巻。
文庫版の表紙が好きなので文庫版です。内容はこの表紙の通りです。
内容と感想はあらかた読書メーターにかいてはあるんですけれども。
話の構成は medium に似ていますが、舞台は学校です。高校です。
ですが、この物語のヒロインたる「マツリカ」さんは学校にはいません。近くの廃ビルで魔女のように暮らしています。というか魔女です。というかお前いくつだよは計算しましょう。思いの外いい齢です。でも気にしてはいけません。年齢の予測と見た目以外は何も分かりません。三冊を通しても何も分かりません。
でもそれでいいんです。これでいいやってなります。むしろ知りたくない。
マジョルカとマハリタは、城塚翡翠シリーズ同様、短編の連作で表現される伏線が最後の話で回収されます。で、「ええっ」てなります。話が長くならずにたくさん楽しめて、それでいて一冊分の謎も解明できるのでこの構成好きです。最近のはやりですよね、確か。
そして三冊目のマトリョシカ。前2作を伏線とする一本の長編になっています。しかも、マツリカさん後半ほとんどいない。主人公誰だよ(柴山か)。
とにかく、一男子高校生がただただみだらな妄想しかしていないのに成長していく話です。本人は自分が醜いと表現するし、マトリョシカに出てくる「綺麗だけど性格の悪そうな」先輩に罵られるほどの容姿と思わせてているんですが。関わりのある女生徒たちからはフツーに好かれてますし、マトリョシカにまでなってくると、マツリカの前以外ではめっちゃしゃべっとるやんお前な状況です。
なのでこれが映像化されたりすると、きっと「ぇぇ…」みたいな感じになるところまで予想しています。ただ魔女役は思いつかない。
そんな感じの学園日常系ミステリーですけど、主人公の柴犬(柴山)の成長物語でもあります。とりあえず、ほとんど出てくる人たちは闇を抱えすぎているので、こんな学校通いたくないです。
そんな感じでとても楽しいので読んでみて欲しいです。なんとなく想像がついたり予測はつくんですが「そう来たか…」は健在です。正欲 ほどじゃないですが、後半は結構興奮します。何に興奮するかはその人次第です。
ということで、相沢沙呼の小説を徐々に前に戻っていくという謎の行動をしています。楽しい。
おすすめの作家さんいたら教えて欲しい。緩めのミステリーか、絶望しかないホラーが好みです。