ITアーキテクチャとは何か(前振り)
ITアーキテクトは定義を重んじるんです。学者肌の人が多いのもありますが、まずそもそもエンジニア自体が定義を重んじるべきです。あやふやな単語を分からずに使っていると、お互いの認識に齟齬が発生して、何も伝わりません。
ITアーキテクトとしてスタートラインに立った時、まずはじめに言われたことは「言葉を正しく使うこと」でした。ええ。はい。わかります。おっしゃる通りです。
そんな正論はおいといて、実際には、現場はその実態とはかけ離れています。同じ言葉でも違う使い方をすることがあります。ITアーキテクトの扱う特殊な専門用語は、フレームワークによっても表現が変わることもあります。しかもそれは一般名詞だったりもします。
その一般名詞は、特定の企業では別の専門用語になるかもしれません。
とはいえ結局、ITアーキテクトでもない一般のエンジニアにとって「ITアーキテクチャ」とは、みんながみんなまったく異なる「ITアーキテクチャ」を心の中に持っている時代です。これを正しく律することは不可能です。アーキテクチャをアーキテクトって言う人だっているんですよ。やってられません。
だから、それらの定義をしょっさんなりに解釈して、アーキテクトを知らないITエンジニアにも理解のできる紹介をする必要が出てきました。ちょうどいい、それならここにも書いてしまえと言うのが今回の流れです。
まぁそんな感じで、しばらく ITアーキテクチャって何かって話をつらつらと想いを込めて書こうかなとか考えているんです。今回はその前振りです。
ITアーキテクチャをしょっさん流に一言でまとめると。
「目の前に物質化して表現することのできない何かを、構造化して雛型として表現したもの」
です。
横文字だとモデリングしたもの。とも表現されますが、構造化も意味はほぼ同じです。構造化のほうが、個人的には哲学を含んでいる感覚があって、未だに「これが構造化だ」という答えが出ていないのに、説明に使っていてみなさまに申し訳ないとも感じます。ごめんね。
ちなみに「ソフトウェア・アーキテクチャ」とかの粒度になると「コンポーネント間の関係性を図示して表現したもの」みたいになってきます。抽象度・粒度によってアーキテクチャの定義も変化します。
また、ITアーキテクチャは次の特徴を持つものだと考えています。今後、これらを一つずつ、不定期に紹介していくつもりです。なんで不定期かというと。明後日から本島を離れてバカンスへいくからです。エヘ
設計者の設計思想(定義的には原理原則)を含む
具体的な事象ではなく、構造化された結果、抽象化されたもの
課題に対して最適解と考えられる解決策の一つであり仮説
再現性を期待したい
しょっさん固有の考え方は仮説と再現性です。原理原則と抽象はアーキテクチャの一般的な原則に含まれるものです。
ITアーキテクチャとは、システム構成図を指すのではありません。ステークホルダに対して、構造化された適切な図表を表現して伝えるものです。
ここで構造化されたものは、実際の解決策として、横文字でいうとソリューションへと具体化していきます。
今後、こういった話をしますよということで。学術的というよりかは、現場で扱うITアーキテクチャとITアーキテクトは実際どうなってるかの視点でお話していくんだと思うんです。
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