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札幌市のオススメ名建築10選【建築巡礼10】

ちょっと前ですが、札幌に訪れる機会がありまして。
その前に訪問した時もあわせれば、めぼしい建築はおおかた見て回ることができたように思うので、オススメ名建築札幌版をお送りしてみます。
札幌は、街としては比較的新しいこともあるのでしょうが、近代建築の景観が積極的に保全されています。
本当に素晴らしい!
ここもやっぱり5つには絞れませんでしたので10選とさせていただきます。
・・・まとめなおしててまた行きたくなってきました^^💦
(写真は札幌と言えば…で普通の方が多く挙げるであろう時計台です。)



1)札幌聖ミカエル教会/A.レーモンド/札幌市東区/1960年

礼拝堂内部 朝早く行ったので一人っきり…至福でした

素朴さの中に力強さと繊細さが同居した空間です。 丸太をそのまま使ったり、ステンドグラスの代わりに和紙か何かを切り抜いた物が貼ってあったり。
他の教会でも静謐さは感じるのですが、それ以外のものも感じました。上手く言えないけども、開拓時代の気概というかなんというかそういうものなんでしょうか。


2)北海道大学農学部第二農場(旧札幌農学校農校園)(手前:牝牛舎、奥:模範家畜房)/牝牛舎:不明、模範家畜房:W.ホイラー、開拓使工業局営繕課/札幌市北区/牝牛舎:1909年、模範家畜房:1876年・1883年増築・1910年移築

緑と青空に赤い屋根が映えます

ただただ、圧倒されました。
北大第二農場は重要文化財だけを一カ所に集めて周囲を柵で囲っています(建物の維持を考えればこれは正しい気がします) 。日程上、中を見ることは諦めましたが、外観からだけでも、オーラがすごい。
妻側壁にある牛の顔の飾りとか、壁のパターンとか、あまり他で見れないようなディテールも多く、マニア的にはかなり見応えがありました。
北海道に行く機会があれば是非とも見学を薦めます。

3)北海道大学総合博物館(旧北海道帝国大学理学部本館)/萩原惇正(北海道帝国大学営繕課)/札幌市北区/1929年・2001年~改修

吹抜け 大理石の加工がすごい…

この柱、このアーチ、玄関廻りのタイル、建具枠…どんだけ手がかかってるんだ…。
階段も片方は昔のまま手すりは低いまま残してあって。 その分貼り紙で注意喚起。 どこまで許されるものかよくわからないんだけども、ここまでの建物であれば、往時の様子をわかるようにしておくことにも意味があります。 
展示もかなり濃厚そうでしたが、ゆっくり見る時間がありませんでした。残念です💦
北海道大学については2つのみリストに入れましたが、植物園も含めて文化財の宝庫です。
時間が許すなら、キャンパス内をゆっくり散策してみてください。

4)北菓楼札幌本館(旧北海道立図書館、旧北海道立文書館別館)/萩原惇正、安藤忠雄建築研究所+竹中工務店(改修) /札幌市中央区/1926年・2016年改修

吹抜け 一階は店舗、二階はカフェになってます

安藤忠雄さんの手法(=打放コンクリート)は歴史的建造物の利活用には相性がいいですよね。 耐力を確保できる上に、素材が無機質で、既往の建材と喧嘩しないから。 それにしてもこの建物、元が元で素晴らしい。よく残してくださいました。天井とか階段とか。 カフェにはそこに安藤忠雄の本棚仕上げ。どうしてもここでお茶してみたかったのですが、2回伺って2連敗…次はきっと…

5)北海道知事公館(旧三井別邸新館)/萩原停正(北海道庁建築課技師)/札幌市中央区/1936年

外観 なかなかに独特の外観です

日程の都合上、中には入れず… 後から別の方の投稿で内部の状況を見てみて、激しく後悔しました(T ^ T) 。
次に行く機会があれば真っ先に行きます!

6)豊平館/安達喜幸(開拓使工業局営籍課)/札幌市中央区/1880年・1958年移築

外観 外観ではこのバルコニーが特徴的

迎賓館ってこういうことか、と。
天井も高く、瀟洒ではあるんだけど、威張りすぎない、ゆったりとした空間でした。
貸室として現役なのも嬉しいし、別棟で事務所機能やエントランス機能をカバーしてるのも好感を持ちました。
しかし、この色、ほんまに映えますね^_^

7)旧小熊邸/田上義也/札幌市中央区/1927年・1998年移築復元

外観 窓とかモールとかのデザインがライトのお弟子さんっぽいですよね

フランクロイドライトの弟子(田上義也)の設計です。
こぢんまりしてるけれど、ここかしこにライトらしい造形があり、とても可愛い建築です。
2階はカフェだけども、1階はフライフィッシングの用具を売ってて、物が多くて空間の良さを感じきれなかったのは残念。
でも、そのおかげで保存されていると思えば、本当にありがたいですよね。

8)札幌ドーム/原広司+アトリエ・ファイ建築研究所/札幌市豊平区/2001年

外観 やっぱりこの曲面は象徴的です

ファイターズがエスコンフィールドに移って、大丈夫かなあ、早く見ておかないと…と思って無理矢理行きました…エスコンの方は行けていないので直接比較はできません💦
展望塔の円筒が建物を貫通しているのが特徴。
球場全てを覆ってしまうドームが、街との繋がりを断絶してしまうことへの原さんなりの回答でしょうか。 大規模な建築と所々に見て取れるヒューマンスケールな設備に、京都駅ビルにも通じる、原さんらしさを感じました。
総じて良い建物と思います。

9)モエレ沼公園/イサム・ノグチ(マスタープラン)、アーキテクトファイブ(設計統括)/札幌市東区/2005年(グランドオープン)

ガラスのピラミッド外観

世界的な彫刻家イサム・ノグチの設計した公園。
アーキテクトファイブ設計の、このガラスのピラミッドもあまりに有名です。
この公園、何よりももうサイズが桁違い。
できればご自身の足で全て歩いてみてほしい。
その上でこの公園がデザインし尽くされていることに気がつくでしょう。
イサム・ノグチの手のひらの中を必死になって駆け回っている、そういう印象です💦

10)北海道庁旧本庁舎/平井晴二郎、太田興三はか/札幌市中央区/1888年・1911年復元

仮囲い中… 絵じゃなくて本物をみたいなあ💦

最後一つ、実は迷いました。
真駒内霊園や上遠野徹邸も残ってるなあ、行けてないけど💦清華亭も工事中で見れてないなあ💦
そんな中で選んだのはこれ。と言いつつ、これも工事中で建物の全貌は体感できていません。
仮囲いに建物の絵を描いておくのは、アリですね。
余計に見れなかったのが悔しくなりましたが^_^💦

おまけ)北海道本庁舎の八角塔屋根そのものが展示されていました。

ただですね、改修中の状況を展示してくれてたのです。八角塔屋根をこれだけ間近で見れたのはそれはそれで嬉しかったです^_^
(現在は、八角塔屋根はもう元の位置に戻されているとのことです。)
調べてると北海道庁旧本庁舎、かなり良さそうな気配…2025年度にはリニューアルオープンとの予定だそうですよ。

さて、いかがでしたでしょうか。
さすが札幌!です。
これ以外にもレンガ造の建物いーっぱいあります。見どころ盛りだくさんです。
私は建物メインで、すすきのには立ち寄ってませんが、あそこにも毛綱さんの建物があったなあ。(とことん建築バカです💦)
今回紹介した中で、旧小熊邸、札幌ドーム、モエレ沼公園以外は結構まとまってる印象ですね。だからこそ、事前にルートを決めておくことをオススメします。
それではまた!

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