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富山県中新川郡(立山町・上市町・舟橋村)のオススメ名建築5選【建築巡礼24】
さて、久々にこちらの記事をば💦
日本三霊山の立山から富山市にかけての範囲が中新川郡と呼ばれる地域です。
この地域、平成の大合併で全く合併しておらず、良くも悪くも以前の雰囲気を残しながら、住みやすい地域として徐々に変わりつつある、そんな感じです。
(写真は室堂ターミナル・ホテル立山。立山登山のスタート、室堂にある、日本で一番高いところにある駅です。)
1)立山博物館/磯崎新アトリエ他/立山町
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よく使われる外観はここから90度傾いたところですが、私はこちらのほうが好きです💦
立山は古くから山岳信仰で有名であり、その歴史的遺構と一体的に整備された博物館です。
メインとなる博物館(磯崎新設計)の他に、大スクリーンで立山信仰を紹介する遥望館(磯崎新設計)、立山信仰を示す天国と地獄を現代アート的に表現したまんだら遊苑(六角鬼丈設計)などがある。
現代建築のみならず、布橋等、当時の信仰を実感できる建物が同じ敷地にあるので、そこも併せて見てほしいです。
2)ヘルジアン・ウッド/隈研吾建築都市設計事務所/立山町
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照明にハーブをまとわせています。地域の建材の見せ方はさすがです。
水田やハーブ畑の中に、アロマ工房、レストラン、イベントが浮かぶように建っています。
藁や土等地元の材料に敬意を払いつつも現代的な翻訳をされた建築、さすがと思います。
一日一組の貸し切りサウナホテル「The Hive」、重要文化財をリノベした古民家宿+食事処の「旧土肥家住宅」、同じく隈研吾設計の白岩酒蔵(現時点では一般見学不可?)もあり、ここ数年で熱を帯びてきている地域です。
ちょっと値段設定が若干高いように思いますが・・・💦
なお、結構雪が深い地域なので、冬季は休業します。ご注意を。
3)アカリエ/東畑建築事務所・鈴木一級建築士事務所JV/立山町
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建築屋からすれば、外観以上に中が素晴らしく感じます。
曲面の白い壁が象徴的なかわいい建築です。
地形と雪の立山などからくるイメージ+立山への眺めを阻害したくないという思いからとのこと。
地下熱を利用した輻射熱の冷暖房で、環境にもやさしく、吹き抜け部分にはネット遊具もあり、これからの立山町の核となっていく力と魅力を持った建築だと思います。
曲面部分がこのあとどう経年変化していくかが非常に気になります💦
4)大岩山日石寺/上市町
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本堂の中はさすがに写真がとれなかったので、代わりにこれを。
大きな岩の中をくりぬいて室を造り、さらに岩の上に建物を建ててます。
すごい💦
立山などを信仰する山岳宗教を信仰する人たちの修行場として興り、平安時代に寺院が建てられたというところが由来で、慶長年間(16世紀末から17世紀初頭)に再興された寺院とのことです。
そういえば、昔女子アマレスの合宿がここで行われていたなあ。
数多くの巨岩・奇岩があり、建築もさることながら、夫婦岩、千岩渓、十二支滝など多くの見どころがあります。
このふもとの素麵も有名ですよ。
5)天望立山荘/吉阪隆正/立山町
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国民宿舎 天望立山荘HPより
コルビジェを彷彿とさせる外観
あと一つ・・・。どうしよう。
立山室堂か、SILVER WING(彦根明+アンドレア設計)か、おおかみこどもの花の家かと悩みましたが、これを。
吉阪隆正と言えば、解体されてしまった富山市立呉羽中学校や鈴木京香さんが買い取って改修したヴィラ・クゥクゥも設計した、ル・コルビジェの愛弟子。
その作品が立山の高原に残っています。でも実はまだ訪れたことがない泣。
憧れの気持ちを込めて選んでみました。
後日、ここに伺えたら、記事を差し替えたいです💦
さて、いかがでしたでしょうか。
モンベル等の誘致など積極的なまちづくりを進めている立山町、ゼロ円空家等のまちの根幹を見直している上市町、富山市のベッドタウンとして住みやすさを追求している舟橋村。
三者三様ですが、とても動きがみられる地域です。
何年か後には、5選を選びなおすことになっているかもしれませんね。
それではまた!