成長実感という魔物
前回のnoteから、はや1年以上が経とうとしています。
「書く書く詐欺」だと言われても致し方が無いほどの時間が経ってしまいました。
言語化すること自体は苦手ではないのですが、全く手が動きませんでした…時間があれば書けるものでもなく、「書くぞ!!」という気持ちに持っていくことが、これほど大変なんだと痛感しました。「書く」事を仕事にしている方々を本当に心から尊敬します。
1つ目の「戦略」の内容と2つ目の「戦略体系」のnoteは、普段お付き合いのある方々だけでなく、新卒採用で出会う学生の皆さんや、中途採用でお会いする方々、その他にも本当に様々な方から「分かりやすかった」「考え方が整理された」など、ポジティブなご意見を頂き「言語化」し「発信」する事の重要性や意義を強く感じました。
また、このnoteをきっかけに、ALL STAR SAAS FUNDさんのPodcastにも、出演させて頂き、こちらもポジティブなご意見を多く頂きました。
お時間があれば、是非お聞きください(1時間越えの大作です)
今回改めてnoteを書こうと思ったきっかけがあります。
「note読みました!次はまだですか?」と感想と共に、「次」を期待していただく事が多くある
成果が出てるのに悩む人がいる(今回のテーマ)
1は、きっかけというより、戦略に関するnoteを様々な方に読んでいただき「次」の期待が大きい事が嬉しくもあり、ありがたい反面、プレッシャーを感じていました。
私のnoteは、プライベート半分・会社や仕事のブランディング半分という取り組みではありますが、CEO室(CXOブログの発信を取り仕切っている部署)からの無言のプレッシャー、求職者の方々の多くが面接前に見てくれているというプレッシャー、「次まだですか?」という期待からのプレッシャーで、その度に「書かねば」という気持ちでいました。
これが1年間途切れずにずっと続いた事と、いくつかのきっかけがあり、とうとう書く覚悟ができました。そうは言っても先送りはダメですね…という自戒の念も込めて書いています。
2は、これが今回のテーマに直結する部分です。
前回のnoteでは「次は事業戦略家」のことを書くと宣言していましたが、、撤回します(またいつか書きます)
最近、プライベート・仕事含め数名の方から同じような相談をされたり、マネジメント業務においても過去から何度も相談される内容でもあるので、今回のテーマで書くことを優先しました。
口頭で説明すると「なるほど!悩んでるポイントがすっきりしました!明日から頑張ります!」と大体言ってもらえるので、先にこちらを言語化します。
今回のテーマは「成長実感」に関してです。
抽象的で難しい概念ですが、あまり深く「成長」というテーマそのものを追求することは避けようと思います。また自ら進んで、自己研鑽や啓蒙的な内容を発信することも個人的に好きではありませんので、他の方にお任せします!
成長には様々な考え方があるので、シンプルにして進めたいと思っています。
今回のnoteにおける「成長」の定義
成長とは「出来なかった何かが出来るようになること」
前提として、この世界にスキルや経験が、A、B、C、D、Eの5パターンしか存在しない設定に、簡素化します。
分かりやすい成長は、「A」が出来るようになる、さらに「B」が出来るようになる、といった「ツール的に」スキルや経験が増えていく事は、「成長実感」が非常に分かりやすく味わえます。
また、成果が可視化されている場合、同じ環境や同じ役割で「A」を高めていくことも、「昨日よりも出来るようになっている」という体感が得られやすくなります。
これを「ツール軸」と呼びます。
上記のような「成長」をしている間は、比較的マインドも高く仕事に取り組めます。
しかし、あるタイミングから「最近、成長実感が沸かない…」と感じ始める人が出てきます。
「成長実感が沸かない人」は、往々にして「成果は一定出せている人」で、優秀な人が多いのが特徴です。
不思議なもので、「やりきっているからこそ感じる」何かがあるようです。その状態が進むにつれ、成長実感が沸かない(薄れていく)ことに起因して、未来に対する不安が渦巻きます。その結果「新しいチャレンジをしたいので、転職します」となるケースもありますが、こういうパターンは結果として、そのあと転職自体が失敗しているケースも多いと感じます。
全ての人ではないですが、こういった状況で多くの人は、実は「成長している」が、「実感できていない」という現象が起こっています。
成長してるのに、成長できている実感が湧かない、そしてつらい
この現象は、ある「魔物」が引き起こしています。
気付いていないからこそ、その不安からキャリア上、間違った選択を起こしてしまう可能性があるのが恐ろしいところです。
さて、この魔物の正体ですが、非常にシンプルで「再現性」や「成功確率」という類のもので語られる事が多いです。
これを「再現性軸」と呼びます。
魔物の正体
この魔物の正体を、具体的に「マネジメント」を例に解説します。
5名のマネージメントを任されていたYさんが、成果を出しながらそのマネジメント人数が、10名→15名→20名→50名→100名と規模が上がっていった際、当然途中で間接マネジメントは入りますが、ずっと同じ領域でマネジメントしていると、ツール軸の成長を感じる事ができません(正確には分解次第で、A:直接マネジメント、B:間接マネジメントと分けてツールが増えていると捉える事もできます)。
この時、Yさんは「ずっと同じ事をしていて、成長できていないな」と悩むこともあれば、一種の飽きを感じることもあり、そうしているうちにキャリアの不安を感じてしまいます。
しかし、通常、20名や50名、100名のマネジメントを未経験者が捌き切る事の難易度は極端に高く、Yさんは時間軸や経験を伴い、そのマネジメント能力が再現性軸の成長として高まっていることになります。
この再現性軸は、意外に「成長」と捉える事が出来ない類のものであり、これが「魔物」なのです。
それは、成功確率や再現性が高まっている事を確かめる術が、多くは存在しない事にも起因するのだと思います。
一つの解決策は、成長には「実感を得辛い『再現性軸』が存在する事」を意識しながら仕事に取り組む事と、もう一つおすすめするとしたら「副業」を活用する事があります。
というところで、次回のタイトルは「副業のススメ」という内容で、1ヶ月以内に発信したいと思います。
最後に、このブログを記載している時期が、2023年4月入社の新入社員のOJT時期でもあるので、Chatwork内の事も少し記載しておきます。
Chatworkの新卒育成における「成長」
ちなみにChatworkの最近の新入社員数の推移は以下の通りです。
基本は、決められた仕組みの上で踊るビジネスパーソンを育成をするのではなく、仕組みを作る事ができる超優秀なビジネスパーソンを育成する前提なので少数精鋭です。この「仕組みを作る力」がついている事が成長と定義しています。
また、学生からだけではなく、第二新卒的な採用も積極的に行っており、同じ育成プロセスに乗っている社員もいます。
大前提として、成果を出す仕組みを作る能力を高めるので、基本はあまり答えを教えません。下のグラフにおいて、成果が最大化されたタイミングから、成長が止まっているとみなしています。
すなわち、プロセスそのもののPDCAを回した結果、答えが出続ける仕組みを作った時点で成長が止まります。
そこで、非成長期に突入したタイミングで、できるだけ早く、次の難易度を連続的に課す事が重要だと捉えており、以下のグラフのように、「成長期」を経て「非成長期」に入り、また「さらなる成長期」へと入っていく連続的な成長を実現できるようにコントロール(環境設定)をします。
この非成長期をできるだけ短くし、連続的に成長する事で、より難易度が高い仕組みを構築する事ができるビジネスパーソンとなります。
インサイドセールスの業務を例に取り上げてみます。
インサイドセールスとして成果ポイントとして追えるKPIはたくさん存在します。
架電数
コンタクト数
商談獲得数
商談実施数
有効商談化数 etc…
例えば、1ヶ月目は商談獲得数を重要な目標としてプロセスの最適化をさせます。当然、このタイミングでは答えは教えません。
自分の考える通りにPDCA回し「商談獲得数」を最大化する仕組みを作っていきます。TheModel型の仕組みのご経験がある方なら想像がつくと思いますが、「商談獲得数」の最大化を実現するプロセスと、その後にある「有効商談化数」を最大化するプロセスは必ずしも完全一致はしません。
また、翌月には「有効商談化数」を最大化してくださいと、お題を変える事で、コントロールすべき変数が増え、前月までに作り上げたプロセスが一部崩壊します。その中で、捨てるものと残すべきものを取捨選択し、改めてPDCAを通じて正しいプロセスを構築します。
この繰り返しで、変数を取り込みながら、より難易度の高いプロセスの構築ができるビジネスパーソンとして育成されていきます。これをもっと大きい範囲の業務でも連続的に提供していける環境が重要だと思っています。
2022年入社の新卒社員インタビューも公開しましたので、ぜひご一読ください。
今回noteで綴った「成長」に関する内容に、興味ある方はぜひ、どういった手段でも構いませんので問い合わせください。人事の方でも育成担当の方でも、転職希望の方でも、学生の方でも!!
次回は、本文中にも記載しましたが、「副業のススメ」というnoteを書こうと思います。