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夕空しづく/詩人・小説家
2023年5月29日 20:39
夜道は危ない、と知ったのは大学生になってからだった。それ以前の私にとって、夜道は単に恐ろしく孤独なものであるだけで、危険なものではなかった。街灯の少ない空にはぞっとするほど星が光っていて、隣に恋人でもいれば「綺麗だね」なんて言ってキスなんかできちゃうくらいの雰囲気で、でも私はたったひとりで、世界中の孤独を全部背負ったような顔をして、夜を徘徊していた。実際、そんなに頻繁には徘徊していなかったは
2023年5月8日 12:17
米津玄師さんは私にとって、「誰にも言えない絶望を見つけてくれる」人でした。私は幼い頃からずっと、頭のなかに文章が流れていました。それは、過去と未来が入り混じったものであったり、現実と空想の合間のようなものであったり。かなしいとかうれしいとか、今存在する言葉で形容できないものばかりでした。いつからか、救われたい、と強く願うようになりました。でも、自分を救えるのは自分しかいないと知ってしまった