好きをシゴトにしていい時代。
引用シリーズ。実はこの記事は、FBでふわっとシェアしたのだけど、改めて書こうと思って引っ張ってきた。
ひと昔前なら、お金をたくさん儲ける人が若者の憧れの対象でした。だけど最近では、僕やホリエモン、西野(亮廣)さんみたいに、毎日がアドベンチャーみたいに“楽しそう”な人が憧れられるようになった。しかも一見簡単そうじゃないですか、「好きを仕事に」って。
だから皆躍起になって「好きなことで生きていくぞ!」みたいになってるし、僕が先導しているような節もあるけど、実際そんなキラキラした楽しいだけのものではないんです。そこには泥臭い仕事だってたくさんありました。だから今の若い人が「好きなことだけをして生きていきたい」って憧れで言っているなら、それは違うんじゃないかなあって思います。
「置かれた場所で咲けないやつは、好きなことでも開花しない」
この言葉に惹かれ、記事を読んだ。
私自身も、この2年ですっかりパラレルワーカーであり、多拠点居住者という印象がつき、今半分近く香川にいるんですが、大体そのときは「今はどこにいるの?」「忙しいと思うんだけど」という前置きがつく。
実際のところは、たぶん他の人より全然労働時間は少ないとは思うけど、自分のスケジュールをやりくりし、あっち行ったりこっち行ったり、自由に動いていることは、間違いない。
好きなことだけして生きているみたいなイメージついてますが、私自身も好きという感覚はあまりなかったりする。パラレルやってると、得意なことだけで生きていける、というのが正しいかもしれない。
基本的には外注の立ち回りだからこそ、一緒にプロジェクト動かすうえでは、それぞれの得意なことを生かし合って、チームは作られる。だからこそ、自分が苦手なことを率先してやることはなく、苦手=ワクワクしないことは結構切っていることも多い。私のワクワクしないことがワクワクする人が必ず世の中には存在しているからだ。
やってることの中にはものすっごく地味なことも紛れているし、正直面倒だな、、とこぼしたくなることだってやってます。どうしてするの、って、一緒にプロジェクトやってるメンバーや会社が好きだから。結局はそれに尽きる。
だからこそ、一緒にプロジェクトを動かすメンバーによって、自分の立ち位置が大きく変わる、というのが今の自分かもしれない。
「好きをシゴトに」よりも「自分でスケジュールを決められる人」になりたかった
好きなことなんて簡単に見つからない。好きなことは自分にとって当たり前すぎて、仕事になるとほとんどの人は思っていない。仕事はつらいもの、我慢するもの。だから趣味が楽しい時間になる、と多くの人がそう思っている。
私自身も、特に趣味がある人間でもなかった。会社と家の往復で、土日は仕事、平日が休みというサービス業。好きだった演劇も時間が合わない。自分の好きなこと、やりたいことなんか、社会人6,7年間は考えたこともなかった。シフトで仕事をして、行きたいと思ったイベントにも行けない。だれかにシフトを決められる人生に辟易したし、自分が旅館でシフトを組む立場になっても、しんどさしかなかった。だからこそ、自分でスケジュールを決め、自分の采配で埋めて行ける人になりたい。そう願う気持ちが強まった。
自力で新規開拓して、ゼロからつくった仕事は楽しく、サバイバル力が身に付く
出版社の広告営業って、当時は「今までのお付き合いを粛々と保つ」みたいな仕事がほとんどで。取引のある広告代理店へメールしたり、先方に出向いてお茶したりして終わるのが普通だったんです。でも僕は、それでは自分のいる意義が見い出せなかったし、つまらなかった。だから出版社の広告営業としては異例なんですけど、勝手に新規開拓をしていました。
新規事業のために東京に行ったはずなのに、予定していた仕事が流れた。これが人生の大きな転機。新規事業用に出会った人とアポを入れまくり、会いまくり、企画を固めていたけれどペンディングになり、流れる。
やることがなくなったから、帰ろうかとも思った矢先、とりあえずやってみたら、何かを、みたいな振られ方をして、とにかく模索しまくった。
荒地にぽーんと、とりあえずクワを渡されたような感じ。好きに耕せ、と言われ、手当たり次第に耕しては、タネを植えて、育ててみて、うまくいったことが今の自分を形成している。そんな感じ。
そのときは、植えてみたもの、やってみたものが、なんとなくこれは好きかも、得意かも、を重ね、これは苦手、嫌だなと思ったことを外す。ただそれだけ。結構シンプル。とりあえず、これは本当にしたくない、と思ったことだけは外してきたような、そんな感じ。
最初は与えられた仕事で全力を尽くすことも大事
僕自身、もし広告営業で頑張れていなかったら、編集者になっても頑張れなかった気がします。広告営業で培った力とか実績、人脈が今も確実に役立っていると思うんですよね。最近CDアルバムを出したのも、広告営業時代にクライアントだったレコード会社の人からのオファーですし、どんな仕事でもその瞬間を一生懸命に生きることが線になって繋がっていくんじゃないかな。
まずは全力でやってみること。特にサービス業時代は、とにかく全部向き合いまくったからこそ、様々な目線を配れるようになったり、数歩先を見据えた仕事ができるようになった。
仕事の基礎は、何でも一緒。こうしたらうまくいくかも、面白くなるかも、と工夫して頑張ったぶんだけ、必ず力になる。一生懸命やった記憶は、自分にも、相手にも残る。だから月日が経ってからも、気にかけてもらえたり、また違った形で関わりを持つことができるのだと思う。主語が自分になって、主体的に仕事に関わっていくことで、間違いなくすべて力になる。誰かが軸の人生ほど面白くないものはない。
第一、「好きなことをして生きろ」なんて言われているのは人類史上初めてなんだから、とことん悩んでいいし、迷子になったっていい。20代は、好きなことを見つけることを一生のテーマとして、とにかく目の前の仕事を楽しくしていけばいい。
目の前の仕事を楽しめる力。どんな状況でも「楽しめる」ことはとても強い。嫌だなと思うことも、見方次第で面白いものになるかもしれない。
面白くなったとたんに、自分がものすごく評価されるかもしれない。
好きなことなんて見つからなくてもい。
自分でわからなくても、周りが意外と教えてくれる。
私が周りから、「料理好きなんだね!」と言われて、そうなのか?作れるのは当たり前じゃないか?と思って、半年以上にわたって好きかどうかを検証したように。
好きなんだな、と肚落ちしたのは、時間を忘れて作り続けられる、全く飽きない、嫌にならない、という3拍子がそろったから。これは、「好き」と認定していいらしい。周りにも求められている。ということで、少しずつ仕事に変換することができているように。
そして、好きなことはひとつじゃなくていい。
たくさんあっていい。興味をたくさん持ち、なんでもやってみればいい。たくさんあけた箱の中に、好きとか得意とか、自分にぴったりのものが入っている。それを探し当てるのが20代なんじゃないかと思う。