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銀行員の仕事がなくなる、その日


銀行は近い将来きっと無くなる。
予想ではなく、確信だ。


挑発的なタイトルだが、紛れもなく事実であろう。


実は私、2018年まで銀行員。
融資係として、法人先への営業を主な仕事として行なってきた。

私の妻は今もなお銀行員として働いているが、私たち夫婦は大学卒業してから1番初めの会社(業界)として、銀行を選び就職、


銀行を1番初めの就職先として選んだのには理由がある。

それは私の実家が商売屋だったから。




小さい頃から土日関係なしに働いている父と母、そして祖父母の姿を見ていて、幼いながらに感じたことがあったからだ。



…今振り返ってみてもとても不思議に感じる。
…なぜ何も実績もない低学年の私が、この時すでにこんな感覚を養っていたかは不明。


当時の担当していた銀行員と家族とのやりとりを観察していて、不思議と恐怖を感じていた。


『こんなに頑張って働いていても、たまに会社に来るスーツ姿の銀行員の裁量次第で一生懸命働いている私の家族や従業員、そして従業員の家族までもが路頭に迷ってしまう可能性がある』ということをこの時すでに感じ取っていたからであろう。




建設業は、工事(案件)を受注してから売上を回収するまでの間に「先行するコスト」が他の業種より大きい業種だ。

・材料費
・人件費
・重機などのレンタル費用
・職人さんなどへ支払う外注費など


様々なコストを先行して負担しなければならない。



受注した工事の金額が大きければ大きいほど、材料の値段が嵩み、
その工事にかかる人工も増え重機などのレンタル料金も工期(日数)が長くなるので、勿論金額が嵩んでくる…。

今は会社に力がついてきたため借金もなく、どんだけ大きな工事を受注しても先行する支払いに預金で対応できるまでになりましたが、私の幼い頃の会社はそうではなかった。


銀行員が月末(振込日)近くになると、パリットしたスーツを着て、ニコニコしながら会社に訪問してくる。


銀行は、企業などにお金を貸して利子(りし)と元金(がんきん)を返してもらうことで収入を得る仕事。


お金を貸した際の利息によって収入を得ている。


預金者が預けたお金の一部を銀行が選定した企業に貸し出し、貸すときの利息は、預金の利息よりも高く設定されている。



この仕組みで、銀行業というのは利益を稼いでいるのだが、当時の会社は、銀行からしたら「良いお客さん」だったわけだ。



銀行の担当者はたった1人。

それに加えて会社の従業員は30人。


(それ以外の事柄も勿論関係するが)
月末の資金繰りだけを見た時に…
この1人の担当者の仕事次第で従業員30名とその家族は生かされているんだなぁと感じなんとも不思議な気持ちになった。



幼少期のこの出来事が後に私が銀行に就職する際のモチベーションとなるわけだが。




実際に働いてみて、感覚的にこの業種は長くは続かない、なぜ儲かっているのか分からないという思いが年々節々と芽生え始めた。

重厚長大産業を中心とした設備投資のための長期資金のニーズは、
1973年の高度経済成長終了とともに徐々に衰退しましたし、バブル崩壊後(1989年頃)からの日銀の公定歩合引き上げ(いわゆるバブル潰し)によって、短期金利が上昇しました。長期金利は低いままでしたので、短期で調達した資金を長期に資金を貸し出す長信銀という業態で完全に逆ザヤ状態が発生。


また、働きながらたくさんの辛い出来事にも遭遇してきたのも一つだ。


お金がない人にはお金を貸せない「普通の人の非常識」の部分が、銀行では普通になっていたのである。

要するに銀行は、
今、お金を持っていない人には資金を貸さないということだ。

本来の金融というのは、チャレンジしたい、でも資金がないという人を支援するのが役割だと思うのですが、銀行というのはその人がお金を持っているか、持っていないかしか見ないのが現実。



日本経済が高度経済成長を達成する辺りまでは、銀行の存在意義は確かにあったわけですが、それ以降はほとんどなくなってしまったのだなと働いてみて肌で感じる毎日だった。



高度経済成長の時代は、監督官庁の言うとおりにしておけばよかったのだが。



銀行からお金を借りたい人はたくさんいたので、堅そうな人に上から順番に貸していけばビジネスは安泰。

なので、銀行の中では預金を集めてくる営業マンが最も偉かったわけである。



そのモデルが1973年に崩れて、企業も成長も一段落。

借り手が少なくなってきた。

そうすると今度は融資する営業マンの地位が高くなった。

これがバブル期まで続き。



その後、バブルが崩壊すると、今度は運用難の時代。

債券ディーラーの地位が高くなり、リーマンショック後は、今度はまた融資を増やさなければならないということで、債券ディーラーと融資部門の戦いが始まった。




2023年8月9日の日経新聞の記事でもリリースされたが、
ベンチャーデットをはじめ生き残りに向けて奮闘しておりますが、正直経営者としてこの窮地にまで追い込まれている「経営判断」というのは、限りなく、倒れる寸前の経営だと感じる。


新株予約権を付けるなどしてリスクを軽減し、従来では難しかった赤字企業に融資し残高を数年後までに最大1000億円に増やす方針と書かれているが、

僕から言わせれば、
「今度の工事を発注してくれる会社は、いつ潰れるかわからない会社です。工事代金は振り込んでくれるかわかりません。工事代金が振り込んでもらえなければ将来的には従業員の皆さんに支払う給料もありません。しかしそうならない為にも、毎月出来高で請求書を提出して圧力かけたりしながら対応していくつもりです。なのでどんどん工事を取っていきましょう」
と言っているのとほぼ変わらない気がするのである。。。


経営者として、こんなことは絶対言えない気がするけどね。


銀行の将来が明るくないのを予想することはそう難しいことでは無い。



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あおたん
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