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つうじない日本語


昭和生まれのわたし・令和生まれのマゴ娘。たまに会うだけなら気づかないこともある。生活のちがいと、コトバのちがいにプチ困惑。つうじない日本語。
(1393文字)



ボーナスとは

まずは平成生まれ・娘のおはなし。
娘は転職、ショッピングセンターに出店している会社に決定。
「できちゃった結婚」のため、新卒で入社の経験もない。
(これはあくまでも個人の経験と感想です)


いまどき、副業・複業なんてあたりまえ。娘はパートふたつを、こなしている。
娘の年代の就職事情、最初から正社員ではなく「嘱託社員・試用期間あり・正社員登用あり」
こんな不安定?な就業が多くなっていました。

ボーナスってなに?
ボーナスなんてない。


ボーナスが、わからないとか、無いなんて。娘世代のすべてでは、ないけど。世の会社のすべてでは、ないけれど。


あっても「寸志」ていどらしい。
もうすぐボーナスだから頑張ろうなんて遠い昭和のハナシ。
つうじない。


いつから、こうなった?







さようなら3万円

保育園のない日曜も働く娘。
時給が100円アップするとかで。
マゴ娘をあずかるのは、当然わたしである。


連休中に、他県に嫁いだ友人たちや、結婚まぎわの友人と、お泊りパーティーをするそうだ。
ビジネスホテルの一室で。
旅行なんて……贅沢すぎて、ちょっと無理。
友人も帰省ついでだものね。


さようなら、3万円!
結婚祝いのお金が飛んでゆくお年ごろ。
ことし聞くのは何度めか。
こんな出費こそボーナス補填ほてん……。
おっと、いけない! ボーナスないんや。
つうじない。
でもでも、お祝い3万円の金額は変わらない……ような気がする。

いつから、こうなった?






エントツとは

最後は、令和生まれ・マゴ娘のおはなし。
マゴとあそぶ日は銭湯へいきます。帰宅してから、お風呂をはぶけれます。暑いので汗だくになり結局シャワーするのですがね。

このごろは、バァさんとマゴの銭湯めぐりも板についてきました。
なるべく駅チカ・徒歩圏内のところへ。大阪のまちも高層住宅だらけです。

昭和40年代、2階建ての瓦屋根のあいだに銭湯の煙突えんとつがニョキ。いちばん高くて、目印になってました。


先日マゴと行った銭湯は、マンガの「三丁目の夕日」みたいなところ。煙突が見えます。ウラは公園だ。


湯上がり。
「煙突を見にいこう」


「エントツってナニ?」




銭湯の象徴・煙突が……わからない?!


「煙突な、銭湯の湯ぶねのお湯ってまきに火をつけて沸かすんや。
そしたらケムリがでるねん。
近所が真っ黒になるから、背の高い煙突で空にケムリを出すねん。」


わたしは、日本語をしゃべった。
なのに、マゴに……つうじない。


薪に……火を……ケムリ……


そうか、
アウトドアやキャンプは無縁で「薪」がわからない。
娘とマゴの家は、コンロが電気で火が出ない。台所にガス湯沸かし器もないので「火」がわからない。
換気扇のおかげで「ケムリ」は皆無……。


説明をあきらめた、わたし。
さながら江戸時代の人間でござる。
マゴ娘は質問のこたえより
三丁目の夕日公園で遊びだした。



エントツなるもの。
つうじないまま
まちから消えるのか。



「かいかい (かゆい、かゆい)。
もう帰る」
ことしは、まだ蚊がいるのか。
わたしも、ここにおるけど。
つうじない。



蚊は、若いマゴ娘の生き血だけを吸っていた。



足かいかい


いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに


さいごまで お読みくださり
ありがとうございます。

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