![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/115674275/rectangle_large_type_2_abc47b99ff485c3780934b0b0f06f44a.jpeg?width=1200)
この家どうするの?(29)葬儀屋さん今昔・5
人生の最期って……病院でむかえるとは、かぎらないものです。
父は自宅死、わたしは第一発見者。
【病院以外で人が死ぬとこうなる例】
回想文5回目です。つらいかたは、お読みにならないでください。
(1252文字)
第一のミッション「葬儀社を決める」
◆前回までのおはなしです◆
ねむい……眠い。父の家の固定電話から、大手葬儀社へ。見積もり金額までたどりつかない。
おもい……重い。受話器が重い。自分のスマホでかければよかったのだろうか。
とにかく葬儀社を決めること。監察医の解剖がすんだら、父を迎えに。葬儀社さんに依頼しないといけない……。
うっかりしていた。オットの母もこの葬儀社さんにお願いしたのだ。病院から自宅まで、タクシー代は17万だった。
監察医事務所までの出張、入棺・出棺の別途金額は……。これもタクシー代では……。
こころのなかで疲労と疑惑がおしよせる。
監察医事務所はドコですか?
ビョヨ~~~ン……
受話器の、まきまきコードがのびて、わたしの意識も受話器といっしょに落ちた。
……ゴンッ!
眠気と不安と
そんな、まさか?
チェーン店みたいに何軒もあるのか、大阪?!
えっと、受話器を拾わないと。
監察医事務所は、○○区△△町、
言わないと、答えないと……
……ぼく、ねむいんだ。
パトラッシュ……。
え? いッ……
「……ありのまま今起こったことを話すぜ!
な…何を言っているのか
わからねーと思うが (中略)……」
ポルナレフの名言まで飛び出しそうになるのをこらえる。
もうだめだ!どうしよう。
もしもし、
もしもし大丈夫ですか?
大手葬儀社さんのお兄さんの声だ!
あわてて受話器を拾う。自分の意識もひろう。コードが絡まっているが、もういい。
……とりあえず断ることにする。
すみません。親戚と話しあいをしますので、いったん白紙とさせてください!
お願いするとしたら、また改めてお電話します……ので。
ありがとう……ござ……い……
「お、お客さま。
固定電話ではナンですので、携帯電話の番号を教えてください」
さすが大手葬儀社さん。
終わりのないのが終わり。
わたしは、携帯の番号は教えられませんと、なんども何度も謝って……
……受話器を置いた。
![](https://assets.st-note.com/img/1694184619244-WWxfGv5qlh.jpg?width=1200)
落ちついて次へ
なんか、あせって葬儀社を決めてしまおうとした。
コーヒーでも飲んで、葬儀社を検索してから。まずは、落ちつこう。
刑事さんは「大手葬儀社さんにするとか?」と、推していたのは、大手は、通話を録音しているからだろう。
何かあったら、わたしのカルピス劇場が警察で再生されるのだろう……。
でも大手葬儀社さんが、監察医事務所の場所を知らんとは、これいかに。
眠気は強くとも、どうも……そこが引っかかったのだ……。
もう一軒、すこしちいさい葬儀社に見積もりを、あたってみよう。
ダメだったら……
曾祖母・祖母が、お世話になった、わがまちの「A葬祭」さんにしよう。
コーヒーを飲み終えてから。
(不謹慎ながら続きます)
![](https://assets.st-note.com/img/1694184220020-2z0hLiOBYI.jpg?width=1200)
「親の持ち家」の日
いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに
さいごまでお読みくださり
ありがとうございます。