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大阪・アラビヤコーヒーさん

 なんば・法善寺ほうぜんじちかくのアラビヤコーヒーさん。アラビアではなくアラビヤ。香りたつ。語尾のアロマもあいまって。
(1860文字)


アラビヤコーヒーさん

 大阪なんば、というより「ミナミ」といったほうがしっくりと。
法善寺で、水掛不動みずかけふどうさんに参ったあとは、こちらです。

アラビヤコーヒーさん
大阪市中央区難波1-6-7
10:00~19:00
水曜定休(不定休・要確認)

もより駅は……
●Osaka Metro(大阪メトロ)・千日前線・御堂筋線・なんば駅
●阪神なんば線・大阪難波駅
徒歩約5分

南地中筋商店街

 南地中筋商店街なんちなかすじしょうてんがい。正式な名前よりも、法善寺の入り口とか、戎橋筋のヨコのコーヒー屋さんといった、あいまいさ。それでワカル。なんせ「世界のコーヒーアラビヤ」なのですから。


創業1951年

 アラビ。アラビアとちがう。語尾は「ヤ」。
むかしは、カトレヤ、ロシヤ、コロンビヤなど……「ア」ではなく「ヤ」で表記していたんヤ。なんとなくモダンに感じますね。

 すこし重い扉を開ける。片開きだ。押して店内に入る。自動ドアでないのがいい。ほぼ満席のカウンターは5人が座り、あと1席。テーブル2席のうち1席は空いていた。

「いらっしゃいませ、お好きなお席へどうぞ」

「テーブル席でもいいですか?」

「はい、どうぞ」ホールの女性。
マスターは、カウンターのなかで、せっせとお仕事。

テーブル席に腰かけたとたん、
ばたん!
派手に片開き扉が閉まった。ストッパーは付いていないようだ。けっこう、店内に音が響いた……はずかしい。

 これからアラビヤコーヒーさんに行かれるかたへ。扉の出入りに、ご注意。扉はゆるゆるとしていますが、閉まるときに音がします。座ったころに、ばたん! ビクッとします。
扉を閉めるときは手と目を添えてくださいね。

あちこちにコーヒーの器具が
壁のメニュー
ARABIYA COFFEE 1951.2.9


濃い顔のひと

コーヒー豆しょってコーヒーで乾杯

 なんとなくコワモテ。なんとなく濃い顔がズラリ。むかしのコーヒー屋さんは、山小屋のような造りが多い。


オイルのツヤと深い香り。天井までアラビヤのコーヒー。営業の月日で、お店全体を焙煎したかのように。


「レギュラーコーヒーと、ホットケーキください。」

 ターバンを巻いたロゴマーク。あっさりと強烈なイラスト。ターバンが、ほどけて乱れているように見える。こころのなかで言おう。「兄さん、働きすぎヤ。」


雑誌もたくさん。大きな本棚、どこから手に取るか。たくさん読もう。スタッフさんの言葉は、
「ホットケーキは時間がかかります。」
だったから。

マスターがホットケーキを焼いてくれる間、調度品をながめた。そのなかに帆船の模型もあった。
創業者の先代は、海軍出身のようヤ。

名刺のことばを引用いたします

アラビヤの先代(高坂光明)がエリート将校から一転、珈琲人生をスタートさせたのは1951年2月9日(25才)。
珈琲がまだ特権階級者の贅沢な飲み物で、かろうじて庶民が口に出来る珈琲は、出がらしの豆を煮詰めたものであったとか。当時は濃い珈琲の全盛で、店の味を「薄い」と文句をいう客もあったが、絶対に譲らなかった先代はケンカすることもしばしば。でも本物至上主義の先代の選択は、現在も二代目(明郎)へと受け継がれ珈琲党に「うまい!珈琲」と言わしめる。


 わたしも例にもれず、濃いコーヒーがでてくるものと思っていました。コーヒーは苦味が少なくスッキリ。(個人の感想です)

各コーヒーは、ホットかアイスを選べます。種類豊富!他店では、アイスコーヒーは、だいたい1種類しかないのに。
水出し・ダッチコーヒーもあり。何度も行きたいコーヒー屋さんです。



絶品ホットケーキ

 食品サンプルか、木のオモチャか。ホットケーキは、あまりにも美しく、ぶあつい。熱いのと厚いのが、ないまぜのホットケーキ。これは時間がかかりますね……。


銅板で焼いたような、なめらかさ。表面のキツネは上質な毛並み。とてもやわらかい。中身はふわふわでフォークをはじく。

メイプルシロップとろり
しみこむうまさ
冷ましてから、たべるぶんを残します
おやつにも合うコーヒー

次回はパンの軽食にしましょう。
2階にもテーブル席があり、レアな珈琲用具があるそうです。


大阪ミナミの深まる秋に。オススメ。


ホットケーキ、食べヤ。


毎週月曜日は
「コーヒー・喫茶店」の日


いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに


さいごまでお読みくださり
ありがとうございます。

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