この家どうするの?(24)空き家になると
親が買った家。昭和のオヤジ、一世一代のお買い物・マイホーム。聞こえはいいが、現実は。
これは、エピソード・時系列バラバラの「親の持ち家」の思い出しエッセイてす。
チラシ発見
実家の片づけ。じつは、まだ終わらない。わたしに文句をいう者、急かすものはいないからです。
すでに大型のものは、早くに有料回収に。
紙もの・書類が出てくると最後。
見てしまう、日が終わるの繰り返しです。
昭和の紙ものが、おもしろくて。
会話のない父と娘だったから、紙のおしゃべりに耳をすます。
チラシが出てきました。
父は学童疎開での集団生活のおかげか、妙なキレイ好き。
毎日、衛生掃除と称して室内の床をホウキで掃き、わたしに片づけろと文句をいっていました。
余計なものを持たず買わず。新聞も読んだらすぐ捨てる。ほこり、紙クズが大嫌い。嫁も捨てた。
昭和のミニマリストでした。
戸棚の引き出しに紙が入っていた。よっぽど嬉しかったのか。捨てるのを忘れたのか。
当時の家の広告チラシ。
色褪せた一戸建て。てろてろヨレヨレ。
ふつうの家
一戸建て・建て売り。父の死後、とりあえず近所の人にあいさつをしてまわった。
この家をどうするかは、決めあぐねていた。
近所の人は、きまってこの問いだった。
「この家どうするの?」
注文住宅とか、間取りや素材のこだわりもなく「家」を買った父。頭金やら支払いやらは祖母が負担したのであろう家。
後継ぎの息子がいるとか、次世代に残すとか、なにかの思惑が感じられない家。
ごくごく、ふつうの家。育ててくれた親に家を買ったりする孝行でもなし。じぶんが住むだけの家、父はそれでよかったのだ。
空き家にしないで
近所の人は、みんないう。
空き家にしないで
空き家に人が入るので物騒。
動物だけではなく勝手に人が住みつく。
たぶん、これから親の持ち家があるかたは、空き家問題がついてまわります。
じぶんが家を買っても、じぶんの死後のことまで考えて買ってください。子どもがいる場合・いない場合、どちらもです。
おなじことを言われます。
それだけ空き家が多いのです。
これからも増えるのです確実に。
家の権利書
とりあえず探しに探しました。
どれだけ探しても家の権利書は……
ないのです。
皆さま、親御さんが生きておられるうちに、どこにしまってあるか聞いてといてくださいね。
いや、わたしだけですよね、知らないの。
もしかして……
叔父や叔母が持っているかもしれない。ひそかに再婚して、妻や子どもがいるのでは。
相続が、ややこしくなるかも。
書類ひとつでゾワゾワしてました。
父が死んだとき、まっさきに見知らぬ家族がいないかチェックした。
諸届けで、産まれてから死ぬまでの戸籍が要るのだ。
父は母と離婚後、戸籍上は何もなかった。
父は独居老人で、友人もいない。
父と娘、仲良くない最後がコレなのです。
誰の家か、わからん。
本当に親の持ち家か?
この家どうするの、どうなるの?
いつも こころに うるおいを 水分補給も わすれずに。
さいごまでお読みくださり、
ありがとうございます。